トピックス グローバル人材育成 拠点横断事業

投稿日: 2023年3月13日

JENESYS 2022  太平洋島しょ国 三重コース(1B「SDGs」)

2023年1月21日から29日の9日間にわたり、フィジー共和国にある南太平洋大学から大学生17名(フィジーより15名、バヌアツより1名、ソロモン諸島より1名)スーパーバイザー1名(フィジーより)の計18名が来日しました。「SDGs」をテーマに、東京都内および三重県で多様な自然や人、文化に触れ、それぞれの視点から「SDGs」を見つめ、学びを深めました。

都内では、日本の過去から現在・未来を五感で体験する様々な施設を訪問。コーステーマのSDGsを工夫された展示やワークショップから楽しく学べるJICA地球ひろば、伝統文化に触れる浅草寺や明治神宮、最先端技術を体験できる日本科学未来館、アニメ・漫画などポップカルチャーの聖地・秋葉原などを巡りました。 スカイツリーや都内街並みからも現代の日本の姿を知り、同時に寺院仏閣など伝統を残している姿も興味深く映ったようで、古き良き和の要素と現代の技術とが共生する日本を、移動中も熱心に写真に収め記録を残しました。

▲JICA地球ひろばでSDGs学習
▲明治神宮での参拝
▲スカイツリーと集合写真

都内を巡った後は、新幹線で三重県へ。東京都中心部とは異なる、自然との共存を身近で感じられる三重をSDGsを通して体験し考える時間となりました。 桑名市のなばなの里では、地元高校生との文化交流プログラムに参加。英語部の生徒さんとペアになり自己紹介をし合い日本の歴史や三重に関するクイズに挑戦。フィジーの踊りやヒンディーの歌を披露し、自国の文化紹介も行いました。志摩市の海女小屋さとうみ庵では、海女さんに焼いてもらう地元の海産物を昼食に、海女さんとの会話も楽しみました。海女の羽根さんの「私は74歳ですが80歳まで働くことが目標」のお話に、参加者から「自国では考えられない人生の先輩の素晴らしいあり方です」と驚きと尊敬の気持ちを抱いた様子。昼食後はビーチクリーンに参加。志摩市役所の方のプレゼンテーションにあった「海洋プラスチックゴミが増えている」という現状で特に、小さすぎて拾い集めることが難しいマイクロプラスチックが多くあり、短い時間でしたが海洋ゴミ問題を体感する時間となりました。横山展望台では、天候にも恵まれ英虞湾を一望し、志摩の自然の美しさを目に焼き付けました。

▲桑名高校・高田高校との交流
▲あづり浜での海岸清掃
▲横山展望台での集合写真

また、三重では人々や自然との出会いに加え、陸や海の豊かさの持続可能性を考えるレクチャーの受講や体験も。 現役海女さんから「志摩市の特産品の真珠は乱獲を防ぐために海女と漁師は貝が一定のサイズ基準に満たないものは収穫しないと定められている」と説明を受け、実際にそのサイズ測定に使っている漁具も見せていただき「持続可能性を考え行動していることが素晴らしい」という感嘆の声が参加者から。志摩自然学校では、実際に真珠がどのように出来上がるのか、志摩の人々がどいうったように豊かな自然を守ろうとしてきたかの歴史も学びました。志摩の真珠を使ったブレスレットも作り、素敵なブレスレットを見るたびに志摩ことを思い出せる品の一つとなりました。

▲海女さんとの交流
▲海女さんの仕事着も試着
▲作った真珠のブレスレットと一緒に

大寒波に見舞われ、雪による通行止めの影響で予定をキャンセルせざるを得ない残念な部分もありましたが、参加者全員が人生で初めて見る雪に大はしゃぎで、キャンセルの影響をものともせず全力で日本を満喫。日本人の習慣もよく観察し「ピタっと止まって敬意をもって礼をする日本文化を気に入った」と真似している参加者もいました。SDGsについてはもちろん、日本人の習慣や文化も積極的に吸収する姿が印象的でした。

報告会では、東京と三重とで学び得たことを4グループに分かれ発表。「見学先で出会った日本の学生たちは若くして色々な学びをしていて質の高い教育の大切さを知った」や「自転車が多く走り道にゴミが落ちていないクリーンな日本の街並みを知った」など、レクチャー外でも日本のSDGsに関する要素を感じ取り、「三重県の高校生に我々の歌や踊りを紹介することができ大変光栄であった」と自国の文化を日本人に知ってもらう活動も振り返りました。 「専攻も民族もバラバラで知り合い同士ではなかった招聘者18名が日本での時間を共にしたことで、一生の仲間になった」とのコメントもあり、日本やSDGsを通して共に学び合い理解し合い尊敬しあえる関係になり、一致団結したグループへの成長も感じたようでした。

▲報告会で発表
▲雪も満喫
▲最後の夕食は箸も上手になりました

日本の冬の寒さにも負けず、多くの経験から逞しくなってフィジーへ帰国していった学生たち。 近い将来、JENESYS2022参加者が日本と世界との架け橋となり、このプログラムの経験を自身やフィジー、ソロモン諸島、バヌアツの太平洋島しょ国の未来へ活かしていってくれる事を願っています。

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