【秋田県】地球温暖化防止活動のラジオ番組でパーソナリティを務める、菊地格夫さん(平成11年度3次隊/コスタリカ/気象学)[2010年12月15日掲載]

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毎週土曜日、エフエム秋田で放送される「くるくるCooooooL」は、気軽で愉快に地球温暖化防止活動を推進するラジオ番組として、秋田県民の方々に親しまれている。番組ホームページを見ると、“モテエコ提唱中!” “エコ系男子・エコ系女子の増殖”など、若者を誘うキャッチフレーズが目を引く。パーソナリティを務める菊地格夫さん(平成11年度3次隊/コスタリカ/気象学)さんのアイデアだ。

「地球温暖化防止活動のモチベーションはいろいろありますが、私個人としては、「モテる」もそのひとつだと思っています(笑)」

番組は、秋田県内でエコ活動を行っている企業、団体、一般市民の方々をゲストに迎え、トークを繰り広げる。ときには秋田の環境を守るご当地ヒーローや悪のキャラクターが登場するサプライズもある。 

ラジオを通じて温暖化防止への啓発に取り組む

番組ホームページは“仮想のエコフェスティバル”と題し、放送内容の詳細が公開され、県内で行われている地球温暖化の防止に関係する様々な取組みを、リスナーがいつでも見られるオープンスペースとなっている。興味や関心に合った団体や個人を見つけ、県民の方々が身近な感覚で地球温暖化防止活動に参加できる輪を広げていくのが狙いだ。

菊地さんはラジオ局のアナウンサーではない。秋田県地球温暖化防止活動推進センター(HPリンク)の事務局次長として、環境省や県庁のエコ推進事業の数々を担当し、このラジオ番組も同センター事業のひとつ。菊地さん自ら提案し、企画、構成なども全て自分で考えた。

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「くるくるCooooooL」収録中の菊地さん 

 「地球温暖化のことやエコ推進活動に関するたくさんの情報をとっさに判断して、話を繋げる必要があったので、自分がパーソナリティをすることにしました。ゲストの方との打合せでたくさん話が出ると番組はスムーズです。トークの合間に音楽を2曲挟み、聞いている人が飽きないように工夫しています」

もともと話好きで声が良くとおる菊地さんだが、初回の収録からあまりにも素人離れしている見事な話術に、共に番組を進行するプロのパーソナリティも驚いたという。迎えるゲストの雰囲気や話題に合わせ、自分で選曲もするDJセンスも発揮する。

協力隊経験が即戦力に

秋田県地球温暖化防止活動推進センターは、各都道府県に設けられた、地球温暖化防止に関する啓発・広報、照会・相談、情報提供等を行う機関で、県の指定を受けた「NPO法人環境あきた県民フォーラム(菊地さんの所属先にあたる)」がその運営を担っている。

センターに勤務して4年目の菊地さん。前職はJICA秋田デスクの国際協力推進員で、任期が終了する頃、以前から知り合いであった前センター長からオファーをうけ、現所属先に就職。気象学での協力隊経験や、国際協力推進活動の経験が、センターにとって即戦力となる人材として評価された。

子どもの頃から天気予報が好き。大学では応用地球物理学を学んだ。超難関とされる気象予報士の受験には失敗したが、進路を模索するなか、気象学の知識が途上国で役に立つ協力隊の存在を知る。必須条件をクリアしていた「気象学」の職種で応募し、コスタリカに派遣された。

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コスタリカにて

現地では、コスタリカ農牧省の開発普及局に配属。中央から地方へ巡回を繰り返し、気象庁と農牧省との間で情報連携が取れる条約を作り、農牧省独自の気象観測ネットワークを作るチームリーダーとなる。合計8つの農作物の栽培地区に則した気象観測地区を決め、日本の百葉箱に似た基礎観測ステーションを設置し、その地域の農民に定期観測するプログラムを作った。

「観測機器の使い方ビデオや手引きも作り、観測が容易にできるようマニュアル化を図りました。人材の育成とまではいきませんでしたが、担当の同僚が精力的にこのプロジェクトを推進してくれました」

自分の行動力と現地の人々との協働で創り上げていく活動に、自分なりの大きな手応えを感じ、視野が広がった。2年間のコスタリカで、更にパワーアップした行動力と発想力は、帰国後、菊地さんが行う数々の事業や活動を創る礎となった。

NGO RASICA(ラシカ)

行動派の菊地さんは帰国後、慣れ親しんだコスタリカに何か支援したいと考えていたが、JICA秋田デスク時代に、ネパールで青少年活動を行う協力隊員を訪問し、停電が頻発する電気事情や、孤児の状況を見てショックを受けた。開発途上国に関わるのであればどこでも恩返しになると頭を切り替え、ネパール支援のプロジェクトを考案した。

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ネパールの孤児院にて 

菊地さんの行動は早い。すぐさまその年、“どんなことでも良いから行動を起こす”理念のもと、7人のメンバーでNGO RASICA(HPリンク)を立上げ、ネパールの孤児院にソーラーランタン(太陽光で充電するランタン)を寄付する活動を始めた。この活動は、秋田で販売するフェアトレード商品のコーヒーや紅茶(チャイ)販売と繋げて、持続可能なプロジェクトにした。

仕組みは緻密にできている。

ネパールの孤児が昼間にソーラーパネルで充電したランタンの灯りで、夜間に勉強をすると、ろうそくや電気を使わないで、つまり、二酸化炭素を出さない灯りを使うと、環境価値が発生する。これをカウント(ランタンの出力×時間×日数)し、その二酸化炭素削減量を計算した金額を、販売するコーヒーやチャイに上乗せて、「オフセットカフェ・ティー」として売る。買って飲んだ人は、自分が排出した二酸化炭素の一部をオフセット(相殺)したことになる。そして上乗せ分のお金を積み立て、再びソーラ―ランタンを購入する資金に充当するというサイクルだ。

2010年8月には、ネパールの首都カトマンズにある最大の孤児院に45個のソーラーランタンを寄付することができた。

「孤児から届いた手紙には、夜でも勉強ができるようになって、宿題が終わらなくて先生に怒られることがなくなった、とても嬉しいと、日本の若者に聞かせてあげたいような内容でした。孤児が勉強する環境の改善が、少しずつですが、行われていることが分かります」

菊地さんの発想は止まることはなく、すでに次のプロジェクトに取り掛かっている。今度は、酒処秋田が世界に誇る発酵技術“米麹”を利用した、孤児の栄養改善を行う。糖度とアミノ酸が豊富に含まれた米麹を使った食品を、レシピ大会を通じてネパール人の子どもが好むお菓子に改良し、そのレシピを孤児院の料理人に教え、定期的に作ってもらう。ベトナムやカンボジアにもこれを導入しようと、3月には現地調査する予定だ。

「あんなこと、こんなことやってみたいと、常々考えていますねぇ。創造力というよりも、常に、妄想力はあります(笑)。いろんなことを考えると、いろんなことに結びついていきますから・・・」

環境グローバリズムのなかで行う多様な推進活動やプロジェクトは、どのようにすれば上手くできるのか、秋田の妄想系活動家にその流儀を訊いてみた。

「自分が楽しく輝いていれば、ひとは勝手に寄ってくる。これが信条です。これはとても楽しいからひとに勧めないと勿体ない、くらいの気分で行うと、ちょうど良く相手に伝わるようです」

※ 2010年12月11日に東京で行なわれた日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」で、菊地さんはRASICAのブースを出展し、各界著名人が参加するパネルディスカッションでは、パネリストとして講演されました。立ち見になるほどに多くのお客さんが来られ、大盛況だったとのことです。

 

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