【石川県】「おいしい」から始まるコミュニケーション~中谷なほさん(平成18年度0次隊/ジンバブエ/料理)[2014年3月15日掲載]


地域のイベントでエスニックフードを
販売する中谷さん

国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に選ばれた「能登の里山里海」、ユネスコ無形文化遺産として知られる民俗行事「あえのこと」など、美しい自然が広がり、独自の伝統文化が色濃く残る石川県能登地方。

東京都出身の中谷なほさんは、青年海外協力隊への参加後、金沢大学が実施する「能登里山マイ スター養成講座」の受講をきっかけに、能登半島北端に位置する珠洲(すず)市に移住した。地域を担う若手人材育成を目的として開講されたこのプログラムを通し、同じ志を持つ仲間ができただけでなく、地域の人々と知り合うこともでき、移住の不安が解消されたという。ホテルやイタリア料理店で調理師として働いた経験がある中谷さんにとって、能登の豊かな自然に育まれた新鮮な食材も能登の魅力の一つだ。

中谷さんは異なる文化での暮らしや人々に興味を持ち、さまざまな国を旅した。アフリカ・ジンバブエとウガンダでの青年海外協力隊活動を終え帰国した後、地方への移住を考えて情報を集める中、JOCAネットコミュニティで「能登里山マイスター養成講座」の募集情報を見つけ、東京での説明会に参加した。

能登里山マイスター養成講座の受講場所は珠洲市にある金沢大学能登学舎。「田舎に暮らしながら、地域のことや外からの情報を得たり、学ぶことができそうだ」と受講を決め、2010年4月、珠洲市に移住した。

移住直後から手作り菓子の製造・販売を始めた。また、コミュニティづくりのための「一箱古本市」やドキュメンタリー映画上映会の企画・開催に携わっている。古本市は先日11回目の開催を終え、地元でも知られるイベントになってきた。そして2013年には週3日、昼のみ営業する食堂「小さなおうち」を珠洲市内に開店した。地元の食材をメインにオーガニック、フェアトレードの調味料なども取り入れながら、自身の専門である洋食をベースに、地元の人にもなじみやすい味付けにして提供する。


「小さなおうち」の屋号で地域のイベントに出店する。「カタカナの名前」では地域の人が手を伸ばしてくれないため、
南アジアのスナック「サモサ」は「カレー味のおやき」として紹介したところ人気となった。

 

写真
幼稚園で給食を作る仕事もしている。
教員を通じてもらった、反応や味、
量についての子どもたちからのコメント

食堂の経営はまだ軌道に乗っていないけれど、店を立ち上げた目的は、利益だけではないという。「遠方から来た人たちでにぎわう店よりも、近所の人に立ち寄ってもらえる店をつくり、能登の人たちとコミュニケーションを深めたい。そして、オーガニックだとか地球環境に優しい食材だとかを言葉で説明するよりも、『おいしいね』という言葉から何か生まれたらいいなと思う。私も、食べ物のことや暮らしの知恵、保存食の作り方など、地元の人に教えてほしいことがたくさんある」。

半島の端に位置する能登には今も独特な文化が残り、魅力がたくさん詰まった場所だと中谷さんは話す。「東京にいたころは、こんなふうに考えなかったと思う」

能登の魅力をもっと掘り起こそうと、地元の協力隊経験者仲間の金沢大学「里山里海プロジェクト」研究員、水口亜紀さん(平成11年2次隊/セネガル/青少年活動)や、松井久美さん(平成16年3次隊/ニカラグア/村落開発普及員)らと「のとガール」を立ち上げ、能登の魅力を知るツアーや、地域づくりに携わる人がつながりを持てる場をつくろうと地域づくりワークショップなどを開催してきた。今年のワークショップは「海外経験」と「日本の地域づくり」をテーマに、3月22~23日に金沢市で開催する。パネリストとして、地域おこし実践者や復興支援に携わる人たちを招く。
 


能登ライフ体験ツアーで地元の農家の方に話を聞く。参加者は隊員OBOGや学生など

「能登の魅力は土地とともに暮らす人。観光地を回るだけではなく、ぜひ地域の人と話してほしい。機会があれば家や集落を訪問させてもらったりすると、能登の魅力をより深く知ることができると思います」

「よそもの」の視点で掘り起こした能登の魅力。アフリカをはじめ、さまざまな国を見てきた人の言葉には、能登への旅に出たいという気持ちをかきたてられる。

 

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