フィリピンOBの白潟八洲彦さん、協力隊経験者として初めて黄綬褒章を受章[2013年11月15日掲載]

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愛媛県の初代OB会長でもある
白潟さん。自身の作品と共に

平成25年度秋の褒章で、白潟八洲彦さん(昭和42年度3次隊/フィリピン/窯業,愛媛県出身)が、黄綬褒章に選ばれた。

愛媛県砥部町周辺で作られる「砥部焼」の世界に入ってから58年。焼物の道に精励してきた功績が認められた。

 

 

世界平和への願いを込めた「白い地球」

白潟さんが協力隊に応募したきっかけは、ふと目にした新聞記事だった。地元の新聞が、青年海外協力隊員として海外に派遣する砥部焼職人を募集していると報じていた。

協力隊には、かねてから興味を持っていたという白潟さん。東京オリンピックの頃、青年海外協力隊事業を立ち上げようとしていた故・末次一郎さんの話をたまたま聞く機会があった。興味はあったものの、焼物職人は求められないだろうと、応募は考えていなかったという。

新聞記事を目にしたとき、今後の方向性について悩んでいたこともあり、海外で経験を積んでみようとすぐさま応募。昭和42年度2次隊員として、フィリピンに派遣されることになった。

そして2年間、フィリピン北部の島、ルソン州ソルソゴンで人々に陶芸の技術を伝えた。そして帰国後、砥部町に「八瑞窯(はちずいがま)」を創業。1977年、砥部焼磁器創業200年祭に、砥部焼としては異例の、約1メートルの大作を完成させたことに自信を得て、その後も意欲的に大作づくりに挑み続けた。1992年には、地球儀をかたどった「白い地球(生命の星)」を完成。作品は、翌年開かれた東京サミットに展示され、その後、青年海外協力隊二本松訓練所に展示された。


青年海外協力隊訓練所に展示されている、「白い地球(生命の星)」(2013年11月撮影)

これがきっかけとなり、国連創設50周年となる1995年には「生命の碧い星」を完成させ、スイス・ジュネーブにある国連本部に寄贈した。

この作品の内部には、当協会とJICA青年海外協力隊事務局・在外事務所などの協力で、協力隊派遣国から集められた世界各国の「石」が入れられ、世界平和と地球環境保護への願いが込められている。

2009年には、青年海外協力隊経験者として初めて「現代の名工」に選出された。

2013年11月13日には、皇居で開かれた褒章伝達式に参列し、目の前を通られる天皇陛下のお姿を、感慨深く目に焼き付けた。お目にかかるのは45年ぶり。協力隊出発前、皇太子さまにご接見をいただいた。協力隊から帰国後、天皇陛下となられた当時の皇太子さまに再びお会いする機会が褒章伝達式となろうとは、協力隊出発前は思いもよらなかっただろう。


褒章伝達式に参列した時の感想を述べる白潟さん
(2013年11月、JOCA本部にて)

協力隊経験後も、1997年にタイで大物ロクロを指導、2008年には国際交流基金を通じてアフガニスタンに派遣され陶工指導にあたるなど、国際協力に携わり続けてきた。

「協力隊は自分の人生にとって、人生が良い方向に変わる、大きな転機でした」と穏やかに語る白潟さん。昨年は、日中国交正常化40周年の記念として、「北京の碧い星」を北京に寄贈した。

フィリピン隊員時代、現地の日本人に任期中の目標を尋ねられたとき、「『土(つち)』を生かしきる仕事をしたい」と答えたと話してくれた。協力隊からの帰国後、さまざまな作品に挑み続けてきた。その挑戦は、焼物の可能性を広げただけでなく、平和への願いと共に、砥部焼の魅力を世界に伝えるまでになった。

 

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