国連ボランティア(UNV)で広がった、国際協力へのチャレンジ ~国連ボランティア計画(UNV) リエゾン・アナリスト 梨本篤司さん(平成18年度2次隊/パプアニューギニア/村落開発普及員)[2013年7月15日掲載]

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UNV参加経験者として、
応募をサポートする梨本さん

青年海外協力隊経験者向け国連ボランティア制度(JOCV枠UNV制度)を通じ、これまでに300名以上が国連ボランティア(UNV)に参加、70以上の国々で活動している。一方、2012年に各国に派遣されたUNVの累計は6,807人(UN Volunteers Annual Report2012による)に上り、先進国だけでなく、青年海外協力隊員を受け入れるアジアやアフリカの国々からの参加も多い。

応募を考える際、「国連」という名称に敷居の高さを感じる人がいるかもしれないが、協力隊経験者は途上国で培ったサバイバル能力などが「即戦力」として評価されており、さらには、JOCV枠UNV制度は青年海外協力隊事業を実施する国際協力機構(JICA)が派遣にかかる費用を負担する特別枠であるため、一般の応募よりもオファーを受けやすいという。

そこで、協力隊からUNVに進み、現在、国連ボランティア計画東京駐在事務所で応募者サポートにあたる梨本さんに、UNVへの参加経験や応募についての話を聞いた。

キャリアの扉を開く、国連ボランティア

UNVに応募する場合、まず、UNV本部のウェブサイトに登録し、ボランティアとしての資格が認められると、履歴書や資格証明書、推薦状等の書類を提出。審査を通ると、「ロスター」とよばれる候補者リストに登録される。その後、ドイツにあるUNV本部が各国の国連の関連機関から上がってきた要請とロスター登録情報を照合し、適任者に連絡を取る仕組みとなっている。

一方、JOCV枠UNV制度への登録は、専用の応募者調書をJICA青年海外協力隊事務局の担当部署に提出※1。上がっている案件の中から応募者の経歴に合った案件を選び、登録者に紹介し、受入機関との面接を通して派遣決定となる。

しかしこれまでネックになっていたのが、オファーが来るまでの期間の長さ。過去には登録から案件紹介までの期限が設けられていなかった。そこで、日本からの応募者増加への取り組みとして、UNV東京駐在事務所はマッチングまでの期間を短縮しようと、登録完了後UNV東京駐在事務所に連絡してから2か月以内には案件の有無を提示できるよう、取り組み始めた※2。

UNVの要請案件は国連や国際機関など、国際的な援助から上がってくるものが多く、国連職員を目指す人にとっては有益なキャリアになる。「ぜひ多くの協力隊経験者に応募してほしい」と話す梨本さんも、協力隊への参加、UNVとして、独立前の南スーダン(当時は南部スーダン)で活動した経験がある。

※1: この制度への応募にはJICAの推薦が必要。
※2: 当初、2013年9月までの実施だったが、12月末まで延長に。

南スーダンでの「心を揺さぶられた体験」 

梨本さんがUNVへの興味を抱いたきっかけは、パプアニューギニアで活動していた協力隊員時代。政府のコミュニティー開発省で村落開発普及員として活動し、毎日調査のために村々の集会所を訪ね、現地で活動するNGOなどにその情報を伝えてHIV予防啓発などを効率的に伝えるサポートを担っていた。活動の中で、地元の人々が外国人である自分を受け入れてくれる優しさに触れ、国際協力に携わっていきたいと感じた。

そんな中、現地のJICA事務所の健康管理員から、UNVへの参加経験を聞いた。それが動機となり、2009年1月に任期を終えて帰国後、JOCV枠UNV制度に応募。同年7月に念願の国連ボランティアとして、当時はまだスーダンの一部だった南部スーダンのジュバに派遣された。

2005年の内戦終結から2011年の独立までの間、周辺国に避難していた人々が故郷に戻り生活を始められるよう、多くの国際援助機関によりインフラの整備や生活再建への取り組み等が進められていたジュバ。梨本さんは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の社会統合支援オフィサーとして帰還民の受け入れ、帰還促進のための教育支援などを担った。


帰還民が多くを占める南スーダン首都ジュバの小学校を巡回し、プロジェクトの進捗管理などを担当した

当時南スーダンでは、長く続いた内戦が終結し、ケニアやウガンダなど周辺国に避難していた人々が故郷に戻り始めていた。中には長い道のりを歩いてくる人もいた。「祖国の土を踏み、喜びのあまり叫ぶ人や、懐かしい知人に再会し、涙を流している人などがいました。帰還し、国をつくろうとする人たちにはパワーがみなぎっていて、逆にこちらが元気をもらっていました」。国づくりという歴史的な場面を目の当たりにして、気持ちの高まりを感じた。当時も今も南スーダンへの青年海外協力隊派遣は始まっておらず、UNVだからこそ活動できた地でもある。この経験は、梨本さんが「国際協力のフィールドで働きたい」という気持ちを改めて認識する機会にもなった。

自身の経験から応募者をサポート

UNVの活動を終えた後、JICAエチオピア事務所の企画調査員に。そして、2013年1月から国連ボランティア計画(UNV)東京駐在事務所に着任した。

現在は、日本からのUVN参加促進、今年から大学との連携により実施が始まった国連ユース・ボランティア・プログラムなどの国際ボランティア事業などを担当している。最近では、帰国したJICAボランティアのオリエンテーションでプログラムを紹介し、UNVへの参加を呼びかけた。

近ごろでは応募サポートにも力を入れ、登録者がオファーを受けやすくなるよう、UNV経験者として応募者に経歴書の書き方をアドバイスすることもある。さらには、梨本さんが東京駐在事務所に着任したことで、案件の照合業務を東京の駐在事務所でサポートしマッチングにかかる時間も短縮されてきたという。

協力隊からUNVに進み、その後、国連機関やJICAなどで国際協力にかかわり続ける人は多い。梨本さん自身、UNVへの参加で経験を磨き、人脈も広がったという。「UNVの活動では援助機関や現地国政府などのステークホルダー(関係者)や国籍が異なる人々とかかわる機会が多い。また、この経験が後に『財産』となり、身に着けた能力は、後にさまざまな場で役立つものになると思います。さらには、協力隊の経験にも磨きをかけることができる。国連のボランティアだからと構えず、応募については気軽に相談してください」。先輩からのアドバイスだ。

関連リンク

JOCV枠UNV制度については、以下、「JICA青年海外協力隊事務局 帰国したボランティアの方へ」内のページをご覧の上、JOCV事務局を通じて応募してください。

http://www.jica.go.jp/volunteer/obog/career_support/unv/#01

国連ボランティア計画(日本語)
http://www.unv.or.jp/index.html

UNV東京事務所 公式Facebookページ
https://www.facebook.com/pages/UNV-Tokyo/410937692302244

 

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