ベンガル語で歌うバングラデシュOBたち~ラジオ番組で「第二の故郷への愛」を現地語で表現[2013年4月1日掲載]

「故郷から遠く離れたこの日本で、愛するバングラデシュをこんなにも近く感じることができるとは。自分が生まれ育ったあの美しい村の風景が、すぐ目の前に浮かびました。本当に感動しました。ありがとう」

バングラデシュの美しい村を歌ったフォーク・ソングを聞き終わり、インタビューを求められたバングラデシュ人の観覧者は、興奮気味にそう答えた。2013年3月2日、東京都渋谷にあるNHKホールで、ベンガル語のみで進められるラジオ歌番組の公開収録が行われていた。

司会がベンガル語で歌い手を呼ぶ、バングラデシュの民族衣装に身を包んだ参加者がやや緊張気味にステージへと上がる。ベンガル語で自己紹介をし、そして声高らかにベンガルソングを歌い上げる。歌っているのはバングラデシュ人ではない、次々と登場する歌い手の全員が日本人である。


番組のスタッフ・出演者たち

ベンガル語でGANGAN歌いまshow! ~Gane Gane Bangla~ 

ポスター
出演者募集のポスター
(現在は募集していません)

このなんとも珍しい催しを企画したのは、NHKワールドラジオのベンガル語班に勤務する、乾(旧姓三橋)愛子OG(平成17年度3次隊/バングラデシュ/村落開発普及員)。自身も深くバングラデシュの文化を愛し、ベンガル語の持ち歌も多くある乾OG、さらなるバングラデシュと日本の友好のきっかけになればと、今回のイベントを計画した。

(※「GAN(ガン)」はベンガル語で「歌おう」の意)

ベンガル語で歌える日本人募集!

対象がかなり限られてしまうこの呼びかけに、果たしてどれだけの人が集まってくれるのか、愛情を持って送り出した企画であったが、当初は番組として成立するのかどうか、乾OGは非常に不安だったという。

だが最終的には、協力隊のバングラデシュ経験者はもちろん、企業の現地駐在経験者、ベンガル人を友人や家族に持つ方、ベンガル語を学ぶ学生など、色々な立 場から参加者が集まった。また、この番組に興味を示す在日ベンガル人、日本人も多かったため収録模様は公開される運びとなり、多くの観覧者が集まった。来 賓として在日バングラデシュ特命全権大使も出席され、番組の収録が始まった。

はじめに登場したのは東京外国語大学でベンガル語を専攻する学生たち。バングラデシュ独立時の様子についての記念碑的唱歌「アマル・バイール・ロクテ」を堂々と歌い上げた。バングラデシュは自らの母国語を守る運動の盛り上がりが独立のきっかけとなった国であり、ベンガル語に特別な想いを抱いている。ベンガル語を真剣に学ぶ日本人学生たちの歌に、観覧者たちは静かに聞き入っていた。

その後も多くの出場者が登場していく。須田綾OG(平成17年度3次隊・バングラデシュ・村落開発普及員)は自己紹介として自身の任地であった村の名産の「非常に甘い」お菓子についての逸話を披露し、会場の笑いを誘う。同時期に赴任されていた隊員OBたちとチームで登場した佐藤利哉OB(昭和56年度1次隊・バングラデシュ・農業協同組合)は当時の隊員時代から「持ち歌」であったという伝統的な映画音楽をしっとりと聞かせた。

大トリとして最後に登場したのは鵜澤威夫OB(平成21年度4次隊・バングラデシュ・日本語教師)。流暢なベンガル語で、歌についての説明をはじめる。
「バングラデシュと日本の友情が、これからもずっと続くよう、ベンガル人と日本人が一緒に歌える歌をつくりました」

鵜澤OBがバングラデシュでの活動期間中、まわりのベンガル人や日本人など多くの人を巻き込んで作り上げた「友好ソング」、タイトルは「アミ ラル ショブジェル デシュ・トゥミ シュルジョドエル デシュ(日本語タイトル:「きみは緑におひさまの国 わたしはおひさまののぼる国」)」 

shasin
ベンガル語で熱唱する鵜澤OB

バングラデシュと日本、これからも本当の友人としての関係を続けていきたい・・・、国同士の友情をベンガル語と日本語のそれぞれで歌ったこの歌は、昨年2012年の日バ国交40周年のテーマソングとしても採用され、これまで既に多くの機会で歌われ、インターネットを通してシェアされ今も拡がり続けている。

「ひとつの種から生まれたわたしたち、シャプラとサクラ・・・」(※「シャプラ」はバングラデシュの国花である睡蓮)という歌いだしではじまるこの友好ソングは、あらかじめ来場者にも歌詞のカードが配られ、その場の全員による大合唱となった。

かつての任地、第二の故郷への愛を、その国の文化への敬意として表現する。協力隊経験者発のこの非常に珍しい企画は大成功に終わった。

昨年の国交40周年に続き、今年2013年は、バングラデシュへの協力隊派遣40周年の年(累計派遣人数は1,100人を超える)である。これからも協力隊経験者が仕掛ける多くの催しが開催される予定のようだ。

番組は3月23日・30日と2回に分け、バングラデシュとインドで短波放送された。またNHK world Radio Bengaliのウェブサイトでも放送日から1週間のあいだ、放送内容を聞くことができる。

関連リンク

鵜澤OBの歌う「アミ ラル ショブジェル デシュ・トゥミ シュルジョドエル デシュ(日本語タイトル:「きみは緑におひさまの国 わたしはおひさまののぼる国」)」を以下のURLで聞くことができます。
https://soundcloud.com/takeo-2/ami-lal-sobjer-desh-tumi-1
(※画面上部中央の黒い部分「Click to play」をクリックすると再生されます)

 

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