【福島県】いただいた恩を福島に返したい~清山真琴さん(平成21年2次隊/チュニジア/作業療法士)[2013年3月11日掲載]


故郷を離れ被災者支援にあたる
清山さん

青年海外協力隊を終えて帰国後、福島県南相馬市で東日本大震災の避難者支援に当たる清山さん。2013年3月23~24日に開催される「ふくしま応援ツアー」(主催=ふくしま青年海外協力隊の会)では、二人の協力隊経験者と共に南相馬市視察のガイドを務める。

出身の宮崎県はかつて、新燃岳の噴火や口蹄疫、鳥インフルエンザなどで、農業や畜産業が大きな被害を受けた。伯父が飼っていた牛は全頭殺処分となり、空っぽの牛舎を見て、ものすごい喪失感を感じたという。

「その時、全国から温かい支援が寄せられました。今度は元気になった宮崎から恩返しをしたい」――その思いが清山さんの原動力になっている。

帰国後高まった、日本人としての「自覚」

2009年10月に青年海外協力隊員としてチュニジアに派遣され、特別支援学校のスタッフとして活動した。1年2か月後の2010年12月に「ジャスミン革命」が起こり、各地で民主化を求める人々のデモが繰り広げられ、治安が悪化。翌月、他のチュニジア隊員と共に日本に退避することになった。

3月に起こった東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所付近に住んでいた人たちを受け入れ、JICA二本松(二本松青年海外協力隊訓練所)は避難所に。高齢者や障がいがある人へのケアに対応する医療職スタッフが求められていた中、作業療法士である清山さんに声がかかり、チュニジアに出発する前の訓練で慣れ親しんだ訓練所で4月末から約2週間、支援に当たった。その後は日本作業療法士協会からの要請で、5月初旬の約1週間、宮城県気仙沼市で被災者支援にかかわった。

震災発生からそれほど時間がたっていないころだったが、「その時点ですでに福島は復旧で大きく後れを取っていると感じました」と当時を振り返る清山さん。メディアでは報じられない、生々しい震災被害の様子が脳裏に焼き付いていた。福島のことが気がかりだったが、5月末にチュニジアに再赴任した。

チュニジアへの復路、乗り継ぎの空港では清山さんが日本人だと知ると「日本は、あなたの家族は大丈夫なのか」「食べ物は汚染されていないのか」「いつでも日本のことを思っているよ」などと、震災を知った人々が心配の声を寄せてくれたという。もちろん任国の同僚たちも心配してくれていた。「世界中の人々が日本を思ってくれている」と心強さを感じ、9月までの任期を全うして、再び日本に戻った。協力隊に参加したことで、帰国後は、日本人であることへの自覚が高まっていた。今は祖国に貢献すべきだと。

地域の被災者を支えたいという思いから、現在は南相馬市の保健センターに所属し、保健師や看護師と共に仮設住宅や借り上げ住宅を回り、避難中の人々の健康維持を支えている。

「多くの医療従事者が避難したため、震災前と同様のケアを受けられなくなっている人がたくさんいます。また、農業や漁業など震災前の仕事に就けなくなり家にいる時間が長くなった人たちは、筋力低下、認知症発症やアルコール依存などの傾向が見られます。子どもたちは、外で遊べる時間が減ったので、体の動かし方が不器用になっている子が見受けられます。そこで、お母さん方に狭い仮設でもできる遊びを紹介しています」

今回のガイド役を引き受けたきっかけは、福島在住の協力隊経験者の勧めだった。「他県から来る人たちに、メディアでは報じられない、福島や南相馬の実状を紹介できたら」と話す清山さん。「特に、以前警戒区域にあった、南相馬市の小高(おだか)区を見てほしい。日中は入れますが、夜はまだ宿泊できないため、津波の被害の様子が残っています。福島から南相馬への通過点である飯舘村(居住制限区域)は人が住んでおらず、復興から取り残されている様子が分かる。そんな福島の現状を多くの人に知ってほしいと思います」

「ふくしま応援ツアー」には、協力隊訓練でお世話になった福島に恩返ししたいと取り組む、協力隊経験者たちのさまざまな思いが込められている。

関連リンク

▼第3回ふくしま応援ツアー報告:「知ること」から始まる復興支援(2013年11月開催)http://www.joca.or.jp/activites/disaster/tohokuearthquake/fukushima/201311.html

 

 

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