【鹿児島県】子どもたちが楽しく通える学校づくり~カンボジアの学校支援に携わる丸野里美さん(平成7年度1次隊/カンボジア/小学校教諭)[2012年11月1日掲載]


運動会に参加する子どもたち

「カンボジア支援にかかわっているのは、この国への強い気持ちからではなく、どちらかというと縁のようなもの。例えるならば、困っている親戚に手助けをするような気持ち」。カンボジアの学校支援に取り組む鹿児島県のNGO「いっしょき学校を作いもんそ会」の事務局長を務める丸野里美さん(平成7年度1次隊/カンボジア/小学校教師)は、自身のモチベーションをこう説明する。

同会はカンボジアの学校教育の水準を向上させようと、校舎整備や教授法向上の支援に加え、日本で現地教員の研修受入などを行っている。そして、研修を受けた教員が自国に持ち帰った日本の運動会が、思いがけない「副産物」として現地で開催されている。

地域を巻き込んだ学校づくり

同会設立のきっかけは、「父の遺産を学校に行けないアジアの子どもたちのために使ってほしい」と、1997年に鹿児島県の国際交流協会に寄せられた相談だった。そして「鹿児島県青年海外協力隊を支援する会」が受け皿となって同県出身の協力隊経験者との連携による支援を模索する中、青年海外協力隊の任期を終えて帰国したばかりの丸野さんが現地派遣調整員に選ばれた。

カンボジアでは学校教員の給与が低く、都市部の教員は生活のためにアルバイトをせざるを得ない。一方、地方の教員はアルバイト先がなく、収入の低さから仕事を続けられない。教員が授業に集中できないため、結果として学校がつまらない場所になり、退学する生徒が少なくないという。

そこで「いっしょき学校を作いもんそ会」は、カンボジアの学校水準を高め、子どもたちが勉強できる環境をつくろうと、1997年~1998年に二つの中学校を支援。地域学校支援会を設立、校舎を建て増して整備し、教育内容の改善に取り組んだ。

丸野さんはその後毎年フォローアップのために現地を訪れていたが、2005年から同会は新たにタイ国境近くのポイペト州の中学校への支援を開始。翌年には、現地で活動する日本のNGO「カンボジア子どもの家」と連携するカンボジアのNGO「CCHOME」と協働して、小学校への支援も始めた。

現地支援に加え、カンボジアの教員を鹿児島に招き、地元の小学校で約3か月間の研修を実施。2006年と2007年に一人ずつ、二人の教員を受け入れた。日本での研修でさまざまなことを吸収した現地教員たちは、帰国後、日本で学んだ「運動会」と「笑顔を絶やさずに人一倍働く教頭先生のような、教師としての姿勢」をぜひ自国に持ち帰りたいと話したという。

学校と地域をつなぐ運動会


はだしで元気いっぱい走る子どもたち

2006年に研修に参加したマノーさんは、帰国後さっそく運動会の開催を試みた。最初は周囲の理解を得られないなど苦労があったが、2回目からは地域から寄付が集まり始め、教育委員会が開催を推進するほどになったという。

同会が支援を続ける小学校では体育の授業があまり行われていなかったが、運動会の開催をきっかけに授業が行われるようになり、それを楽しみにして生徒の登校率が上がった。そして今、運動会は子どもたちが練習の成果を発表し、地域の人々が子どもの成長を見守る、地域と学校をつなぐイベントとなっているという。

今年のスタディツアーは7月に行われ、丸野さんは小学生から80代のお年寄りまで、幅広い年齢層の14名の参加者と共に現地を訪問。支援の成果を確かめてきた。


スタディツアーの参加者と。前列右から2人目が
丸野さん

平日は地域のNPO職員として働きながらこの活動に携わる丸野さん。カンボジアとのきっかけは、学生時代に留学した米国に遡る。カンボジア難民の子どもと出 会い、帰国後日本での小学校教員を経て、もっとカンボジアについて知りたいという思いから協力隊に参加した。「これからは、支援する側・される側という関 係ではなく、お互いに交流できる関係を築いていきたい」と、今後の抱負を話す。

 


(写真はすべて丸野さん提供)

関連リンク

いっしょき学校を作いもんそ会 ウェブサイト

http://www.ios-kagoshima.org/IOS/HOME.html
 

 

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