【宮城県】チームで感謝を伝えたい ~Vリーグ・女子チーム「仙台ベルフィーユ」部長を務める太田清隆さん(昭和49年度1次隊/エルサルバドル/バレーボール)[2012年10月15日掲載]

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仙台ベルフィーユ部長を務める、
エルサルバドルOBの太田さん

2011年8月、宮城県仙台市で始動した女子バレーボールチーム「仙台ベルフィーユ」。Vリーグのチャレンジリーグ(2部)女子に所属するチームの一つだ。

エルサルバドルのバレーボール隊員として活動した経験を持つ太田清隆さんは、今年4月にチーム部長に就任した。震災を経験した仙台市を拠点に活動するチームとして、今後支援を寄せてくれた国を訪れ、バレーボール交流を通じて謝意を伝えたいと考えている。

仙台で迎える2回目のシーズン 

今夏のロンドンオリンピックで、7大会28年ぶりに日本女子バレーボールチームがメダルを獲得。大きな話題となり、競技全体に脚光が集まる中、来たる11月には、1部・2部リーグ共に、Vリーグの新たなシーズンが開幕する。

太田さんはエルサルバドルでの3年間の活動を経て、国際交流基金の専門家としてアルゼンチンでバレーボール指導に携わった。その後、日本バレーボール協会での企画や交流事業を担当し、約20年前からは宮城県バレーボール協会の常任理事に就任、国際大会の誘致などバレーボールの普及発展のための事業を担当してきた。

そして今年春、太田さんは新たな任務を引き受けることになった。仙台ベルフィーユの発足に携わった部長兼総監督の米田一典さんが今年2月に急逝。以前から交流のあった太田さんが、米田さんの後任として部長に選ばれたのだ。

仙台ベルフィーユは、香川県を拠点としていた社会人チーム、四国エイティエイツクイーンを母体としている。全日本女子バレーボールチームの代表監督として1976年のモントリオールオリンピックで日本女子チームの優勝に貢献したことで知られる米田さんが中心となり結成されたチームだ。運営資金不足のため香川での活動が困難になり、支援の見通しが得られた仙台に米田さんが足を運び、移転への準備を進めていた。だが2011年3月に震災が発生し、発足が危ぶまれたこともあったが、困難を乗り越えて、同年8月に関係者の思いが実りチームが発足した。


仙台ベルフィーユのメンバー

ベルフィーユはチームのために設立したNPO法人が運営に当たり、全国の企業からの支援を得て活動している。企業のみの支援で活動する一般的な社会人チームが多いバレーボール界では新しい運営方法だ。太田さんは、「地域に密着して活動するチームにしたい」と話す。そのためチームは、勝利を目指して練習に打ち込むだけでなく、地域を回り、子どもたちのバレーボール教室も開いている。「子どもたちがバレーボールに親しみ、技術を身につけることで、宮城県を代表する選手が生まれてほしい。バレーボールを通じて、子どもたちの成長を後押しできれば」。この教室は、震災被災地でも開いている。

震災で宮城県は沿岸部を中心に大きな被害を受け、世界各国から多くの支援が寄せられた。太田さんの自宅は内陸部にあるため被害は小さかったというが、寄せられた支援に対してバレーボールを通じて支援国に謝意を伝えたいと、チームを率いて交流のある中米への遠征を企画している。まだ企画段階で、資金をどれだけ集められるかも分からないものの、知人がいる中米地域ならば実現できるのでは、と引き続き計画を進めていく考えだ。

親子二代の中米隊員

今年8月、太田さんは久しぶりに協力隊訓練所を訪れた。駒ヶ根青年海外協力隊訓練所で行われた、娘の旭(あさひ)さんの訓練修了式に参加するためだった。旭さんは10月からグアテマラに栄養士隊員として派遣された。乳児死亡率低下につながるよう、子どもの栄養改善に取り組むという。

訓練修了式で会った関係者と言葉を交わす中、協力隊経験者は途上国で技術支援にあたった経験を、帰国後、地域にもっと貢献してほしいと強く感じた、と太田さんは話す。太田さん自身、バレーボール隊員として活動した経験を基に、バレーボールの振興と、海外との交流に貢献してきた。還暦を迎えた今、残りの人生を、バレーボール界の変革につなげたい、と意気込む。「プロアマ問わず、一企業に頼らずともチームを運営できる環境づくりを唱えたい。そして、バレーボールが全国でもっと盛んになるように働きかけたい」。バレーボール一筋に生きた人生。常に思いを実践してきた者だからこそ持つ重みが、その言葉から伝わってくる。

(写真は2点共、仙台ベルフィーユ提供)
 

関連リンク

仙台ベルフィーユ ウェブサイト

 

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