40年の歴史に思いを馳せる ~サモア独立50周年・JICAボランティア派遣40周年記念式典


挨拶を述べるレイアタウア・トゥイトロヴァア・
ドクター・キリフォティ・エテウアティ特命全権大使

1962年、大洋州の島しょ国の中で最も早く独立を果たした国、サモア。今年、独立から50周年、JICAボランティア派遣開始から40周年という節目の年を迎えたことを記念し、駐日サモア大使館主催による式典が、6月29日に東京で開催された。

式典の冒頭で、レイアタウア・トゥイトロヴァア・ドクター・キリフォティ・エテウアティ特命全権大使は、「日本はサモアの独立後、開発の援助を差し伸べた最初の国々の一つ。それが明確に示されたのが、1972年の青年海外協力隊員の派遣だった。それはサモアと日本の間に公式な外交関係が樹立される3年前の出来事だった。ボランティアの方々は、日本の援助の顔として、過去40年にわたり、サモア人と共に働き、生活してきた。現在は他国もサモアの開発パートナーであるが、その中でも日本が最も価値のあるパートナーだ」と、これまでの日本の協力とサモアで活動したJICAボランティア経験者に対して、感謝の言葉を延べた。


挨拶を述べる山川さん

独立から10年後の1972年12月、たった一人の青年海外協力隊員が、第1号隊員としてこの国に降り立った。それから40年。延べ468人の青年海外協力隊員がこの国のために汗を流し、現在も25人が活動している。

来賓に続き、その第1号隊員、山川精一さん(昭和47年度2次隊/土木施工)がJICAボランティア代表として挨拶。「当時サモアは西サモアと呼ばれていた。最初のサモアからの隊員要請は、医師、建築、土木施工の計6名だったが、実際に訓練生となったのは、自分一人ということが派遣前訓練を受けた際に判明した」というエピソードを紹介した。

そして当時の活動を振り返り、「仕事は周囲からの支援があって、初めて成り立つもの。現地での活動は、日本の家族や同僚、現地のボランティア調整員や、サモアの人々に支えられた。自分の場合は、サモア公共事業省職員や建設作業員の支援、協力があり、ゆえに担当した発電所などの工事が完成し大変感謝している。今日は仲間との久々の再会を楽しみ、次回のリユニオンまでがんばりたい」と述べた。
 


リズミカルなサモアンダンスで会場は大いに
盛り上がった

山川さんは、協力隊員の2年の任期中に公共事業省土木局で活動し、火力発電所のプロジェクトに従事。当時、首都アピアの電力事情の改善が急務となっており、事業の完遂に貢献した山川さんは公共事業省から高く評価されたという。任期を終えた後は1年半にわたり、電力公社で活動した。

当日は、日本サモア友好議員連盟顧問を務める、森喜朗元首相などの国会議員や来賓と共に、海外協力隊、シニア海外ボランティア経験者も招かれた。

約120人のボランティア経験者に加え、同伴家族などを含め、ボランティア関係の参加者は200人あまりとなった。

多くのボランティア経験者が集まった背景には、青年海外協力隊サモアOB会の活躍がある。同会会長の大塚一雄さん(昭和63年3次隊/システムエンジニア)は、「駐日サモア大使館から連絡があったのは今年2月ごろ。その後、OB会ホームページへの掲載や、メーリングリスト、会報などで発信した結果、北海道から沖縄まで、サモアで活動した懐かしい仲間が集まった。「こういう機会がないと会えない人が多いので、とてもうれしい」と顔をほころばせていた。

日本とサモアの友好関係はとても深く、青年海外協力隊、シニア海外ボランティア共に、大洋州の国々の中で最も早く派遣が始まった国だ。これまでに築かれた日本とサモア友好関係が、今後一層深化していくことを期待したい。

取材小噺:ミスターきのこ・オブ・サモア

式典会場に集まった帰国隊員の中には、珍しい“きのこ(栽培)”の隊員OBがいました。

3代にわたって派遣されたきのこ隊員の中で彼は2代目にあたり、初めて培養きのこを成功させた、「ミスターきのこ・オブ・サモア」であります。湿度が高いサモアでは山には天然のキクラゲが生えているそうで、親菌を基に改良を重ねて培養が可能となったというわけです。

新しい食用作物として量を増やすとなれば、非常に難しかったと話す2代目。それでも、きのこを食べる習慣がなかったサモアで広めるため、奮闘の末に作り上げたきのこをレストランに持って行って試食会をしたところ、非常に評判が良く、メニューに取り入れてもらえたとか。

大洋州の某国で、国民の肥満を解消するためダイエット政策を打ち出して、国を挙げて健康増進に取組んだ事例があります。サモアの人々の健康のためにも、ダイエット食材の代表格であるきのこが隊員によって受け継がれた技術が活用され、広まってほしいものです。

取材を終え、ミスターきのこ・オブ・サモアが残した功績が忘れ去られてしまわないよう、少なくとも彼には「日本-サモア きのこ大使」に就任してもらいたい、と感じました。

関連リンク

青年海外協力隊サモアOB会
http://www.fafetai.net/

 

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