【福岡県】 ひきこもりの子どもたちのためにフリースクールを運営する、小田哲也さん(平成9年第1次隊/コロンビア/青少年活動)[2011年8月1日掲載]


フリースクールを運営する小田さん

小田哲也さん(平成9年第1次隊/コロンビア/青少年活動)は特定非営利活動法人箱崎自由学舎ESPERANZA(えすぺらんさ)の代表として、中高生を中心に様々な理由で学校に行けなくなったり、ひきこもり状態になったりしている子どもたちに居場所を提供し、色々な活動をとおして社会に適応し、生きる喜びを体験してもらうための活動をおこなうフリースクールを運営している。

えすぺらんさでは、通信制高校などにも在籍する子どもたちの基礎的な学力をつけるため、スタッフが実際に教科を教えたりレポート作成のアドバイスを行なったりする。勉強だけでなく、屋外での活動やゲストを呼んでの講演、参加者が一緒に調理するクッキングデーなどのイベントをそれぞれ月1回ずつ行っている。自主性を重んじ、できるだけ子どもたち自身で話し合いながら企画や段取りを決めていけるように見守っている。

こうした環境の下、子どもたちが徐々に自信を持つようになり、元気になっていく変化を実感できるという。期待が裏切られることもあるが、小田さんは日々やりがいを感じて子どもたちに寄り添っている。

社会人のスタートは高校教師から 


コロンビアで日本文化を紹介

赴任したのはコロンビアの地方都市マニサレスにある、キリスト教会と国が共同で運営している少年院であった。要請時とは状況が変わっていて元々計画していた活動ができず宙に浮いた立場になってしまったが、じっくりと施設の状況を観察して何ができるのかを探った。

施設では収容された少年たちが、学校のように様々な学科を学んでいた。その中で英語の授業があった。中南米はアメリカ合衆国の影響が非常に大きく、英語が重要である。だが、英語の先生の発音は酷いスペイン語訛りだった。そのまま、放置していると折角勉強した英語が役に立たない。

その問題解決に小田さんのオーストラリア留学経験が生きた。
オーストラリア仕込みの発音を武器に英語教師として活動を始めたのだ。そこから活動の幅が広がっていった。上司の許可をもらい、配属先以外の近くの小学校で日本文化紹介や英語の授業を週1回行なうようになった。子どもたちも遠い国日本のことを喜びなら学び、充実感を味わった。

プライベートでは地元のバスケットボールチームに入り、大会に出場した。大会ではメダルを取り、チームメイトとの交流はますます深まった。また、住んでいたアパートの住民とも仲良くなり、特に歯科医の友人は後日日本にも遊びに来てくれるほどであった。多くのコロンビア人の友人が出来たことが財産になった。

任期を1年延長し3年間の協力隊員としての活動は公私とも充実した生活を送ることができた。

 教師としての原点に戻る

帰国後も国際協力の最前線に立ちたいとJICAの企画調査員として中米ドミニカ共和国の算数教育プロジェクトでの調査業務を皮切りに、ニカラグアに3年間派遣された。その後も様々なプロジェクトのフォローアップ調査の仕事で中米の国々と関わることができた。

だが、充実感を味わいながらもこの世界で生きることに自分自身の限界を感じ始めていた。本当にやりたかったことは何だろうかと・・・。

協力隊員になったときのことを思い出した。

日本社会が金属疲労を起こしているかのような閉塞した状態で、そのしわ寄せが子どもたちに来ていることは明白だった。特に不登校やひきこもりの子どもたちをフォローする仕組みがないことを何とかしたいと考え、地元福岡でフリースクールの箱崎自由学舎えすぺらんさを立ち上げた。

日本の教育制度では、フリースクールは学校として認められていないため、潜在的なニーズはあるが、安定した経営が難しく、スタッフへの報酬も十分なものではない。しかし、笑って生活する子どもたちが増えていってほしい、既存の学校からはみ出てしまった子どもたちの居場所を作りたいという気持ちで運営している。

小田さんは、今後このようなフリースクールが第2の教育機関として認められるよう、また安定した経営基盤で運営できるシステム作りをしたいと考えている。

最後に若い帰国隊員へのメッセージをもらった。

「日本に帰ってきて、自分に自信を持って貪欲にチャレンジしてほしい。立ち位置を見ながらやりたいことに取り組んでほしい。本気になれば何でもできる」

参考リンク

箱崎自由学舎 えすぺらんさ ホームページ
http://www.esperanzahp.jp/ 

 

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