【高知県本山町】シリーズ特集 「地域おこし協力隊」になった、原田友彦さん(平成19年度2次隊/パプアニューギニア/村落開発普及員)[2010年5月14日掲載]

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田舎暮らしや地域活性化への貢献を希望する都市住民が、報酬付きで地方農村部の過疎地域へ移り住み、その担い手として活動する『地域おこし協力隊』。この制度は青年海外協力隊をモデルに2009年度より総務省の事業として開始され、全国32自治体が隊員の受入れに取り組んでいる。「地域おこし協力隊」には多くの青年海外協力隊経験者が活動しており、原田友彦さん(平成19年2次隊/パプアニューギニア/村落開発普及員)もその一人だ。

赤道直下のパプアニューギニアで青年海外協力隊の任期を終えたのは、2010年1月。現地で農業の活動をしていたこともあり、日本に帰っても畑のある生活を送りたいと考えていた。帰国直後、東京・広尾でのオリエンテーションにて、“地域おこしの伝道師”と評判の先生から講義を受け、地域おこし協力隊を知る。

地域おこし協力隊の広告塔に

四国に住んで地域おこしの仕事ができる魅力に惹かれて応募し、2010年4月から高知県本山町の地域おこし協力隊となった。本山町は四国中央に位置する山間地。パプアでの任地は熱帯雨林に囲まれた村。地球の点から点への移動となった。

人口約4,000人の本山町。農業、林業が主産業だが、高齢化と集落の過疎化がすすみ、農地の荒廃化と後継者不足の問題を抱えている。移住者を呼び込む取組みが行われており、この地域おこし協力隊もその一環。隊員個人が持っているスキルや特色を活かして、本山町の活性化を図るもの。初めての試みとあって隊員の受入れなど当初から町役場は尽力している。 

地域おこし協力隊派遣の多くは1県もしくは1市町村に1名から3名。しかしここ本山町は10名を受け入れている。町としても四国での地域おこしの先駆けとして力を入れている。

「過酷な途上国に居たということで、地域にとけ込む力は筋金入りだと見られているのかもしれませんね(笑)」

他の隊員たちは、新卒者から中高年まで年齢経歴ともにバラバラ。なかでも原田さんは、国を跨いだ「協力隊」となったことで話題を呼び、地元メディアなどの取材では地域おこし協力隊員一同の広告塔としての役割を果たしているそうだ。異文化の地でやり遂げてきた逞しさは受入れる町役場や地域住民にとって心強い存在だと期待されている。 

役割もやり方もいろいろある 

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着任して1か月、原田さんは町役場のデスクを拠点に週4日(月~木)勤務し、主に地元の農業や林業などの研修を受けている。本格的な地域おこし活動を行っていくための前段として先ずは本山町のことを知ってもらうために町役場が丹念に作ったプログラムだ。研修を基に今後の取組みを発案し、活動を実行していくことになる。

住民がやりたいことを汲み取り、希望をかなえていくためのサポートをすることが隊員に期待されている。

例えば、酒造り。お米の生産農家がこれを実現するためには酒造免許の取得が必要となる。取得申請の事務手続きなど、所謂のマネージメント作業は橋渡し役となる隊員のフットワークを利かすところとなる。他にも、地元の新商品開発のために「人手」として動員するのも大切な役割。先日はイタドリ(山菜の一種。高知で有名な食べ物)を使ったキムチを作る生産グループに入り、一緒に皮むきに汗を流したそうだ。

こうした住民の個別ニーズへの対応を地区単位でやるべきか、それとも活動・事業単位で対応するべきか、活動手法については10人の隊員と議論しながら策を練り、更にはかの“地域おこしの伝道師”の先生(実は本山町に住まいがある)からのアドバイスも受けながら進めていくそうだ。 

自然のなかで土佐流「飲みにケーション」

休日3日(金~日)は独自の活動時間に充てられており、地域のイベントや催しに参加するなど、住民の人々とこれからの活動を作りあげていくための大切な時間として忙しく過ごしている。もちろん住民との宴会にも。

「みなさんは『飲みにケーションじゃきに!』と言って次々と注いできます。僕はお酒が弱いので苦労しています(笑)」

酒郷に入れば酒郷に従え、と身体を張って?自らの戒めにしているところが、青年海外協力隊のOBらしい一面でもある。 

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画像の説明文を入れてください。

本山町は北には石鎚山地、南は剣山地が連なる自然豊かな町。古代から培われた農業文化により稲作が盛んで、町には棚田地帯が広がる。

「木々に囲まれて生活するのは都会では味わえない贅沢。人間本来がこのような環境にあることが自然なことではないかと感じる」

道ですれ違う小学生が見知らぬ原田さんに「こんにちはー」と元気よく挨拶してくれる。高齢者たちの土佐弁が新鮮で面白く、棚田で即興の語学教室となる。兼ねてから田舎で住みたい希望が叶い、自然と人情に恵まれたところでの生活。自分が定住したいと思えるような地域づくりに精を出すこれからの日々にワクワクドキドキしているという。

引き出しはたくさんある

パプアでは村落開発普及員として、現地の農村で学校や住民たちに稲作(陸稲)の普及、有機農法、新規野菜栽培の実践紹介などを行った。日本人の仲間が居ない村で孤軍奮闘の2年間。様々な問題や課題に立ちはだかる壁を乗り越え、村落開発の現場で鍛え上げた能力を、ここ本山町でどう活かすのか自分でも楽しみだと語る。

原田さんは青年海外協力隊に参加する以前は、塾講師、出版社、東京築地市場、インターネット古本屋など、職歴は多種に及ぶ。なかでも、「東京築地市場の青果仲卸業社では6年働いた。農産物をどのように売るか、築地で養ったノウハウをこれからの活動に活かしていきたい」

他にも出版社やインターネット古本屋の経験でITにも明るく、本山町のアピールといった情報発信も絡めた活動も想定している。

「今まで自分がやっていたことはどんな形で今の仕事に役立つかわからない、ということがふたつの協力隊において共通する点ですね」

原田さん一人が持つ引き出しは多い。さらに他の隊員が持つ経験や能力が融合すれば、異なる地域のニーズにきめ細やかな対応ができ、そのアウトプットもバラエティーに富んだものが生まれるのでないだろうかと、具体的な方策を日々練りあっているそうだ。

早速、隊員同士でメーリングリストを作り、情報交換する横のつながりも整ってきた。どのニーズに対してどの引出しをだすのか、これからの展開が楽しみだ。

 

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