【秋田県】秋田市役所に勤務する"実験のせんせい" 打矢佳彦さん(17年度2次隊/マラウイ/理数科教師)

「広い世界を見てこい!」

2005年12月、打矢佳彦さん(17年度2次隊/マラウイ/理数科教師)さんが協力隊でマラウイに行くことが決まったときの、上司からの言葉である。快く送り出してくれた上司に感謝すると同時に、2年間不在になることで同僚に迷惑をかけてしまう申し訳なさを感じたと、当時を振り返る。

打矢さんは秋田市役所職員となって現在6年目。

大学卒業後、「市民と直接向き合って社会の役に立つ仕事に就きたい」との思いから公務員となった。市役所という組織のビルドアップのためには職員ひとり一人の能力向上が求められる。経験を積むための修行として協力隊を志願。公務員の「現職参加制度」を利用し、帰国後復職している。 

「自分が協力隊にいったことで周りの方々も協力隊に興味をもち、理解が深まった」

帰国後しばらくは、溜まっていた業務よりも市役所内でマラウイの土産話をすることの方が忙しかったとも。マラウイでは現地の中等学校(日本の中3~高3レベル)で、理数科目の授業を担当。赴任当初は言葉や文化の違いから子どもたちとコミュニケーションがとれず、生徒と教師の間に垣根を感じ、苦悩が続いた。

すべては生徒の将来のために

原点に立ち返って考え直してからは、暇があれば生徒に声をかけ続けた。いつの間にか生徒からの相談が殺到するようになり、信頼関係を築けた喜びとともに "教育に国境はない"ことを実感した。帰国後は、秋田市保健所に配属となり、食品の理化学検査を担当。市民の食の安全を守る責任の重い任務。だが、マラウイでの経験によって「自分の仕事を客観視できるようになった」ことが業務のなかで活かされているという。問題や課題を改善する余地が他にないかと、一つの対応においても多角的な視点で分析する思考が身に付いたと感じている。" 広い世界を見てきた部下" の成長を、当時の上司はさぞ誇らしく思っていることであろう。

打矢さんは地元秋田での社会還元活動にも忙しい。小中学校や大学の国際協力サークルなどで出前講座に出向き、マラウイでの体験談を通して国際理解に一役買っている。

それに専門分野である理科の活動。児童館での実験教室や地元ケーブルテレビの実験番組にも出演。打矢さんは秋田の子どもたちにとって有名な " 実験のせんせい" として慕われている。

"実験のせんせい"、本業では2010年4月から新設された観光物産課に配属。

「協力隊時代と同様に現地のニーズをしっかり調査し、地元の活性化を促せるよう長いスパンで取り組む政策を住民とともに考えていきたい。この3年のうちに秋田が観光分野で全国にその名を轟かせられるように尽力したい」
と 意欲を語る。

秋田で環境系NGOを立ち上げ、住民を巻き込んだ温暖化防止の推進活動を県と共同で行っているOBや、地元密着型のエコ交通として自転車タクシーを導入した活動家など、アクティブな人たちとの繋がりも大切にしたい。

秋田市としてのオリジナリティ溢れるまちづくりや観光開発のために、打矢さんはどんな仕掛けをするのか、広い世界を見てきた" 実験のせんせい" にみんな期待大だ。

最近ハマっているものは? と訊くと、 「竿燈(かんとう)」と答えた。東北三大祭りの一つ、秋田竿燈まつり。秋田観光の目玉行事。打矢さんは今年も参加する予定だ。秋田の観光発展に携わるスタート年。例年以上に気合いを入れている。

 

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