『アフリカにパラダイス村を作ろう!』中村文香著[平成14年度1次隊・マラウイ・野菜](2016年8月23日掲載)

農薬や肥料に頼らず、クワ1本でコメの収穫量を倍増させる農法を伝え、農民の自立を促す「パラダイス村」づくりの構想を抱く日本人の「師匠」に出会った中村文香OG。協力隊の任期を終えた後、タンザニアで2年間、農業NPOスタッフとしてパラダイス村づくりに取り組んだ記録をまとめました。

マラウイで野菜栽培普及に携わっていた協力隊員時代、任期が残り半年に迫る中、視察のため隣国タンザニアを訪れた筆者は、農業NPOを運営するある日本人に出会いました。

「日本より値段の高いトラクターを日本と同じ値段のガソリンで動かし、多くを輸入に頼る化学肥料や農薬を使う近代的農業をアフリカでやっても、採算割れは明らかではないか」。不耕起や稲ワラを使ったマルチなど、現地で入手可能なものを利用する農業技術を活用し、クワ1本でコメの収穫量を増やせる農法を普及させようと、タンザニアの農村で10年以上活動してきた日本人の「師匠」は、コメの収穫量を増やし、余剰分を販売して現金収入を得、村に還元し、農民の自立を後押しする「パラダイス村」づくり構想を抱いていました。一方筆者はこのとき、開発途上国の食糧問題にかかわる仕事をしたいと高校時代から青年海外協力隊に憧れ、大学で国際農業開発を学び、海外での農業研修や実習にも参加して万全を期して協力隊員としてマラウイに着任したものの、活動が思うように成果を挙げられなかったことに焦りを感じていました。そこで、マラウイでの協力隊任期終了後、師匠の構想に協力する形でタンザニアでの農業普及に再挑戦する決意をします。

「本当の農民の生活を知らなければ真の国際協力はできない」という師匠の現場主義に従い、2004年から、首都ドドマから約250キロ離れたダカワ村で、電気も水道もない家に暮らし、現地の人々と農地開墾からコメ作りを始め、パラダイス村づくりに取り組んだ2年間。村での暮らし、ダカワの文化や人々、遊牧民マサイ族と農民との諍い、ダカワで見た国際援助など、日本にいる家族にアフリカでの日々を伝えたいと発信していたブログをこの本に再編集しました。

残念ながら、「師匠」の思わぬ帰国によりパラダイス村構想は実現を前に終了してしまったものの、活動を終えてから5年後の2012年、再びダカワを訪れた筆者は、村の発展と共に農業技術が人々に引き継がれ、かつて荒野だった地が稲作地帯に発展した様子を目にします。「豊かな心を持つダカワの人々から、パラダイス村は心の中にあると教えられた」と述懐する筆者。タンザニアの農村で暮らし、農業に取り組んだ日々の記録を、飾らない文章で伝えています。
 

書籍情報

『アフリカにパラダイス村を作ろう!』
中村文香 著
価格:700円+税
発行:文芸社(2013年12月発行)

 

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