青年海外協力隊に「アジアのノーベル賞」ラモン・マグサイサイ賞(2016年7月28日掲載)

アジア地域で社会に貢献した個人や団体に贈られる「アジアのノーベル賞」、ラモン・マグサイサイ賞。7月27日、同賞財団(拠点=フィリピン・マニラ)より、今年の受賞者に青年海外協力隊が選ばれたことが発表されました。

受賞の理由として、以下が紹介されました。

(ラモン・マグサイサイ財団のウェブサイトより)
(ラモン・マグサイサイ賞財団のウェブサイトより)

 

「青年海外協力隊事業は1965年、ラオスへの5人の隊員派遣で始まり、カンボジア、マレーシア、フィリピンや他国への派遣へと拡大した。2015年時点で40,997名の隊員が88か国に派遣され、その半数が女性であり、大多数がアジアやアフリカで活動する。協力隊員は、教育、社会福祉、保健、環境保全、農業、工業、スポーツや行政など190の専門職種で活動する。シニア海外ボランティアや短期ボランティアの制度も設けられている。

ラオスで活動したある協力隊員は、ケシ栽培からの経済依存脱却を図るプロジェクトにおいて、県立の工芸センターで、工芸品のデザイン、マーケティング面の支援に携わった。ガーナでは、トヨタに勤めていた協力隊員が、自動車修理と組み立てを行う店で地域住民の技能実習に当たった。バングラデシュでは、10年以上にわたる多くの協力隊員による活動がポリオワクチンの接種率を向上させ、ポリオとフィラリアの根絶につながった。フィリピンでは協力隊員が地元の教員と連携して教材を開発し、若者の科学への関心を養った。これらは、文化が異なる国で人々と地域のために活動した隊員活動例のごく一部にすぎない。

協力隊員の貢献は人々の生活を改善し、行動変化を促し、派遣国の地域社会や協働相手に知識と技術を伝えた。同時に、彼らは貴重な経験を日本に持ち帰った。帰国隊員は開発事業やボランティア活動のリーダーとなり、日本での異文化理解の深化、拡大につなげた。

二国間の開発協力の分かりやすい事例として挙げられるのは社会基盤事業だが、協力隊員が示す人と人の直接的な交流は、最も人道的で有意義な国際協力といえる。1960年代、熊野秀一OB(昭和41年度3次隊・フィリピン・養蚕)は、フィリピンのベンゲッドに派遣され、農家の人々と共に、何千本もの桑の木を栽培した。その後も数十年間にわたりベンゲットの人々との交流を続けた熊野OBは、『現地で働いた経験を通じて、多様性を受け入れることで信念を変えることなく自分自身を成長させ、人間としてあるべき価値を学んだ』と述懐している。

青年海外協力隊をラモン・マグサイサイ賞に選出するにあたり、評議員会は、協力隊員らの奉仕精神と、半世紀以上にわたり、人々と共に暮らし、働き、考え、平和と国際連帯の礎を築いた活動を評価する」

(ラモン・マグサイサイ賞財団ウェブサイトより、当協会による抄訳)

 

この賞は、第二次世界大戦後のフィリピンで3代目の大統領を務めたラモン・マグサイサイ大統領の名を冠して、1958年に授与が始まりました。過去には、マザー・テレサ(1962年)、ダライラマ14世(1959年)のほか、アメリカ政府のボランティア派遣機関、平和部隊(ピースコー)も1963年に受賞しています。日本人ではこれまでにペシャワール会の中村哲医師(2003年)、国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏(1997年)などが受賞していますが、団体での受賞は初めて。受賞式は故マグサイサイ大統領の誕生日である8月31日に、首都マニラで執り行なわれます。

偶然にも、当協会が青年海外協力隊事業発足50周年記念として企画・製作し、2015年11月に公開した映画『クロスロード』は、フィリピンで活動する3人の協力隊員の成長を描いた作品でした。難航したロケ地選定の末、撮影地として選んだフィリピンのイフガオ州マヨヤオは、第二次大戦時、日本軍の最後の激戦地となった場所。監督やプロデューサー、撮影スタッフは、戦後70年の年にマヨヤオで撮影することになったこの作品に不思議な運命を感じ、平和について考える機会になったと話しています。そして現在、国際交流基金主催の「日本映画祭」においてこの作品がフィリピンで公開されており、フィリピンと青年海外協力隊、そして映画『クロスロード』をつなぐ縁に、偶然以上のものを感じずにはいられません(映画祭は8月下旬まで)。

職員の大多数が青年海外協力隊経験者である特長を生かし、当協会は今後も引き続き、グローバル人材育成事業、震災復興支援、地方創生等の事業に協力隊経験を還元し、同時に、青年海外協力隊への参加促進、事業支援に取り組んでまいります。

関連サイト

▼ラモン・マグサイサイ賞財団の発表サイト(英語)
http://sandbox.mossesgeld.com/rmaf/

▼JICAウェブサイトでの発表(7月27日掲載)
http://www.jica.go.jp/press/2016/20160727_01.html

▼映画『クロスロード』公式サイト
http://crossroads.toeiad.co.jp/index.html 

▽映画『クロスロード』プロデューサーによる製作日誌
http://www.joca.or.jp/eiga/journal/ 

▼フィリピン日本映画祭(国際交流基金、マニラ)
http://www.jfmo.org.ph/audio-visual-and-film/view/610/newsid/1073/eigasai-packs-extra-punch-in-2016--opens-on-july-7-with-the-brilliant-period-film-kakekomi.html 

 

 

平成28年度 お知らせ一覧に戻る

お知らせ

  • 熊本地震 被災地への支援
  • おきなわ世界塾
  • マラウイ農民自立支援プロジェクト
  • 外務省主催 NGO インターン・プログラム制度
  • 協力隊ナビ~協力隊経験者と語ろう~
  • 青年海外協力隊講座
  • 協力隊OB・OG会情報
  • 青年海外協力隊事業創設50周年記念 映画製作『クロスロード』
  • 協力隊ボイス フェイスブック

ページの先頭に戻る