50回目の「青年海外協力隊の日」~事業への思いを新たに「協力隊の日を祝う会」を開催(2015年4月19日開催)

昭和40(1965)年4月20日に始まった青年海外協力隊事業は、今年、発足から半世紀を迎えました。

青年海外協力隊の前身である日本青年海外協力隊事業は、昭和40(1965)年4月20日、東京・市ヶ谷の海外技術協力事業団(OTCA,国際協力機構〔JICA〕の前身)の一室に事務局を構え、発足しました。昭和43(1968)年4月に、渋谷区広尾に訓練所を併設した施設が完成。その後、訓練業務が駒ヶ根・二本松訓練所に移管され施設はJICA広尾センター(地球ひろば)となり、平成24(2012)年8月末に閉鎖されるまでの間、青年海外協力隊員が出発前、帰国後に必ず訪れる場所でした。現在この地には「青年海外協力隊事務局」の碑と、物故隊員の慰霊碑「友よやすらかに」が建っています。

事業発足の4月20日を「青年海外協力隊の日」として、当協会は、これまでに「協力隊まつり」などの行事を開催してきました。今年4月19日には、昨年に続き二度目の開催となる「青年海外協力隊の日を祝う会」を、事業と縁の深い広尾で開催しました。

写真
20人ほどが集まった「祝う会」

 

会の冒頭で挨拶を述べた金子洋三JOCA会長は、事業の歩みや慰霊碑の成り立ちを紹介。「事業を取り巻く環境は、発足当時に比べ大きく変化し、時代の変化や新たな課題に対応した不断の見直しは不可欠だ。一方で、この半世紀に協力隊が国内外で果たしてきた役割・成果を検証し、50年の節目はこれからの協力隊事業のあり方を考える良い機会となる」と話し、「敗戦後の日本の厳しい国際環境の中で、『世界の中の日本のあり方』を真剣に考えて協力隊事業を構想し、実現に奔走された先輩諸氏の志に思いを致し、『新しい時代の、世界の中の日本』における協力隊のあり方を考えることが私たち協力隊体験者に与えられた使命であり、志半ばで倒れた仲間に対する義務と言えるのではないかと思う」と、節目となる年の抱負を述べました。

写真
代表者による献花

続いて、慰霊碑への献花の後、参加者一同で黙祷を捧げ、献杯。最後に、慰霊碑の建立に携わり、JOCA初代会長である保阪努常務理事が当時を振り返りつつ、「この地はわれわれの魂の拠点であることを心に刻み、若い世代の協力隊経験者に守っていってほしい」と語り、「JOCAは、50年を境に、青年海外協力隊だけでなく、国内と任国に協力隊をつくろうとアピールしてきた。50年という節目の年に、協力隊体験者が中核となり、老壮青相まった国内協力隊をつくり、この中から若者たちが海外協力隊に参加するという連環の輪をつくることが大きな夢の一つだ。皆さんと一致団結して進めたい」と締めくくりました。

両陛下も行幸啓時に供花

この慰霊碑は、昭和57(1982)年、青年海外協力隊全国OB会(当時)が、志半ばで亡くなった仲間の慰霊のため、協力隊経験者から寄付を募り、建立したものです。碑のデザインはコンテストで選出し、当時の岐阜県OB会長だった桐山芳和OBの作品が採用されました。碑に刻む言葉は、全国OB会の会議で、「友よやすらかに」が選ばれ、初代訓練所所長の故小野正美氏が揮毫(きごう)。物故隊員だけではなく、帰国後に亡くなられた方の御芳名も納められ、碑の前には、帰国隊員が派遣国から持ち帰った各国の石が飾られました。その翌年、全国OB会は社団法人青年海外協力協会を設立しました。

同年11月23日には、物故隊員のご遺族、外務省、JICA、帰国隊員の方々約200名が集まり、慰霊碑の除幕式を行ないました。12月13日には、当時の皇太子・同妃両殿下にご供花いただきました。

平成8(1996)年には協力隊事務局機能がJICA本部に移転し、広尾の庁舎は協力隊の訓練機能と帰国隊員の進路相談の施設となりました。平成11(1999)年に天皇皇后両陛下が広尾に行幸啓されて、再び慰霊碑に供花されました。

平成17(2005)年6月、同年度第1次隊を最後に、訓練業務が駒ヶ根訓練所と二本松訓練所に移管され、翌年4月に、施設は協力隊等ボランティア事業を含む国際協力への市民参加の拠点「JICA広尾センター(地球ひろば)」として再出発。しかし、平成21(2009)~22(2010)年の行政刷新会議の事業仕分けの結果、施設の国庫返納が決まり、JICA研究所(新宿区市ヶ谷)に機能が移転され、平成24(2012)年8月末に閉鎖されました。

慰霊碑は、多くの帰国隊員が訪れる場所でした。「施設閉鎖後も、どうか広尾に残してほしい」との声を集め、当協会がJICA、外務省、政界等各方面へ働きかけた結果、いつでも訪れられる場所として、広尾に残すことができました。

写真
「友よやすらかに」と刻まれた慰霊碑と、青年海外協力隊事務局・広尾訓練所の碑(2015年4月19日撮影)

 

慰霊碑の建立時にかかわった人々の思いを汲み、現在も、当協会が清掃と献花を続けています。広尾の施設が閉鎖され無人となった今も、碑の前に白菊が絶える日はありません。

「祝う会」閉会後、参加者の一人は、「後輩隊員が、不慮の事故により命を落としてしまった。彼を偲ぶために、今も時折この場所を訪れている」と話していました。事業発足から50年の間に、不慮の事故や病により、任期中に命を落とした隊員の数は68名に上ります(※)。任期を全うできなかった仲間の思いを成就すべく、さらなる事業発展につなげなければならない――50回目の「青年海外協力隊の日」は、協力隊経験者一同が思いを新たにする日となりました。

※2015年4月時点の数。

 

「平成27年度お知らせ」一覧に戻る

お知らせ

  • 企画調査員(ボランティア事業)を目指す方へ
  • おきなわ世界塾
  • 協力隊ナビ~協力隊経験者と語ろう~
  • マラウイ農民自立支援プロジェクト
  • 外務省主催 NGO インターン・プログラム制度
  • 熊本地震 被災地への支援
  • 青年海外協力隊講座
  • 協力隊OB・OG会情報
  • 青年海外協力隊事業創設50周年記念 映画製作『クロスロード』
  • 協力隊ボイス フェイスブック

ページの先頭に戻る