「超親日派」青年100人が日本文化を体験~外務省青少年交流事業「JENESYS2015」(2016年2月5日掲載)

「日本愛」「役に立つ」「冷蔵庫」「愛恋心」・・・。外務省の青少年交流事業JENESYS2015を通じて来日したオーストラリア・ニュージーランドの大学生が参加した書道ワークショップ。聞きなれた言葉から初めて聞く造語までさまざまな日本語が書かれた半紙には、参加青年たちの日本語への関心の高さがにじみ出ていました。

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好きな漢字を書き入れた扇子を手にした参加者たち

1月26日から2月2日まで7日間にわたり、当協会はJENESYS2015のオーストラリア・ニュージーランドを対象に、「日本語・日本文化」というテーマにてプログラムの運営を担当しました。来日した大学生104名に日本文化を体験してもらおうと、参加者を二つのグループに分け、1月27日、28日の二日間にわたり、都内で書道ワークショップを開催しました。

講師を務めるのは、京都を拠点に書家として活動する上田普(うえた・ひろし)さん。大筆によるパフォーマンスを披露した後、象形文字に始まる漢字の成り立ちや日本における書道の歴史を紹介しました。

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漢字の成り立ちを説明する、書家の上田さん(写真手前、左から二人目)

漢字の歴史に触れた後、参加者たちも実際に筆を持ってみました。まずは筆づかいを練習してから、先生のお手本を参考に漢字に挑戦。多くの参加者が黙々と練習する一方、スマートフォンで調べるなどして好きな漢字を書く参加者も。日本語を読み書きできる人が予想以上に多いことを参加者に英語で質問したところ、「ここに来ている人の80パーセントくらいは、大学などで日本語を勉強しています」と、なんと日本語で答えてくれました。しかし書道の機会は少ないため、この日をとても楽しみにしていたのだそうです。他の参加者は、「スペイン語やポルトガル語も勉強していますが、日本の漢字には意味があって、それを知るのが楽しいです」と、うれしそうに話してくれました。

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手本を見ながらの練習

現在、オーストラリア、ニュージーランド両国において、日本語教育が行なわれています。ニュージーランド(人口約424万人)の日本語学習者は約3万人ですが、オーストラリア(人口約2391万人)の日本語学習者数は約29万人と、中国、インドネシア、韓国に続いて世界第4位の数です(2012年の数。注1)。現地で学習されている外国語の中でも、日本語はフランス語と肩を並べ人気の言語とのこと(2011年の数。注2)。流ちょうな日本語を話す参加者が多い理由が分かります。

ワークショップの後半では大作に挑戦しました。重さ数キロの筆を使い、代表者が交代で俳句を一文字ずつ書き入れ、作品を仕上げました。書き上げた作品を前に記念写真を撮ってワークショップが終了。講師を務めた上田さんも青年たちとの交流をとても楽しんだそうで、「ここで学んだ書道文化の楽しさを母国に持って帰り、多くの人に伝えてほしい」と、期待を込めて話していました。

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大筆で俳句を書く

参加者にこのプログラムへの応募理由を聞くと、ほとんどが日本文化への関心を挙げていましたが、中には、「留学を考えているので下見を兼ね参加した」と話す人もいました。会場となった東京日本語教育センター(東京都新宿区)は、海外からの留学生が日本の大学進学に備えて日本語や受験に必要な学科を学ぶ場となっています。ワークショップの後には、学校説明会と見学会が行なわれ、この日のプログラム内容は、留学を検討する人にとって、有益な情報を収集できる機会になりました。

書道ワークショップの後、参加者たちは東京を離れ、グループに分かれて、長野、山口、広島、長崎を訪問。各地で史跡を訪れ、各地の人々と交流し、日本を満喫して2月2日に帰途に就きました。

JENESYS2015事業の目的は、アジア大洋州諸国から優秀な青少年を日本に招き、わが国の政治や社会、歴史や外交政策への理解を深めてもらうこと。事業を通じて親日派・知日派を発掘し、ひいては外交基盤の拡充につながることが期待されます。

当協会はこれまでに多くの国際交流事業を運営してきましたが、これほど多くの参加者が日本語を話し、日本文化への強い関心を示していたプログラムは初めてです。今回来日した「超親日派」の青年たちが母国の社会を担う時代には、日本との関係深化はもちろん、新たなパートナーシップが生まれているかもしれません。

青年海外協力隊員たちは派遣された国々で人々と交流を深め、日本との友好親善に寄与することから「草の根外交官」ともいわれます。このプログラムでは、協力隊経験者である当協会職員がコーディネーターやプログラム選定を担い、「草の根外交官」を受け入れ、サポートする立場に回りました。協力隊経験者の多くが帰国後も派遣国のことを思い、交流を続けるように、JENESYSプログラムの参加者も今後長く日本への関心を持ち続け、母国との絆を深める「草の根外交官」になってほしい――そんな思いを持って、プログラムを運営しています。今年度は、さらに2グループの受入を担います。日本の良さを印象づけてもらえるプログラムを作るべく、担当職員が準備を進めています。

参考データ

【注1】国際交流基金「2012年度 日本語教育機関調査」[PDF]
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/dl/survey_2012/2012_s_excerpt_j.pdf

【注2】「National Report on Schooling in Australia 2011」[PDF]
http://www.acara.edu.au/verve/_resources/2011_National_Report_on_Schooling_Additional_Statistics.pdf 
 

関連リンク

JENESYS2015

▼JENESYS2015 太平洋島嶼国第5陣の訪日 対象国:オーストラリア,ニュージーランド,テーマ:日本語・日本文化
(外務省ページ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002898.html

▼書家 上田普さんのウェブサイト
http://www.uetahiroshi.com/

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