バヌアツ事務所

画像:バヌアツ国旗

第1回 (2005年12月)
JICAバヌアツ事務所 ボランティア調整員
向田秀明 (平成元年度2次隊 / ソロモン諸島 / 考古学)


免許取得をきっかけに応募

学生時代に考古学を専攻し、卒業後も郷里の埋蔵文化財調査センターでしばらく働いていました。その経験を生かしたいと思い、青年海外協力隊の募集に応じ、平成元年12月から2年間、南太平洋のソロモン諸島に派遣され、国立博物館で考古学の職種で活動しました。日本に帰ってからは、まったく畑違いの分野ですが、住宅関係の業界紙記者として約10年間働いた後、JICAのボランティア調整員として再び国際協力の舞台に戻ってきたわけです。

ボランティア調整員になりたいという気持ちは、青年海外協力隊活動を終えて日本に帰ってきたころから、漠然と抱き続けていたように思います。協力隊員時代にお世話になった調整員が非常に良い方で、その人の影響を受けたというのが大きいでしょう。しかし、情けないことに、車の運転免許を持っていなかったため、受験したくてもその資格がないという状況でした。もともと車が大嫌いで、常々周囲にも一生免許なんか取らないと公言していたのですが、40歳を迎えたとき、何を思ったか、突然、勤めの合間を縫って教習所通いを始め、ついに免許を取得(周囲の人たちはずいぶん驚いていましたが、当の本人が一番驚いたのです)。その勢いで、一つ調整員試験にも挑戦してみようかと思い立ち、幸運なことに受かったという次第。まことに勢いとは恐ろしいものです。

ある一日の仕事

写真:JICAバヌアツ事務所

JICAバヌアツ事務所

JICAバヌアツ事務所は、所長1名、調整員2名、現地スタッフ6名という構成です。私と同時期に赴任したもう一人の調整員が、主に青年海外協力隊員関連のロジや健康管理等について担当し、私の方はシニア海外ボランティア、専門家等のロジ、経理、安全対策、総務等を担当しています。いっしょに働いている現地職員には、16年間もJICA事務所で働いているベテランのスタッフもいます。また、こちらで結婚して暮らしている元青年海外協力隊員の方が、昨年末から現地スタッフとして加わってくれ、強力な戦力となっています。

写真:勤務中の様子

勤務中の様子

事務所の勤務時間は午前7時半から午後4時半まで。途中、11時半から2時間、昼休みが入ります。残念ながら、定時に帰宅できたことは一度もありません。仕事量が多いのか、要領が悪いのか、たぶんその両方でしょうが、とくに最初の1年間は、8時、9時帰宅は当たり前という状況が続いていました。さすがに、2年目からは、あまり無理をせず、急ぎの仕事がないときは早く帰るという方針に切り替えましたが。

一日の仕事の流れとしては、前日夜に入ったJICA本部(東京)からの公電(日本とはプラス2時間の時差があるので、我々が帰宅した後に公電が入ってくるケースも多い)の処理、JICA本部や青年海外協力隊員等から入っているメールへの返信などから取り掛かり、その後は、締め切りの迫っている調査物、予算見直しなどであわただしく一日が過ぎていくといったパターンです。夕方頃になると、1日の活動を終えた青年海外協力隊員やシニア海外ボランティアの方々が事務所に顔を出されるので、その対応にも追われます。全般には、当初予想していた以上に事務仕事に忙殺される毎日といった印象です。

2ヶ月で10キロ近くも体重減

なんといっても、一番苦労したのは経理業務です。在外赴任前の調整員研修中に1日だけ実習にも行ったのですが、未経験だったこともあり正直言ってほとんど役には立たず、赴任してからは途方にくれる毎日でした。とにかく、自分が何をわかってないのかもわからないという、まったくのお手上げ状態で、過去のファイルで類似事例を調べて解決策を探ったり、JICA本部に電話をかけまくるだけで一日が過ぎて行くというありさま。赴任時期が1月だったこともあり、次年度の予算計画の策定や決算などの大仕事をいきなり手がけなければならず、なおさら大変でした。そのせいか、赴任2ヶ月で10キロ近くも体重が減ってしまったほどです。青年海外協力隊員からも「もっと、ご飯を食べたほうがいいですよ」と同情される始末。その頃にいた協力隊員は私について、いつもしかめ面で電卓をたたき続けていたというイメージしか持っていないのではないでしょうか。

バヌアツでの3年目は・・・

つい最近、愕然としたことがあります。すでにバヌアツに来て2年近くが経とうとしているのですが、その間、妻を国内旅行でどこにも連れて行ってなかったことに、ある日突然気が付いたのです。私自身は出張で主な島にはでかけているので、ついつい、妻も主な観光地は行っているはずと思い込んでいました。最近、夕食の品数が減ってきたり、愛想が少し悪くなってきたのはなぜだろうと考え、はっと思い当たった次第です。このほど1年間の任期延長が認められましたが、残りの期間に、のんびり国内旅行をする時間が取れるかどうかはわかりません(むしろ、出不精の私としては、そんな暇があれば、家で寝ていたいのですが)。とはいえ、夫婦関係を円満に保つためにも、真剣に検討しなくてはならないかなと思いはじめています。

 

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