ニカラグア事務所

画像:ニカラグア国旗

第6回 (2006年10月)
JICAニカラグア事務所 ボランティア調整員
堂木 護 (平成9年度3次隊 / エクアドル / 野菜)


時代にあったボランティアスピリッツを打ち立てる

2000年4月、2年間の協力隊活動を終え帰国した私は、再び国際協力の仕事の関わりたいという思いから、ちょうどその時に募集のあった協力隊訓練所のスタッフに応募し、任国へ旅立っていく隊員候補生たちのお世話することになりました。当時、私が勤務していた広尾青年海外協力隊訓練所のスタッフには、ボランティア調整員の経験者が多く在籍しており、隊員経験しかなかった私は、彼らの見識の広さに圧倒されるとともに、次第に羨望のまなざしで見るようになりました。周りに尊敬できる調整員経験者がいたことが、「いつかは彼らのような調整員になりたい…」という思いにつながったのでしょう。

また協力隊事業の創設に関わった方々のお話を聞く機会もあり、当時の熱い思いを伺うことが出来ました。いつの時代もボランティアに関わってきた全ての人たちが、その理念やボランティアスピリッツについて、真剣に考え議論を交わしてきた結果が現在の姿を作ってきたのです。今そのたすきを受け取っている私たちは、先人に学ぶとともに今の時代にあったボランティアスピリッツを打ち立て事業を実施していかなくてはいけないと思っています。

心強い仲間に囲まれています

写真:いつも一緒に仕事をしているナショナルスタッフたち

いつも一緒に仕事をしているナショナルスタッフたち

2005年1月にボランティア調整員としてニカラグアに赴任し1年8ヶ月が過ぎました。事務所のある首都マナグアは大変緑が多く、抜けるような青空がとても素敵な街です。当事務所の協力隊事業にかかわるメンバーは、ボランティア調整員3名とナショナルスタッフが2名。同僚の調整員2名は、いつも的確なアドバイスをくれ、私が困っている時には惜しみない力を貸してくれる心強い存在です。現地の秘書スタッフも細かな事務処理や無理難題にいつも笑顔で対応してくれますし、他には、隊員たちからの信頼の厚いまた配属先との交渉には欠かせない優秀な現地スタッフもいます。(このスタッフは映像編集といった場面にも力を発揮しています!)このように心強い仲間に恵まれ、私は本当に幸せものだなと感じています。

ある一日の流れ

さてここで少し私の日常的な仕事内容をご紹介します。

8:10 出社・メールチェック
8:30

事務所スタッフの朝礼、各職員のスケジュール確認
メールでの問い合わせ回答、JICA本部からの公電(FAX)チェック
出張計画の作成、経理書類の作成

12:00 昼休み
13:30

午後の業務開始
午後は打ち合わせ会議、活動を終えた時間帯を見計らって隊員に電話をかけ懸案事項の話し合いや、実際に事務所に来てもらい打ち合わせ等を行う。

17:00 外部からの問い合わせ電話がなくなり、比較的静かに集中できる時間帯となるので、隊員報告書を熟読したり、次回の隊員受け入れ時のオリエンテーションのア イデアを練ったり、集中力を要する仕事を中心に取り組む。
18:30 急ぎの仕事がなければ、この時間帯の帰宅を目指す。

ある調整員報告書に、「ボランティア調整員の業務は問題が発生したときの対応能力が注目されるが、一番評価されなくてはいけないのは未然に問題を発生させない能力である。」とありました。私もこのことに「なるほど!」とうなずきながらも、現実は途上国にありがちな突然の計画変更や自身の事務処理能力の低さから、問題が起きてから対応する場合が少なくありません。調整員の業務には本当に多岐にわたる仕事が課せられていますが、目の前の仕事だけに振り回されることなく、不測の事態に備えるという意識を持たなければならないと思います。勤務時間も残業が多くなっている時は余裕がなくなり、本来業務であるボランティアへの対応も疎かになりがちですので、“休養も仕事のうち”と考えなるべく早く業務を切り上げるようにしています。

現地での安全対策

ニカラグアでは原油価格の高騰の煽りを受け、バスの運賃値上げに反対する学生運動が05年から頻発し、走行中のバスへの投石や焼き討ちなどが続きました。いつ何時、どんな事件・事故が飛び込んでくるかわからないため、JICA事務所ではJICA職員と現地警察OBのクラークの3人が安全対策業務に従事しています。

当初、災害時における協力隊員への連絡方法は「電話」のみでしたが、連絡網を回している間に内容が間違って伝えられるなどトラブルが多く、もう一度最初から伝達をやり直すということが頻発しました。そこで隊員に話を聞くと、隊員間での情報のやり取りは、「携帯電話のメッセージ」を利用することが多いということ分かりました。携帯メールのやりとりは、日本ではごくごく日常的な光景ですが、隊員たちはこのニカラグアでもその習慣を変えていないようです。そのことから事務所としても緊急連絡にメールを導入することになり、隊員からも「人ごみの中でも電話を取り出して話すより、周囲の安全を確認してから内容を確認できるメッセージの方が助かる」と好評です。しかしながら、メッセージによる伝達は、字数制限があり詳細が伝えにくいことや、また受信者が圏外にいる場合、情報が届かないという致命的な欠点があるため、あくまでも補助的な手段として利用しています。やはり重要かつ緊急なことは、手間を惜しまず一人ひとりに電話をかけ安否を確認するしかないのでしょうね。

ボランティアに感謝!

写真:ボランティアに感謝!

ボランティアに感謝!

最後になりますが、現地にどっぷりと浸かり、ひたむきに活動している隊員たちの姿勢は本当に美しいと思いますし、そんな姿を見ているとこのボランティア事業の魅力にますます引き込まれてしまいます。私もこのすばらしい事業に関わっていることに感謝するとともに、微力ながらも隊員活動の一助となるべく自身の向上に努めていきたいと考えています。

 

 

ページの先頭に戻る