22年度<開発援助と人類学> 第四回

ジェンダーと開発  

***高校生の参加者も***

 JOCAオープンカレッジ第4回目の報告者は池田恵子氏(静岡大学教育学部准教授:バングラデシュOG)と佐藤峰氏(JICA研究所リサーチアソシエイト:ニカラグアOG)です。二人とも青年海外協力隊員として開発援助の現場を体験し、今もなお現場を行き来しつづけている研究者です。コメンテーターにはお茶の水女子大学人間文化創成科学研究科教授の熊谷圭知氏をお招きしました。
 参加者は、青年海外協力隊OB、現役大学生、会社員とそのお子さんの高校生(過去最年少参加者!)など、会場が溢れんばかり、まさに満員御礼となりました。

***小規模金融は女性の敵?***

 池田氏の報告は、ノーベル平和賞にもつながったグラミン銀行に代表される小規模金融が女性に対する暴力を助長している可能性があるかも知れない、というショッキングな内容でした。貧困緩和に対する救世主の一つとして普及した小規模金融、その借り手の多くが女性であるがゆえに、その中でジェンダー問題が根深く絡まっている可能性があることを示唆する報告でした。調査研究途上の中間報告とのことでしたが、今後の調査報告が大変気になる内容でした。

***開発援助の新しい調査方法***

 一方、佐藤氏は開発援助に携わる者であれば誰もが知りたいと思う「人々が力をつけるために、住民主体の開発を支援する効果的な方法」について、特に「よりよい開発(支援)と女性」に焦点をあてた報告をしてくださいました。開発援助が(いら)ない世界を目指し、途上国の現実を理解するための新しい調査の枠組みについて、その利点(特徴)と欠点(不明点)はどんなものか、実践事例を通して紹介していただきました。
 コメンテーターの熊谷教授からは、開発援助における研究者であると同時に、開発援助の実践者である二人の報告者に対し、研究と実践における時間の捉え方の違いや、ジェンダーの主流化に関する懸念について質問がなされました。
 今回の報告は、まさに今、取り組まれている開発援助の現場が素材となっており、1つの解答にまとめきれない開発援助を考える上で、まさに、探している開発援助のヒントが満載の講座となりました。
 今年度のJOCAオープンカレッジは残すところあと2回です。次回は2月23日(水)を予定しています。皆さまのご参加をお待ちしています。また、過去の講座のレポートをホームページに掲載しています。

 

セミナー

▲報告者の佐藤峰氏と池田恵子氏  

セミナー

▲積極的に質問をする参加者たち

セミナー

▲熱心にメモをとる参加者たち

 

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