一青年の成長ドラマとして『クロスロード』を見てほしい~トークショーで製作陣がメッセージ(2015年11月24日掲載)

 11月15日、青年海外協力隊事業発足50周年記念イベント「協力隊EXPO!音楽とダンスでひろがる笑顔・広げる世界!」(主催=国際協力機構)において、映画『クロスロード』製作陣によるトークショーを開催。企画意図から、ロケ地、劇中で歌われる日本の歌にまつわるエピソードなど、映画の“裏側”を来場者に紹介しました。

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トークの様子。右から香月プロデューサー、すずき監督、吉岡エグゼクティブプロデューサー


冒頭に、当協会で映画事業を担当する香月柳太郎参事が、「青年海外協力隊事業発足50周年に何ができるのかを協力隊経験者たちが考え、この映画を作った。ボランティアや国際協力に焦点を当てたのではなく、一人の青年が海外での活動の中で何を考え、悩み、感じたかを描く青春ドラマ。見た人が、協力隊や世界に関心を持ち、チャレンジ精神を身につけるきっかけになれば」と挨拶しました。

トークショーには、すずきじゅんいち監督、吉岡逸夫エグゼクティブプロデューサー、香月秀之プロデューサーが登壇。ロケ中のスナップショットを紹介し、2000年の歴史があるイフガオ州マヨヤオの棚田の写真について、すずき監督は「何か所かある棚田群のうち、ここは最もアクセスが悪いところ。そのため昔のままのフィリピンの良さが残っている」と解説。一方で、ロケ地では移動が大変だったと話し、「棚田の中で撮影したが、(車が入れないので)スタッフもキャストも、2、30分あぜ道を歩かなければならなかった。崖になっているところもあり、万が一落ちてしまったら事故になりかねないと気がかりで。これまでに27本の劇映画を撮ったが、こんなに大変なロケはなかった」と加えました。

自身も映画監督である香月秀之プロデューサーもマヨヤオでのロケの難しさを、「シナリオハンティングに行ったとき、果たして撮影が成立するのかという問題があると感じた。近くに病院がない点が気がかりだったが、ここで撮らなければ、という思いから、元協力隊・看護師隊員等をスタッフに加え、サポートしてもらった」と補足。吉岡エグゼクティブプロデューサーは、「撮影前にこの地を旅行で訪れた。そこでドジョウを養殖している協力隊員と会い、シナリオへのアイデアを着想した」と説明しました。

マヨヤオに建つ兵士の銅像の写真紹介では、吉岡エグゼクティブプロデューサーが、マヨヤオは第二次世界大戦時に日本軍とアメリカ軍の激戦地だったことを紹介。「山下奉文陸軍大将が最後に戦った激戦地。凄まじい数の日本兵がマラリアや下痢などで亡くなり、悲惨な歴史として現地でも知られている。(現地の人から)日本軍は昔、戦争をしにきたが、今度は平和の映画を撮りに来てくれてうれしいと言われた」と現地でのエピソードに触れました。

トークショーでは、マヨヤオを訪れた主人公の青年海外協力隊員、沢田役を演じる黒木啓司さんが現地の人々と一緒に踊る写真も披露。すずき監督が、「村人の結婚式でイフガオ族の踊りを一緒に踊るシーンを撮影した。踊りながら歌も歌おうと、「上を向いて歩こう」歌ってみようということになったところ、村人が最初のフレーズだけ歌えたので驚いた。アドリブに近いシーンだったが、楽しくやっていたようで、映画でもいいシーンになった」と述懐。吉岡エグゼクティブプロデューサーは、「台本になかったので、なぜみんな歌っているのか驚いた。(協力隊員時代)アフリカにいる時、現地のディスコで千昌男の『星影のワルツ』が流れてきたり、パーティーでスウェーデン人と『上を向いて歩こう』を歌ったりしたことがある。日本の歌は海外でも知られている」と、海外での日本の歌事情を紹介。これに関連して、11月に青年海外協力隊経験者から募集した「日本の歌エピソード」の応募作品の中から、元トンガ隊員から寄せられた1本を紹介。「日本に帰国後、東日本大震災被災地でトンガからの学生受入に携わった。現地での送別会で、トンガの学生たちが知っている日本の歌『上を向いて歩こう』を歌ったところ、お母さんたちが涙を流しながら感謝してくれ、日本の歌を通じて交流が深まった」とエピソードが読み上げられました。

最後に、「一般の人も見られる作品にしたかった。『協力隊ってこういうことをしているのか、日本は世界でいいことをしているんだ』ということを感じてもらえる映画になったと思う」(香月プロデューサー)、「協力隊員として派遣されたフィリピンで、現地の人々が洗濯物を叩いて洗っている様子を見て、『それでは衣服が傷んでしまう』と、洗濯板を作り、広めた木工隊員がいる。素朴なアイデアで活動するのが協力隊。そういったエピソードをノベライズ本に盛り込んだ」(吉岡エグゼクティブプロデューサー)、「この作品は協力隊の映画ではあるが、人間の生き方を説いた青春映画なので、一般の人にぜひ見てほしい」(すずき監督)と映画を見る人へのメッセージを呼びかけ、トークショーを締めくくりました。

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2013年に募集した協力隊エピソード フィリピンの洗濯板

青年海外協力隊創設50周年記念事業 映画『クロスロード-Crossroads』

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