#09 イフガオ州マヨヤオ(2015年12月17日掲載)

村落開発隊員の羽村和也の任地だ。

マニラから北へバスとジプニーで約12時間。

映画では、任地到着のシーンで、イフガオ州マヨヤオの中央広場に、荷物を持ってジプニーから降りる羽村の姿が見られる。主人公沢田の任地よりさらに北の町。町というより村といった雰囲気で、かなり田舎だ。

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マヨヤオに広がる世界遺産「コルディリェーラの棚田群」

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山岳民族イフガオ族のトンガリ屋根の家々

ルソン島北部は日本にとっては悲惨な場所だ。マッカーサーのレイテ島再上陸以後、追い詰められた旧日本軍が、陸軍第十四方面司令官、山下奉文大将を中心に最後の戦いに挑んだ。米軍の猛烈な空襲に圧倒された日本軍は、この北部の山々に逃げ込んだ。食料も持たない日本軍は、飢えやマラリアに苦しめられたという。 

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フィリピン人兵士の銅像

沢田の赴任先のバギオは、山下大将が降伏文書に調印した場所で、羽村の赴任先のマヨヤオは、最後の激戦地。

映画の中で羽村の眺めている銅像は、米軍に雇われたフィリピン人兵士の英雄だという。その兵士は、足を負傷しているにもかかわらず這って前進し、日本軍が潜む洞窟に手榴弾を投げ込んだといわれている。日本人の羽村からすれば複雑な気持ちだ。自分が今この地に来ているのは、日本兵の亡霊が呼び寄せたのではないだろうかという気になってくる。

エグゼクティブ・プロデューサー  吉岡逸夫(昭和47年1次隊/エチオピア/映像)

(続く)

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