#11 岩手県大槌町吉里吉里(2016年2月26日掲載)

主人公のライバルの羽村は2011年の東日本大震災の被災者だった。

羽村の住んでいた岩手県大槌町吉里吉里地区は、故井上ひさしの小説「吉里吉里人」の舞台として知られる所で、人口約2,500人。津波で80数人が死亡あるいは行方不明。住民の3分の1が何らかの被害に遭っていた。多くの漁師たちは家を失い、船も失い、難民と化していた。

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高台から見下ろす、吉里吉里の海

そこで立ち上がったのが羽村だった。羽村は、津波の被害で積み上げられた瓦礫を利用し、それを約50センチの長さに切り、束ね、「復活の薪」としてインターネットで販売していた。それは次第に評判を呼び、全国から問い合わせが殺到、購入には半年待ちの状態だった。また、世界中からボランティアが駆けつけ、薪作りを手伝っている。いわゆる復興のシンボル、被災者たちの生活の糧を作り出している状況だった。吉里吉里は、小説でも描かれているように、昔から行政に頼らない自立心の強い土地柄で、今回の震災でも、真っ先に復興に取りかかった。羽村は、そこでリーダー的存在となっていた。

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薪を割るボランティア

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瓦礫がなくなった現在は、間伐材を薪にしている

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出荷を待つ「復活の薪」

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木材が積み上げられた作業場

このエピソードは実際にあった話を元に構成している。

協力隊エチオピアOBの芳賀正彦さんが、そのモデルとなっている。芳賀さんは吉里吉里の住人で、実際に津波の被害にあった。家族は無事だったものの、家は津波で流された。

映画の通り、NPO法人吉里吉里国を立ち上げ、海をきれいにしようと、今も山の整備をしたりしている。
 

エグゼクティブ・プロデューサー  吉岡逸夫(昭和47年1次隊/エチオピア/映像)

(続く)

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