#06 主人公の派遣先、ベンゲット州バギオ(2015年8月24日掲載)

バギオは面積約60平方キロ、人口は約30万人。首都マニラからバスで5時間北に行ったフィリピン屈指の観光地。標高1500メートルもあるから南国とはいえ涼しい。日本でいえば「軽井沢」のような避暑地であり、フィリピンの協力隊員が最初に入った地でもある。

バギオ
避暑の街、バギオ

主人公沢田の派遣先、観光省バギオ支所広報課フロアでは、スタッフ達はのんびりしている。沢田の仕事は、観光案内のパンフレットやプレス向けの写真撮影の技術指導をする要請だ。赴任初日に、沢田は広報課長に、「君のカウンターパートだ」といって、ロナルドを紹介された。カウンターパートというのは、技術指導する相手のことで、同時に職場で面倒をみてくれる相棒でもある。ロナルドはまだ22歳と若いが、きれいな英語をしゃべる。身なりがよく、どこか育ちのよさを感じさせる。沢田とロナルドは、笑顔で挨拶した。

翌日からさっそく沢田はロナルドを連れ、写真の指導を始めた。まずは庭園のきれいなマンション・ハウスに行った。入り口は、ロンドンのバッキンガム宮殿のゲートを模してある。フィリピンの大統領が夏に公務を行う場所だ。

夏だけの事務所など、日本の感覚では珍しいと思うが、バギオはもともとそういう町なのだ。今から150年も前、米軍の統治下にあったフィリピンだが、首都マニラは暑さが厳しい。その暑さに耐えかねた米兵たちは避暑地を求めて、標高の高いバギオを見つけた。バギオは年間平均気温が摂氏20度と過ごしやすく、フィリピンの夏期(3月~5月)は政府機関の一部が移動してくるため、「夏の首都」という別名を持っている。

地図

エグゼクティブ・プロデューサー  吉岡逸夫(昭和47年1次隊/エチオピア/映像)

 (・・・続く)

「製作日誌」インデックスに戻る 

ページの先頭に戻る