ヒデオ、貴方の人生の目的は何? (松橋 秀男 S63年度1次隊/フィリピン/食用作物)

任国外旅行でタイを訪問し一人でバンコックの安宿に泊まり、アユタヤへの日帰りツアーでの話。

ツアー前日に、バンコック市内でツアーを探した際、日本語コースと英語コースでは値段に倍の開きがあったので、英語コースを申し込んだ。待ち合わせは安宿近くの高級ホテルのロビーとし、翌朝待っていたらタイ人ガイドが現れ、オンボロの大型セダンに連れていかれた。後部座席の白人カップルの隣に乗り、もう一人迎えに行き、タイ人の運転手とガイド、フランス人女性、イタリア人カップルと私の総勢 6 人の異文化道中である。

途中、お互いの自己紹介や国の事などを話しながら過ごし、アユタヤの遺跡近くの川端のレストランで昼食をとっていたときの顛末である。

今回のタイ旅行の期間の話になり、私は一週間というと、一週間でタイの何が分かるのか?とフランス人女性に言われた。貴方たちの期間は?と問いかけるとフランス人女性は2カ月、イタリア人カップルは1カ月とのこと。その話から、日本人はとにかく忙しく動き回りすぎる、パリでもローマでも働き過ぎ、動き過ぎ、ゆっくり休むということは無いなどとの総攻撃。

極めつけが、「ヒデオ、貴方の人生の目的は何?何の為に生きているの?」、突然の想定外の質問、ここで無いと言えば日本人が廃る。しかし、すぐには思いつかない。ピンチの状態で口を出たのが、あなた方の目的は何?という言葉。しかし、この言葉がさらなるピンチを招くことにすぐ気付かされた。なんとフランス人女性は「カンボジアの遺跡の研究者で本にまとめ世界に紹介する」こと、イタリア人カップルは「故郷の海鮮料理レストランをローマで開き故郷の味を広める」こととスラスラと逆襲され、横で聞いていたタイ人ガイドまでが「私の目的は・・・」と披露する始末。彼らの言葉を普通顔で聞きながら、頭の中で必死で考えたが出てこない、今まで生きてきて人生の目的なんて考えたこともないのだから仕方がない。

最終的に浮かんだ妥協案が、「その目的を探しに協力隊に参加したし、タイにも来た」という言葉、これだけ言い返すのが精一杯。

平成2年4月23日、アユタヤでの出来事であるが、この時以来体験談や異文化理解講座などで必ず披露しているエピソードである。

この頃は、「生きる意味を探すのが人生」だと居直っているが、そのうち「まだ探しているの?」と何処からか聞こえてきそうな、アラカンOBの未完成宿題でした。

追:あの美人のフランス人女性が夢に出てきて、「それでいいんだよ」と言ってくれないかな?

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