幼稚園での絵本の読み聞かせ活動を通じて(齋藤 さおり/H17年1次隊・ホンジュラス・青少年活動)

ホンジュラスの未来を担う子ども達が幸せに過ごせるようにお手伝いしたい。赴任してから1年、悩んではじめた私の活動は、幼稚園での読み聞かせでした。先輩隊員と今後の活動について話をしていた時、ホンジュラスには本が少なく子どもが自由に読めないこと、また小さい頃から本に親しんでいないために読解力が弱いことに気づき、図書館で借りた絵本を持って任地ラパス市内の幼稚園で絵本タイムを始めました。

「絵本タイムがはじまるよ!」。私が行くと、子ども達は我先に一番良い場所を取ろうとやってきます。そして、キラキラした目で、お話を聞いてくれました。お話の最後には子ども達が、“Y(イ) colorín(コロリン) colorado(コロラド), este(エステ) cuento(クエント) se(セ) ha(ア) terminado(テルミナード). (「めでたし、めでたし、これでおしまい」の意味)”という言葉を言ってくれます。前半の“Y colorín colorado”を私が言うと、子ども達は後半の“este cuento se ha terminado.”と言います。このかわいいフレーズが聞きたくて、毎週楽しく幼稚園に通っていました。

「手元に絵本があったらいいのになぁ。絵本をプレゼントしたいなぁ」活動が進むにつれそんな風に考えるようになりました。それなら私が作ってあげよう。それからJICA事務所と相談し、ホンジュラスの特色を盛り込んだオリジナルのぬり絵絵本を作成し、園児全員にプレゼントすることが出来ました。出来た作品は3作。1作目は『犬のぼうけん』、2作目『やさいだ~れ?』、3作目『どうぶつだ~れ?』毎週子ども達は私の訪問を待っていてくれ、絵本タイムの後に1ページずつぬり絵をします。子ども達から出来上がりを見せてもらい、“ごほうびシール”をあげました。全部のページをぬり終えると完成。自宅で読んでもらえるよう持ち帰ります。

すぐに目に見える成果のある活動ではありません。でも「絵本を聞いている間だけでもいい、ぬり絵をぬっている間だけでもいい。子ども達が楽しさや幸せを感じてくれたら」そう思ってはじめた活動でした。帰国前、お父さんお母さん方から「毎晩寝る前に読んでいるよ」「さおりの作ってくれた絵本が大好きだよ」と言っていただけ、手探りで始めた活動が子ども達の心に少しでも残ってくれてよかったと思える、ホンジュラスでの2年間の何よりの収穫となりました。

帰国してから早いもので5年と少し経ちました。帰国後に授かったわが子も幼稚園に入園し、あの時一緒に絵本を読んだ子ども達と同じ年齢になりました。そして今、私は機会を見つけて幼稚園で読み聞かせをさせていただいています。これからは『日本の未来』を背負っていく子ども達と関わっていきたいと思っています。

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