夢は願い続ければ叶う日が来る(小松 佳央梨/24年度1次隊・ベネズエラ・音楽) 

青年海外協力隊になる運命的な出来事と出合ったのは大学4年生の時。それは、大学の英語の授業の課題だった。「この英字新聞の記事を全訳せよ」と出された課題は「ベネズエラのエル・システマ」について書かれていた。「音楽を通して人間育成」「音楽が貧困社会を救う」等、目を惹く主題が書かれた記事は、子ども達に無料で楽器を貸し、無料でレッスンを提供し、どんなに貧しい子どもでも音楽ができるという制度について書かれていた。記事を読んで特に感動したことは、犯罪沙汰だった子どもが、オーケストラに所属した途端に犯罪をしなくなり、音楽という生きがいを見つけ、人生を良い方向に変えたということ。私がしたい音楽はまさにこれだと思った。「音楽を通した人間育成」「人生を良い方向に変える音楽」。

このようにベネズエラのエル・システマに感銘を受けたが、この制度はオーケストラを通して行われているため、ピアノ科の学生であった私は携わることができないと諦めていた。しかし、奇跡的な出来事が待っていたのである。それは、大学の就職課の先生から「青年海外協力隊は音楽という職種もあるから、募集要項をみてみたら?」という一言がきっかけだった。そこで目にしたものは、なんとベネズエラのエル・システマからの要請。そして、なんとオーケストラであるにも関わらずピアノ教師の募集であった。これを見た瞬間、この要請は私のためにあるものだと思った。早速、応募をし、順調に選考が進み、残り合否結果待ちとなった。しかし、ここである考えが過った。「もし経験のない私がここで合格して派遣されても、自己満足の活動で終わってしまう。しっかりと貢献をしたいのなら経験が必要である」そう考えた私は選考を辞退し、ベトナムで日本人学校の音楽教師として3年間経験を積むことを選択。そしてその後、もう一度同じ要請を受験しようと決意した。

協力隊の二次選考の日程は毎年7月と1月に行われているが、その時期は一時帰国ができないため、受験は本帰国後と考えていた。さらに、同じ要請に希望を出したいものの、タイミングは合うとは限らない。

しかし、ベトナムで任期3年目(最後の年)の時、春募集の日程が異例となり一時帰国できる8月に二次選考となった。よって予定より1年前に受験できることが判明。さらに要請内容を確認すると、なんと学生の時に希望を出したものと同じ要請(ベネズエラのエルシステマ)からの募集があった。これを知った瞬間の感動は計り知れない。そして再度応募し、無事に合格することができた。

エル・システマに感銘を受け、協力隊を最初に受験したのが21歳の時。24歳で再度応募し、26歳で夢が実現。数年かかって夢を実現することができた。ずっと思い描いていた協力隊としてエル・システマに携わる夢。強く願い続ければ夢は叶うのだと実感した。この度重なる偶然は必然であったと、任地へ来てさらに確信している。

(協力隊参加中の応募作品) 

 

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