中国人学生の考え方(西條治子/H17年2次隊・中国・日本語教師)

よく学生から、「先生、通訳になるために必要な準備は何ですか?」とか、「日系企業はどんな人材を求めているのですか?」とか、「大学生の間に準備しておかなければならないことは何ですか?」など質問される。

以前、仕事柄、面接官もやっていたので、だいたいは分かるが、しかし、職種が違うので、細かいところまでは答えきれない。だから、いつか中国の日系企業で働いている日本人に頼んで、学生のために講演会をしてもらいたいと思っていた。その願いが、最後の最後に叶えられそうだ。

たまたま知り合った日本人の方に依頼したところ、快く承知していただけ、帰るぎりぎりに講演会が行われることになった。せっかくなら、中国人の学生にも日ごろの勉強の成果を発表してもらいたいと思い、日本人留学生と中国人の学生とで協力して、アンケート調査し、その内容について、発表してもらおうと企画した。ということで、本日午後、みんなを集めて、内容について話し合った。

色々疑問に思っていることを質問し合い、最終的には、日中の大学生の就職観の相違について発表することになった。そんな中、ある日本人留学生がこんな質問をした。「どうして中国人の学生は、そんなに真面目に勉強するのですか?」

確かに、日本人大学生に比べて、中国人大学生は、本当によく勉強する。特に、湖南大学の学生は、ほんとに真面目で、一回も日本に行ったことがないのに、日本人と普通に会話でき、自分の思っていることを表現できる学生がたくさんいる。この違いは何が原因なのか?

中国では、老後の面倒をみてもらうために子供を産むという家庭が今でも少なくないそうである。特に、農村とかになると、生活が苦しいので、たくさん子供を産んで、そのたくさんいる子供たちに老後の面倒を見てもらおうと考え、結局、労働力は増えるかもしれないが、根本的な解決にならないため、悪循環を繰り返している例があると聞いた。

もちろん、すべての人がそうではないけど、そこから考えると、子供も小さい時から両親に面倒を見るように言われていて、それが子供の当たり前の義務だと認識し、そのために、先ず、金を稼がなくてはいけない→金を稼ぐには→いい大学に入って→いい教育を受け→いい会社に入り→高い給料をもらう。そのために、今しっかり勉強して、将来に備える!と考えている学生が多いのだと思う。

会話の授業で、学生のスピーチを聞いていると、将来の夢は「家族がみんなで仲良く暮らすこと」「平凡でもいいから、両親と一緒に住み、みんなで楽しく生活したい」など、日本人が忘れかけている両親に対する愛情がここ中国では、未だ受け継がれている。彼らと話していると、時々自分はなんて自己中な人なんだ・・・と反省させられることが多々ある。もちろん、大都市や、比較的裕福な学生たちは、今の日本の現状とだいたい同じような状況らしいが。

このように、学生と何かを始めようと一緒に行動すると、本当に考えさせられることが多い。幸せって一体何だろうか?学生のために!とか言いながら、結局は、自分が勉強になることの方が多いのかもしれない。

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