優しいシャボン玉 (浦 輝大/H18年度2次隊・バヌアツ・体育)

夕方に、ちびっ子メンバーが騒がしいと思って外に出てみると、ナッシーが空になったツナ缶の容器に洗剤を溶かしてその中にパパイヤの枝を突っ込んでストロー代わりにして、シャボン玉を作っていました。ナッシーが立っているのはウォータータンクを載せる為の足場のようなもので3メートルほどあります。下に居るメンバーは降って来るシャボン玉を一生懸命に取り合っています。しばらく見ていてから、志村ケンがやっていたみたいにシャボン玉を食べるまねをしてみよう、と思って僕もみんなの輪に入って落ちてくるシャボン玉を掴んで食べる振りをしてみました。

子供たちはみんな驚いて「ガーラ! ウラがシャボン玉を食べている!」「ウラの国ではシャボン玉は食べ物なの?」って言われたので「そうだよ、美味しいんだよ、ナッシー! 俺はお腹が減ってるからドンドン作ってよ!」 って冗談で言ったら、クレガーがみんなに「今ウラはお腹が減っていてシャボン玉を食べているから、みんなはシャボン玉を壊してはいけない、ウラに優先的に食べさせろ!」 と言うとみんなも「それはもっともな話だ・・・」 と言って僕から離れて僕がシャボン玉を食べるふりをしているのを遠まわしに「スッゲー!」 っと言って観察していました。

僕は思わぬ展開に少し戸惑いながらどのタイミングで嘘だと伝えようかな?って迷っているとみんながナッシーに「ナッシー、ウラはお腹が減っている、もっと早く作れないのか?」。そして、焦るナッシーに我慢できずに、サック、クレガー、フーソフィーが足場に登ってナッシーから缶をとりあげました。僕はだんだんと本当のことを言い出せなくなって、とりあえずおなかがいっぱいになったから大丈夫だ。と言いました。 

「本当に一杯になったの? 大丈夫なの? 遠慮してない?」と上に登った3人は心配そうなのか残念そうなのかわからなかったけど、とりあえずそういうことなら俺達も食べてみようと言う事になり、みんなで必死に食べていました。みんなが何処まで信じていたのかはわからないけど、まさに半信半疑というかんじだったと思います。でもそういうときの子供達の優しさってとてもうれしいものです。お腹は一杯にならなかったけど、胸は一杯になりました。

 

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