12月 【特別投稿】マラウイ農民自立支援プロジェクト

 


伝達農家への表彰式
ほかの農民に技術を伝達する活動を評し、農業大臣から
直接表彰状が手渡された

農業大臣出席の下、引き渡し式典・成果発表会

10 月30 日、プロジェクト活動地であるムジンバ県内の村を会場に、約7年間のプロジェクトを締めくくる式典“JOCA Malawi Project Handover Ceremony”を行いました。マラウイ農業食糧安全保障省(以下農業省)ピーター・ムワンザ大臣を主賓に、在マラウイ日本大使館小林成信参事官、JICA マラウイ事務所下田透次長をはじめ、農業省やムジンバ県の高官、援助機関現地代表などの来賓、プロジェクト対象地域の農民など、約350名が参集する盛大なイベントとなりました。
 

農民が自ら説明役に

開催地のカンドモ・バンダ村には、当プロジェクト対象グループの一つカジョウォラグループがあり、関係者らは集落の広場を利用して手作りの会場を設営しました。首都からの招待者にはとても好評で、地元の農民たちにとっても参加しやすい雰囲気となりました。

当日はフィールドツアーからスタート。来賓は活動写真のパネル展示を見たあと、トウモロコシとニンニクの畑、タマネギの比較栽培(グループ圃場)を視察。続いて簡易灌漑水路、堆肥場、ヤギ小屋、野菜の即売所および保存小屋へと進みました。農民たちは各所で説明役として、日ごろの活動を自らの言葉で紹介しました。
 


農民が生産した野菜の即売所
商品の説明や値段の交渉も農民が
研修を通してコツを身につけていった

目に見える成果発表、寸劇も

続いて行われた式典ではJOCAの金子洋三会長が開会の辞を述べ、2009年から3年間にわたり支援を頂いている外務省NGO連携無償資金協力に対する謝意を表するとともに、これまでの事業成果を振り返った上で、「プロジェクトの終了は地域の政府機関や農民にとって新たなスタートを意味する。これまでの成果を生かし、さらなる自立と発展を目指してほしい」と話しました。

成果発表は、JOCAマラウイ事務所の丹羽克介現地代表とプログラムオフィサーのアルバート・ムスク職員が担当しました。農業部門の成果については、農作物の収量や収入の増加を図表で発表。特に、2006 年に投入した約6キロの種ニンニクは、年々、対象地域外にも広まり、2012 年には約20 トンの生産が見込まれることを紹介しました。

また、人づくりの成果においては、経験を基に周辺農民に技術や知恵を伝える“伝達農家”をはじめ、農民グループの広がりや、伝達農家委員会などの組織が形成されていることを紹介。実際にグループや委員会で活動する農民が発表したほか、堆肥作りを例に、技術を伝える場面を再現したドラマ(寸劇)が農民により披露され、臨場感のある活動紹介が好評でした。
 

この手法をマラウイ全土へ

式典では、プロジェクトを通して育成された“伝達農家”のうち特に優れた15名に対し、農業大臣から直々に表彰状が授与されました。これを機に農民がさらに活力を持って農業に励んでいくことが期待されます。

ムワンザ農業大臣はスピーチの中で、「モノを与えず、考え方を変え、地域の資源を有効活用するコンセプトは手本となるモデルであり、マラウイ全土で活用すべきだ(概略)」と明言され、農業省では早速、既存の農業普及政策のなかにどのようにJOCAの普及手法を組み込んでいくか検討していくことになりました。プロジェクトの大目標である“マラウイ全土への普及”の実現に向けて、確かな手応えが感じられるセレモニーとなりました。

プロジェクト立上げから現地で活動を続ける丹羽代表は、「7年前、資金がないと諦めていた農民たちがプロジェクトを通じ自ら考えて行動することに気付き、収入増加などの成果を実感し、活力を持つようになった。お金やモノを提供しない手法は根気を要したが、坂谷、氣田、上田職員のチームワークにより、地道な努力を継続することができ、今では農民が自信を持って農業に取り組んでいる」と、感慨深げにプロジェクトを振り返りました。

当プロジェクトは12月15日で終了します。その後は一定のフォローアップ期間を設け、ムジンバ県農業事業所や農民の委員会などと共に、活動を継続する体制や普及手法をまとめた「ファシリテーション・マニュアル」の活用などについて協議を重ね、現場レベルでの活動引渡しを順次進めていく予定です。

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