12月 プロジェクト“らしさ”で成果を表現

 


大工職人ボブが作ったスクリーン。
自ら考案して移動可能なものに仕立ててくれた

約7年に及ぶ取り組みの成果を関係者に報告するセレモニーを開催する場所として、マラウイ事務所スタッフ一同が全員一致で選んだのは、足繁く通い詰めた村でした。舗装幹線道路から約5km の凸凹道を行くと、そこに広がるのはアイロンシート(トタン屋根)を備えた家が並ぶカンドモ・バンダ村。開催日の約1週間前から資材集めやセッティングを始めましたが、これがまさにプロジェクトコンセプトに沿った“utilizeavailable resources”(利用可能な資源の活用)を大いに表現した会場となりました。

農業事業所の大工であるボブを中心に、体力自慢の村人たちもチャキチャキと働き、テントやパネルの組立て作業を次々に完成。ボブのスクリーンは、私たちがパワーポイントによる発表を望んだことを受けて自ら考案した“可動式”という優れモノ。「どうしたらいい?」と悩んでいる日本人スタッフが、地元人のアイデアや知恵に圧倒されながら、手作り感満載の会場が完成しました。

活動地の村を会場にしたことで、このプロジェクトの成果として見てもらいたかった「農民、畑、ヤギ小屋、村人の結束度」や「数字・グラフ、成果物としてのマニュアル・ガイドライン」など、全体をバランスよく見てもらうことができたと感じています。もし首都のホテルで恒例通りに行われていれば、この農業プロジェクトの特色である「土の匂い」を感じられず、成果がうまく伝わらなかったでしょう。

セレモニー当日、総合司会者という大役を任されたのはJOCAが誇るファシリテーターのテンバ職員。実は彼はセレモニー当日、非常に近しい親戚の1人を亡くしました。出産時に母子共に命を落とすという、途上国では少なくないケースです。訃報を聞いた仲間のスタッフはテンバが任された立場に配慮し、セレモニーがすべて終了するまであえてテンバには訃報を告げませんでした。いつの間にかスタッフは各自がプロ意識を持って仕事をしていたのです。

さてこのセレモニー、経理担当が「月末は会計締め日だから忙しいし・・・」という理由で、1日前の10 月30日の開催を提案。するとどうでしょう。朝から晴天に恵まれていた空は、セレモニー閉幕直後に曇り始め、今季初の雨が降りました。プロジェクトの神様が味方をしてくれたと、スタッフ皆で空に向かって敬礼をしました。
(報告:氣田智子)

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