10月 羽ばたけ! 現地スタッフ

 


現地スタッフのテンバ・ムカンダウィレ

もうじき終了を迎えるプロジェクト。スタッフの一人、テンバ・ムカンダウィレ(34 歳)は、自分が次に進むべき道を描き始めている。

中堅として活躍してきたテンバは以前、イギリス人が運営するオーガニック農園で働いていた。彼を育ててくれた祖父がその昔ジンバブエで学んだ知識を生かし村の中でも有機農法で果樹を育てており、生来身近にモダンな農業がある環境で育ってきた。テンバとプロジェクトの出合いは2008 年、丹羽職員が視察のため農民を連れて農園を訪れたことに始まる。当時JOCAは外務省からの資金協力も決まり、新たなスタッフが必要であった。農園でテンバに会った丹羽は彼にひと目惚れし、スタッフとして迎え入れることになった。

ファシリテーター経験のないテンバは、当初苦労も多かった。しかし、人懐こい人柄、フットワークの軽さ、そして農業をこよなく愛する気持ちが、彼のファシリテーターとしての成長に大きく影響したに違いない。そんな彼にもまだまだ苦手とするところがある。報告書などの書類作成やデータ取りまとめなど数字全体、そして時間管理などマネジメント全般には日本人スタッフから未だに注意を受けている。とは言え、「途中で出会った初対面の農民相手にJOCA 手法を教えていた」「おもしろい取り組みをしている農民に会ったので畑で話を聞いていた」なんて言う逸話はテンバの愛すべき一面でもある。

そんなテンバには今、プロジェクト終了後に実現しようと抱いている夢がある。JOCA のプロジェクト・コンセプトと自ら学んだファシリテーション・スキルを生かし、NGOを立ち上げることだ。資金については既に当てがあり、以前働いていた農園のオーナーが彼の構想に賛同して資金援助を約束してくれているのだという。

プロジェクトが目指している3つの立場(農民、政府、JOCAスタッフ)からのファシリテーターの出現という目標に、テンバが応えようとしてくれている。報告書には書ききれないプロジェクトの大きな成果になるかもしれない。彼の夢が現実となり、JOCA スタッフの中から生まれたファシリテーターが、力強く生き生きと自国のために活躍していくことを切に願う。マラウイ国内版協力隊構想が実現する日もそう遠くはないかもしれない。
(文責:氣田智子)

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