8月 農民から上がった前向きな不満

 


グループワークの結果を全員の前で
発表する農民

プロジェクトは、通常のフィールド訪問時に行う農業技術研修やディスカッションなどに加え、こちらが選出した伝達農家25 名程を対象に年数回「伝達農家研修」を実施しています。研修は農園や市場などの現場で具体的に学ぶ“実践的な研修”と、卓上で意見を出し合い可能性を探り出す“理論的な研修”に大別できます。

発展初期段階には「野菜の播種法」や「家畜糞等を使った堆肥の作り方」など、具体的な農業技術研修を中心に行うことで、感覚を掴んでもらいますが、発展段階が進むと「どうしたら収穫量を収益増加に結び付けられるか?今の状態をどのように改善できるか?」といった疑問に対処するための、試行錯誤や経験を必要とする理論的な研修(マネジメント系研修)が主になってきます。これはグループのみならず地域全体の発展段階に対しても当てはまる図式となります。

6月に実施した伝達農家研修では、プロジェクトの終焉が近いこともあり、「今後農民自身で持続性を保つためにはそれぞれの立場で何をするべきか?」というテーマを掲げ、共に考えながら、JOCA が理想と考える姿を農民と共有することができました。このマネジメント系研修は、ノウハウを習得するまでに比較的時間がかかりますが、成功に結び付いたときの成果が大きく、応用が利くのも特徴です。ややもすると、聞く側は全く興味を持つことなく、内容も理解しないままになりがちなこれらの研修は、実施する側にもタイミング・研修の全体の流れ・使用する教材等の工夫が必要です。

今回は農民の学ぼうとする姿勢とJOCAが提供した研修がとてもうまくマッチしたのでしょう。研修終了後、農民からは「何故もっと早くこの研修を実施してくれなかったの?私たちが知りたかったのはまさにこの事だったのに!」という前向きな不満の声が上がりました。そして翌月の伝達農家委員会の議題は、先の研修で学んだ事を現場でどのように実践していくか?というタイムリー、かつ現実的なものでした。話し合い方自体はまだまだ改善の余地があるものの、「自ら行動を起こさねば!」という農民たちの気概を垣間見て、今回はスタッフが後押しされた形となりました。農民の底力は私たちの想像をはるかに越えているかもしれません。
(文責:氣田智子)

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