10月 農民から農民へ、自立に向かって

 突然ですがヤギ肉は私の好物です。日本では一部の地域を除いてあまりなじみのない食材ですがここマラウイでは農家がヤギを飼い、収入や食材の足しとしています。プロジェクトでは堆肥の供給源、現金収入源また栄養改善を目的に2007年3 月よりヤギ初期投資プログラムを実施しています。将来地域の中心的存在となるであろう4グループの半数29 世帯に対し、3 頭ずつ雌ヤ
ギを初期投入しました。農家たちによる家畜委員会も発足し、彼らのオーナーシップのもと受益者が広がっています。私たちのコンセプトは初期投資無しが基本ですが、それも人の習熟度により時期さえ間違えなければ依存心を助長することなくうまく機能するものと考えています。
 今回が3回目となるヤギ譲渡。家畜委員会は覚書にそって受益グループ選定のための視察や規約のブリーフィング、また4 日間のヤギ生産飼育管理研修を行いました。これまで講師としての経験を積んだこと、経験豊富な政府職員が出席することで技術面でのフォローは充分と考えられたこと、このプログラムはJOCA ではなく家畜委員会に主体があるとの3点より、JOCA は参加し
ないことにしました。このように、段階的に距離を置いていくことは真の自立のために必要不可欠な措置だと思います。
 しかしながら我々の不在は思った以上に参加者、政府職員を動揺させたようです。政府職員自身も頭のどこかで農民だけでは研修は行えないと考えがあったのではないでしょうか。そんな中、研修終了後に農業普及員のカンジェレさんからこんなコメントがありました。「本当にはじめから終りまで教室型の研修を農民自身で行ったのを見たのは初めてです。彼らもできるということに気
づきました」。
 まだまだJOCA の考えが充分相手に理解してもらえたとは思いませんが、この気づきこそが確かな一歩になるのだと思います。赴任してはや半年。そのお祝いに今夜は山羊鍋を食べようかと思っています。  (文責:坂谷尚美)

 


●家畜委員会主催「ヤギ生産飼育管理研修」
 (後ろに映っているのがヤギ小屋)


 


 

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