9月 ~選ぶのが先か、結果として選ばれるのか~

選ぶのが先か、結果として選ばれるのか・・・

 

左から、丹羽代表、チノンバ氏、ムスク氏(JOCAプログラムオフィサー)

 「伝達農家」・・・、それは、研修などを通じて得た技術や情報を他者のために伝達していこうとする人たち。自らの意思で、自分たちの地域を発展させようと行動する人たちを指します。現在の活動の核をなしているものです。このような人たちから、真に地域のために行動する農民リーダーが育っていくことがこのプロジェクトの目標です。

 では、「伝達農家」はどのように現れてくるのか…。誰かが任命するのでしょうか。出現してくるのを待つのでしょうか。…JOCA プロジェクトでは後者の方法をとっています。ムジンバ村落開発事業所(ムジンバRDP)の農産課職員、イノセント・チノンバ氏にJOCAプロジェクトについて伺ったときのこと。話は「伝達農家」の話題に及びました。マラウィの農業政策の中では農業技術普及の手段の一つとして“Farmer to Farmer Extension”が大きく謳われています。そのFarmer to Farmer Extension の実施者として「リードファーマー(Lead Farmer)」が一般の農民の中から選ばれています。リードファーマーは、ある特定の技術に特化して研修を受け、その技術について他の農民への普及活動を行っていくものです。無償での活動が基本であり、各地域の普及計画地域事務所(EPA)によって指名されたり、地域住民によって選出される形になっています。行政としては、多くのリードファーマーの確保とその継続性が課題のようです。


伝達農家による地域農民への研修の様子

 これに対してJOCA の活動を通じて出現してきた「伝達農家」は、“Farmer to Farmer Extension”の方針に合致し、リードファーマーの人材として行政からも認められつつあります。…「リードファーマー」と「伝達農家」。活動の中身は同じようなことですが、その質、継続性と言う点ではどうでしょうか。以下、そのときの話の内容です。
チノンバ氏:「JOCA の活動を通じて育っている伝達農家はリードファーマーとしての役割が期待でき、その動きを歓迎している。ただ、選ばれた人たちではなく自分から手を挙げてきた人たちだというが、それでうまくいくんだろうか。いくらやる気があっても周りの理解がなければ続かないだろう。「リードファーマー」はみんなが選ぶ、選ばれるというところがみそなんだ。」
丹羽代表:「JOCA のアプローチでは個人の自主性、主体性を重視している。そこが継続性につながると考えている。プロジェクト側や地域住民が先に「選ぶ」ということをしない。全ての地域農民を対象にした研修を通じて、そこから『よし、自分が動こう。この技術を仲間に伝える活動をしよう。』という“意識”を持った人が出現してくることに意義がある。そのような人たちは、活動
を通じて地域住民にサポートされ、結果として地域から“選ばれた”存在になっていくものと思う。  (文責:小嶋英嗣)

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