12月 ある伝達農家の本音

「ある伝達農家の本音」

写真:活躍していた頃のS氏

活躍していた頃のS氏

「当初はモノの提供もなしにいったい何をやるのかと疑っていたが、JOCA の研修を受講するにつれて、これこそが我々の自立に繋がるプロジェクトだと理解するようになった。」

これは、JOCA プロジェクトに参加していたマラウイ人S 氏のコメントです。彼はプロジェクト開始当初から、伝達農家として精力的に周囲の村を駆け巡りデモンストレーションを行い、農民の集会では進行役も務めるような中心的存在でした。ところが、最近の彼のコメントは一転しました。「伝達農家としての今までの活動は、ただ時間の無駄だった。私に必要なのは、(生産活動のための)資本、それ無くしては生活レベルの改善などできない。」
 

写真:視察にきた農家に説明するP氏

視察にきた農家に
説明するP氏

これは以前から彼が抱いていた“本音”だったと思います。「物資の無料提供は行わない」というのが本プロジェクトの趣旨ですが、以前より彼は種子の提供を懇願し続けており、積極的に見えた彼の行動も種子の提供を受けるためのパフォーマンスだったのでしょうか。結局、彼の畑にはほとんど何も栽培されていない状況で、今は自営の木工に専念しているようです。

一方、S 氏と同じグループに所属しており、より生活レベルが低いという若い農家P 氏は、研修を通して学んだ技術を実践し周囲の農家が感心するほど立派な野菜を生産しています。トマトとアブラナの収入で自転車も購入しました。彼は、「種子が買えないというのは嘘さ。“モノの無料配布”では僕たちが汗を流すことをしなくなる。問題は種子とか肥料ではなく僕たちの考え方だ。JOCA が来てから、僕は真剣に畑仕事に取組むようになったよ。」とコメントしています。

これらの短いコメントの裏には、彼らの様々な現実が絡んでいると思います。

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