10月 ギヴミ・ふぁてれーざ

「ギヴミ・ふぁてれーざ」

写真:マラウィ農民から 季節外れのプレゼント

マラウィ農民から
季節外れのプレゼント

今回は、ある対象村でプロジェクトの説明をしたときの様子をお伝えします。ムジンバのお母さん達も例にもれずすこぶる陽気で、村を訪問すると“オロロッロロー”と喉を鳴らし、豊かな臀部を器用に振りながら歌とダンスで歓迎してくれました。まずは木陰の下に小学校から椅子を運んで集会場所を作ります。参集者たちは、自分たちの村がプロジェクト対象地域に選定されたという喜びと、プロジェクトが何を持ってきてくれるのかという期待で興味津々でした。まず慣習に従って挨拶をすませ、「このプロジェクトに期待しているものは何ですか?」と質問をしてみました。結果は予想通り“肥料”“灌漑用エンジンポンプ”“牛”…が欲しい、という答えが返ってきました。

もともとマラウィに根付く“ダメモトでいただければ儲けもの”的な意識に拍車をかけるように、マラウィ政府やNGOが肥料や研修日当などを農民に提供してきたことが、多かれ少なかれ彼らの依存性を高める要因になったことは否めないと思います。現地普及員達も同様の意見でした。ですから、「プロジェクトが来れば何かもらえる」と期待するのが人情で、また農民の立場からは肥料の価格が高騰し50kgで3~4千円(ヤギ約1.5頭分、鶏約10羽分に相当)と非常に厳しい現実にあります。

私が「JOCAのプロジェクトからは、原則的にモノは提供しません」と説明すると、参集者全体に明らかに落胆の表情が見えましたが、後日、同村を再訪した際に、村の代表者は小さな皿にトマトとタマネギ、そして季節外れのキノコをのせプレゼントしてくれました。そして、(乾季終盤にもかかわらず)「このキノコは自分たち自身で作った(小規模)灌漑水路の脇に自然に生えていました(自分たちで水を引いてきた努力の表れです)。食べなくてもこの時期に生キノコを手にしたことを町で話されることで、私たちの活動を他の地域へ知らせることになる。」と自慢げに説明してくれました。

農民が自立していくためにはプロジェクト走り始めが肝心で、こういった能動的意識が発芽することから始まると思います。これからが楽しみです。

※ふぁてれーざ=化学肥料(fertilizer)

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