【ボランティアリポート】遠野だより(観光協会で活動するエデン・ヨハネス・ヨセフさん)

エチオピア出身のエデン・ヨハネス・ヨセフさんは、遠野市観光協会に配属され、外国人観光客を増やそうと、英語で遠野の魅力を発信しています。エデンさんが執筆した記事から抜粋してここに紹介します。

神秘のまち、遠野

遠野は数多くの伝説や民話のふるさととして知られています。遠野の民話は柳田國男氏により編さんされ、1910年に「遠野物語」として出版されました。

遠野物語 英訳版
『遠野物語』英訳版

この本を通じて、遠野に伝わる行事や人々の生活、文化などを学びました。大変に興味深い内容でした。遠野についての唯一の英語資料であることから、本を手にしたときは、わくわくした気持ちになりました。

これから遠野やその周辺の地域を訪れようと考える人には、ぜひ一読を勧めます。

この中で紹介されている「河童」と「おしらさま」にまつわるものを市内随所で目にします。遠野のまちは、その二つを「ブランド化」しており、市内の土産物店では、これらをキャラクター化したグッズが販売されています。

遠野での活動はまだ1か月ちょっとですが、私はすでに三つのおしらさまグッズと、たくさんの河童グッズを集めました。どれもお土産にぴったりです。

「もったいない」精神をケニアに

ケニアで「ママ岸田」として知られる、遠野市出身の故岸田袈裟(きしだ・けさ)さんは、東アフリカのケニアとタンザニアに住み、2つの国の発展に人生を捧げました。

岸田さんの仕事を引き継ぎ、現在、NPO法人「少年ケニアの友」のディレクターを務める遠野市出身の菊池弥生さんは、先日市内で行われた講演会で、「ママ岸田は、電気もガスもない土地では現代の技術や道具は役に立たないと、日本の村の生活様式をケニアに適応させた」と、紹介していました。

岸田さんは故郷岩手で使われていたかまどを参考に改良した「エンザロかまど」をケニアに普及させました。このかまどは、ケニアの人々の間で広まり、地方にも普及しました。ケニアでは三つの石を並べただけのかまどが一般的でしたが、エンザロかまどは、天日干しのレンガでつくられ、三つのかけ口を同時に使うことができ、熱を効率的に使うことができます。

このかまどを使えば、使う薪の量が少なくて済み、森林破壊を食い止めることができます。さらには、調理が終わった後残った火で湯を沸かし、煮沸することができます。(1997年の外務省ODA資料より)

かまどの名前は、岸田さんが最初に赴任し、かまどを紹介した「エンザロ村」にちなんでいます。その後、日本語と、ケニアで使われるスワヒリ語を合わせ、「かまどジコ」と名付けられました(ジコはスワヒリ語で台所や調理スペースの意)。

このほか岸田さんは、HIV/エイズ予防教育に尽力し、授業料が払えない子どものための奨学金を与え、さらには、いくつかの村に図書館を建てました。 

写真
岸田さんのかまど普及を紹介した本

岸田さんの役割は、東アフリカのケニアとタンザニア、アフリカと遠野をつなぐ架け橋として知られることになりました。間違いなく、遠野にアフリカを紹介した最初の人物です。「ママ岸田は、アフリカと遠野、日本をつなぐ架け橋でした」と菊池さんは講演で強調しました。2007年にはアフリカでの貢献が評価され、「読売国際協力賞」を受賞し、その活躍が知られることとなりました。

現地で求められていた以上の貢献をしたからこそ、岸田さんの活躍は称賛されました。情熱をもって難問に挑み、言葉の壁を乗り越えた岸田さん。ケニアに来たばかりのころはスワヒリ語は話せませんでしたが、言葉を学び、現地の環境に馴染んでいったようです。

アフリカでの活動後、ママ岸田はがんにより2010年に逝去しましたが、彼女の業績は今も知られています。

ママ岸田のアフリカでの人生や彼女の業績について、多くの記事が書かれています。中でも一番知られているのは、『エンザロ村のかまど』(さくまゆみこ文 沢田としき絵/福音館書店 刊)という本です。この本は日本の子どもにアフリカとアフリカの文化を伝え、アフリカに図書館を建てるプロジェクトを通じて出版され、のちの2004年に英訳版も出版されました。

職場の人々との「冒険」 

活動先の遠野市観光協会では、親切な人々に出会うことができ、とても幸運だと感じます。職場を離れても、ここでの友情を忘れることはないでしょう。

聞いたところでは、日本の文化では仕事の後、同僚と飲みにいく「飲みにケーション」といわれるものがあるそうです。この言葉は日本語の「飲む」と英語の「コミュニケーション」からきています。

先日初めて飲みにケーションに行きました。その日、通訳をする人がいないので、コミュニケーションの面で少し不安がありましたが、スマートフォンのアプリを使って通訳することができました。それ以上に、ジェスチャーが大いに役立ちました。夜が更け、飲み物や食べ物が運ばれてくるにつれ、コミュニケーションのスキルが上がってきました。

さまざまな飲み物や食べ物に初挑戦し、楽しい時間を過ごしました。初めて食したメニューを紹介します。

 

写真
カエルのから揚げ

1. カエルのから揚げ

あまり気が進みませんでしたが、同僚から「鶏肉みたいだから」と勧められました。そして、鶏肉を食べるつもりで口に運んだところ・・・本当に鶏肉に近い味でした。

 

写真
ホヤ

2.ホヤ

ホヤはとてもおいしかったです。見た目は悪いですが。この味をどう表現すべきかわからないのですが、本当においしい食べ物でした。

 

写真
鶏のナンコツ

3. ナンコツ

同僚や、通訳アプリによると、これは鶏肉とのことでしたが、どこにもナンコツだという説明がありませんでした。一口食べてみると、なんと表現したらよいのか・・・。鶏肉のほかの部位のほうが好きだと感じました。

次の「飲みにケーション」が今から楽しみです。
次回は馬刺しに挑戦です。


写真
筆者のエデンさん。昔話の世界を
紹介する博物館「とおの物語の館」にて

遠野市観光協会で活動するエデンさんのブログはこちらから

Nippon according to me

 

ページの先頭に戻る