「アフリカ」のイメージを大きく変えたボランティアたち~活動成果をTICAD5公式イベントで発表(2013年6月4日)

アフリカ連合委員会(AUC)と当会の連携の下、青年海外協力隊員の約3分の1が派遣されているアフリカからAUボランティア経験者が来日し、東日本大震災の被災地で協力隊経験者とパートナーとして復興を支援しようと3月に始まった「JOCA-アフリカ連合委員会連携ボランティア事業」。7名のアフリカ青年ボランティアたちが東日本大震災の被災地である釜石市と、被災した沿岸部への後方支援拠点となった遠野市で約2ヵ月にわたり活動した成果を、第5回アフリカ開発会議(TICADV)公式サイドイベント(当会、アフリカ連合委員会〔AUC〕=共催)で5月31日に発表しました。 

金子会長
挨拶を述べる金子会長

始めに挨拶を述べた当会の金子洋三会長は、「協力隊事業は開発途上国への人的支援だけではなく、協力する側の人材育成、『グローバル人材育成』の側面も持つ多面的な価値を持つ事業である。当会は、協力隊派遣国における彼ら自身による国づくりのための青年ボランティア事業、それぞれの国版の青年海外協力隊創設を促進、支援するために『マラウイ農民自立支援事業』『ラオス学校美化事業』などさまざまな取り組みを行ってきた。途上国における各国版の青年海外協力隊の創設は、国際ボランティア活動が参加者に及ぼす人材育成効果や自国の経済社会の開発におけるオーナーシップの醸成の観点からも有益であり、このような動きを今後も積極的に支援していきたい」と話しました。

続いて、阿部俊子外務大臣政務官から「7人のボランティアたちは、アフリカ域外で活動した初めてのボランティアとして、被災地である釜石市、大槌町と、救援の後方支援基地を担った遠野市において農作業や薪割りなどのボランティアのほか、小中学生を対象としてアフリカを紹介するイベントを開催し、好評を得たと聞いた。未来を担う子どもたちが7人のアフリカの友人たちのおかげで、世界が見守っている、被災地がアフリカまでつながっていると体感できたことは意義深いと思う」と挨拶をいただきました。

ハキム局長
AUCのハキム局長

そして、AU委員会の人的資源・科学技術局長アブドゥル・ハキム氏が共催者代表として挨拶し、今回派遣されたAUボランティアが東日本大震災の被災地で活動したことに触れ、「アフリカにも自然災害は多く、それ以上に内戦という人的災害があり、アフリカ連合は今後、平和構築に携わるAU青年ボランティア事業の立ち上げを検討している」と事業の展望を紹介。また、当会とのボランティア連携事業では年内に第2団を派遣し、アフリカと日本の関係深化を図りたい旨を述べました。

 

 

活動での学びを復興、地域振興のアイデアとして提案 

発表の様子
発表する、エチオピア出身のボランティア、ブラハヌ・テフェラさん

遠野市で活動したエチオピア、ケニア、カメルーン出身の4人のボランティアは、沿岸部の被災地域でのボランティア活動、遠野市での農業手伝いや地震に被災した陶芸家の窯修復のボランティア、小学校や市内での国際交流、異文化理解講座などを開いたほか、当会が実施する「ふるさと新生モデル事業」の農作業サポートなどを行いました。

2か月の活動中、ボランティア同士で意見を出し合いながら地域の人にインタビューし、活動の成果を「農業体験を目的としたグリーンツーリズムによる地域活性化」のアイデアとしてまとめました。

 

発表の様子
ルワンダ出身のデニス・ンゴガさん

一方、釜石市で活動したケニア、モザンビーク、ルワンダ出身の3人のボランティアは、釜石市で国際交流イベントや英会話講座を開催したほか、大槌町吉里吉里(きりきり)で、地域の人たちが復興と自立のために立ち上げた元エチオピア隊員の芳賀正彦さんが理事長を務めるNPO法人「吉里吉里国」で販売用の薪割り作業にボランティアとして加わりました。そして、石川県の能登で地域活性化のために活動する協力隊経験者のグループ「のとガール」を訪ね、そこで得たアイデアとアンケート調査の結果を分析して同NPOへのビジネスプランと、釜石市の国際交流事業への提案を発表しました。

 

大塚局長
総括を述べる大塚局長

最後に当会の大塚正明事務局長が発表を総括し、「遠野市、釜石市で出会ったすべての関係者が彼らの真面目な生活態度、活動に最高の評価を挙げている。常に明るさと積極性を忘れることなく日本のコミュニティにとけ込もうとする努力を特に評価したい」と述べました。 

AUの青年ボランティア事業は2010年に始まりましたが、その創設にあたり、AU本部の関係者が青年海外協力隊事業の視察のために2007年に来日した経緯があります。当時、JICA青年海外協力隊事務局長としてAU側の関係者を受け入れたのが大塚局長でした。3月、まだ来日したばかりのボランティアに対し、大塚は当時のエピソードを紹介しつつ、「これは国際ボランティア事業にとって画期的な出来事だ。私は先駆者である君たちをお客さんではなく、協働者、パートナー、親しい友人として歓迎したい」と激励した経緯があります。

 

7人のボランティアたち
積極的に活動した姿勢が評価されたボランティアたち

「ボランティアらの活動が、日本におけるアフリカのイメージを大きく変えたことも事業成果の一つだ。資金やモノの協力だけでなく、直接的な人による人への協力がいまこそアフリカ、日本双方に必要であるということを強調したい。今後は、AU-YVC拡大への供与、派遣人数を増やすために受入機関・団体を増やすことが求められており、当会も計画中のマラウイでのプロジェクトでの協力を検討していくが、当会の協力だけでは資金的な限界もあり、政府開発援助(ODA)事業として位置づけることも含め、本事業の継続について関連機関にその必要性を訴えていきたい」と述べ、イベントを締めくくりました。

 

 

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