日本での学びを母国で生かしたい~第3陣、活動終了(2014年11月)

8月下旬に来日し、さまざまな抱負と期待を胸にプログラムに参加した第3陣のボランティアたち。11月14日に迎えた東京での成果報告会で、それぞれが日本で得た経験を発表しました。この報告会は、東京農業大学の協力を得て、同校世田谷キャンパスで開催。「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)」の下、9月に来日し、同学で学ぶ5人の留学生のほか、多くの学生が参加しました。 

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AUCのアデューニャ事務官

 

最初に、当協会の大塚正明事務局長が事業関係者への謝意を伝え、「本日の報告では、ボランティアらの目に日本がどう映り、彼らがどう考えたか、関心を持って聞いてほしい」と挨拶。続いて、アフリカ連合委員会(AUC)で青年ボランティア事業を担当するダニエル・アデューニャ事務官が登壇し、「今回の来日でボランティアが活動した岩手県を訪れる機会を得、受入協力者に話を聞いたところ、『期待以上に活動をしてくれ、地域の人々に連帯感と明るさをもたらしてくれた』という評価を得た。地域社会が受けた影響と同じくらい、ボランティアらも成長したことと思う」と話しました。

当日はボランティアの出身国、カメルーン、ナイジェリア、ブルキナファソ大使館の関係者も出席。カメルーン大使館のレイモンド・カムガ二等参事官は「スピーチ原稿を用意してきたが、発表を聴いた後、それを読むのはふさわしくないと感じた。自国のボランティアが震災で被災した岩手県に行き、復興を支援したと知り、とても重要な活動をしたと知った。アフリカでもいま、エボラ出血熱が発生し、世界中から恐れられている。われわれは力を合わせ、これに立ち向かうことができると信じている。今日の報告を聞き、アフリカと日本の将来を思い描くことができた」と述べました。

最後に、東京農業大学国際農業開発学科の高根務教授が「本学にはたくさんの青年海外協力隊経験者がおり、私自身もガーナで活動した。この事業が重要な点は、草の根レベルでの相互理解の普及だ。一般の日本人とアフリカ人との相互理解が築かれれば、日本とアフリカの友好関係は将来につながるものだと言える。事業への参加者は19名とまだ少ないが、双方向型のボランティア事業の起点であることに意義がある。今後もぜひ継続してほしい」と発表を総括しました。

各ボランティアの発表と質疑応答

オラルカン・アイナさん(ナイジェリア出身/JOCA遠野事務所に配属)

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「遠野市上郷地区で英語教室を開催したほか、事業で稲作にかかわり、地域では、さまざまな日本の文化に触れた。

人々の中には、アフリカは大陸ではなく、国だと思っている人もいたが、そんな中で、英語教室を開催してアフリカの国々や文化を積極的に紹介した。活動の成果として、人々にアフリカを知ってもらうことができたと思う。同時に、アフリカと日本の社会には、家族とモノを基盤に成り立っているという類似性があることを学んだ」

 

 

イボンヌ・オニィニエ・アジュドゥアさん(ナイジェリア出身/遠野市観光協会に配属)

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「ずっと興味を持っていた日本で活動できてうれしかった。遠野観光協会では、スタッフと観光客のコミュニケーションをサポートした。英語のテキストブックを作成したり、実際に観光地を訪れて、記事を作成した。インスタグラムやツイッターで情報の発信をしたところ、フォロワーが増えた。

また、実際に遠野市に観光に来ていた外国人客を対象に、遠野の魅力は何なのか、外国人客にとって観光地はどのような改善点が必要なのかをヒアリングすべく、簡単なアンケートを作成した。

このほか、子ども向け英語教室の講師を務めたり、NPO法人「遠野まごころネット」を通じて被災地の復興支援を手伝ったりした。

活動では、アフリカ連合でのボランティア活動で学んだ、多文化環境で仕事をするノウハウが役立った」

 

エリック・ポルゴさん(ブルキナファソ出身/遠野市文化振興財団に配属)

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「遠野教育文化財団で人々にアフリカや私の母国、ブルキナファソがどんなところかを紹介し、日本の教育システムへの理解を深め、さらには、日本の地域社会のために活動したいとこのプログラムに応募した。

遠野市では市内の学校を回り、アフリカや母国を紹介する授業を行ない、ゲームをして子どもたちに楽しくアフリカを学ぶ機会を提供した。さらには、市民講座で料理を作ったり、母国の歴史を紹介し、独立の歴史、話されている言語や文化などを紹介した。

ブルキナファソにはここ数年、年間約30人の青年海外協力隊員が活動していたり、ブルキナファソの野球少年が日本に来てプロ野球にチャレンジしていたりするなど、日本とのつながりはさまざまなところにある。

ボランティア活動を通じ人々と交流することで、日本はどんな国かを理解することができた。 遠野では寒さが辛く、地震には驚かされたが、活動に参加したおかげで、日本語習得だけでなく、剣道や座禅など文化も学ぶことができ、充実した日々だった」 

ネリー・ンゲガンさん(カメルーン出身/遠野市文化振興財団に配属)

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「配属先の遠野市文化振興財団では、すばらしい人々に受け入れてもらえた。活動では、エリックと組んで6校延べ200人の生徒を対象に、母国やアフリカ54か国を紹介する授業を行なった。

生徒たちに授業への理解を深めてもらいたいと、日本語で授業をした。 活動を通して教えたこともあったし、自分自身も学ぶことがあった。その一つは社会の違い。幼稚園の子どもたちに、カメルーンでは買い物のレジ袋の使用が禁止されていることを紹介し、子どもたちに、環境を守る大切さを伝えた。一方、日本では『連帯感』を学んだ。組織の中でも連帯感が守られ、集団も個人も、どちらかがなければ存在しないことを理解した。

日本とカメルーンの懸け橋となるユニークなプログラムへの参加を通して、多くの経験を得た」

質疑応答

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大使館関係者からの質問に答えるボランティア

 

■この活動は帰国後にどう生きると思うか。まだこれからの予定は。

エリック・ポルゴ(ブルキナファソ)
「活動を通して日本の教育について学んだ。母国の教育は多くの課題がある。日本での経験は母国の教育分野の課題解決に寄与できると思う」

オラルカン・アイナ(ナイジェリア)
「帰ったら母国の農業分野で活動し、開発問題に技術面で寄与したい。

ネリー・ンゲガン(カメルーン)
「日本には『がんばって』という言葉があるが、それは『どんなことでも、全力を尽くして挑め』という精神を表していると思う。その言葉をカバンに詰めて持って帰りたい」

イボンヌ・オニィニエ・アジュドゥア(ナイジェリア)
「2年前、ある友人が『世界を変えるには、まず自分自身を変える必要がある』と書かれたイラストをくれた。日本では、態度、文化、伝統、価値など多くのことを学んだ。それにより私自身を変え、それを家族にも広げていきたい」

 

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