3年目の稲刈り(2014年11月)

写真
稲刈りに集まった人々

2014年10月4日、快晴の空の下、遠野市上郷町の田んぼには稲刈りに集まった人々の賑やかな声が響きました。 2011年より実施する「ふるさと新生モデル事業」の 3年目の稲刈りに、地域の人々やアフリカ青年ボランティア、当協会職員など約50人が参加しました。

初年度の作付面積は 2.2ヘクタール、昨年は 2.8ヘクタール、3年目にあたる今年は少し増えて 3.2ヘクタール(田んぼ28枚)と、年々圃場が広がっています。

写真
収穫期を迎えた田んぼ

 

毎年、遠野市の皆さんとの交流を目的に開催している田植えイベント。今年は5月31日に行い、遠野市教育文化振興財団の企画する「少年少女ふるさと発見探偵団」の団員 26名と財団スタッフ、当協会が受託する外務省事業「JENESYS 2.0」にて来日したカンボジアの青年 25名、上郷地区の若者で結成した上郷元気隊の皆さん、そして地域の皆さんと当協会本部職員等が参加し、総勢130名で約20アールの田んぼに小さな稲の苗を手植えしました。

今年の遠野は、雨不足になるくらいの好天に恵まれましたが、例年以上にシカの食害に遭い、またシカに稲を踏みつけられた田んぼが数枚ありました。さらに、刈り入れ時期に二つの台風が来襲。それでも今年の総収穫量は、昨年と同程度の10トンを見込んでいます。

そして迎えた稲刈り。田植えを手伝ってくれた上郷町の子どもたち、 「JOCA-アフリカ連合委員会国際ボランティア連携事業」で来日・活動中のアフリカ青年ボランティア、上郷町平倉地区の皆さん、そして 本部や宮城県岩沼市から参加した職員とその家族の協力により、10月4日に約20アールを手刈りし、はせ掛けしました。

写真
みんなで稲刈り

 

前日の雨で足元がぬかるみ、決して良いコンディションではありませんでしたが、参加者たちは期待以上に頑張って刈ってくれました。はせ掛けした稲は 2週間の天日乾燥を経て、脱穀・精米し、その後給食支援米としてマラウイへ送られます。

収穫を前に、2014年産米の概算金(農協が農家から販売委託を受けた際に支払う金額)が前年比の 3割減となるなど、稲作農家には厳しいニュースが飛び込んできました。東北農政局によると、12年産のコメ60キロ当たりの生産費(地代などを含む)は平均 1万4,094円、耕作面積 5ヘクタール以上の大規模農家で1万1,432円。14年産米の概算金はほとんどの品種がこれを大幅に下回る1万円以下の価格です。

写真
はせ掛けはチームプレーで

10ヘクタールを耕作し、10アール収量が540キロの場合、下落の影響は単純計算で270万円に上ることになります。大規模農家ほど、この問題が大きくなります。

いま日本の農業は大きな変革期を迎えています。今後、廃校となった上郷中学校を拠点にさまざまな地域おこしを遠野市において展開する予定の当協会としては、基幹産業である農業の置かれている状況は非常に危惧するところであり、若者の人口減に拍車をかけないかと心配しています。

地方の農村部において稲作は、食糧生産だけでなく「生き甲斐」でもあります。生き甲斐を失うことは、地方の活力を減退させることにつながりかねません。

遠野事務所は、開所以来、職員が地元の人々と共に暮らしてきたことから、特に子育て世代が半減している上郷町の希望の一つとして存在し、若いエネルギーがあふれる当協会の役割に対する期待はますます大きくなってきています。 

 

報告:遠野事務所 佐藤幸雄

ページの先頭に戻る