遠野での学びをセネガルに~農業研修生が青年海外協力隊員に(2014年1月)

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稲の刈り方を説明する金井研修生(手前。2012年10月)

遊休農地の再生を通じて地域に新しい力をおこそうと、岩手県遠野市で実施する「ふるさと新生モデル事業」。この事業では国際交流の機会を設けるだけでなく、将来、日本の農村を担う人材、青年海外協力隊を目指す人材の育成も目標に掲げ、実施してきました。

2012年5月に農業研修生としてこの事業に加わった東京都出身の金井勇人(かない・はやと)研修生が青年海外協力隊に合格し、平成25年度3次隊の野菜栽培隊員として、2014年1月8日、セネガルに旅立ちました。

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渡辺所長(当時)との田植え作業(2012年5月)

元協力隊員に農業技術を学んだことがきっかけとなり、国際協力、青年海外協力隊への憧れを抱いたという金井研修生。2012年5月に活動を開始した日は、1年目の田植えの真っ最中で、稲作経験があるソロモンOBの渡辺督郎遠野事務所長(当時)の指導の下、トラクターに乗り、田植え作業に加わりました。

プロジェクトでは、圃場での苗の補植や草刈り、稲の成長期には除草や害獣除けの電気柵の管理など稲作にかかわる多くの作業をこなすほか、野菜の栽培、遠野市や釜石市で活動する国内協力隊員が実施する国際交流事業にも参加。一方、農閑期の冬の間は、当協会が指定管理を担う鹿児島県アジア・太平洋農村研修センター(鹿児島県鹿屋市)で研修し、技術の習得を重ねました。


佐藤所長との農作業(2013年5月)

稲作2年目となる2013年は、2.8ヘクタール(田んぼ17枚)と圃場面積が広がり、折々で助っ人が入るものの、農作業を担うのは、金井隊員と佐藤幸雄遠野事務所長(S62-3/ガーナ/稲作)の2人。他の業務で外勤が多い佐藤所長の作業も担いました。

「金井君は本当によく働いていた。毎日、黙々と農業に取り組む姿が地域の人々にも受け入れられたようで、農業技術の細やかな助言をいただいたり、差し入れをいただいたり、さらには孫のように面倒を見てくださる方まで、多くの人々に支えてもらいました。親切で温かい遠野の人々の下で学べたからこそ、人間として成長でき、目標に向かって頑張ることができたのではないかと思います」と、佐藤所長は研修中の印象を総括します。


ひとり苗の補植作業をする(2013年5月)

応募前には当協会が実施するインターネット講座「青年海外協力隊講座」で国際協力について学んでいたほか、活動拠点である「JOCAっぱハウス」を訪れる当協会職員や災害救援専門ボランティアなどの協力隊経験者から派遣国での経験や語学の習得方法などを聞き、応募への準備を進めていました。

そして、平成25年の春募集で初めての応募ながら無事に合格。2013年10月に行った稲刈りでは、作業の後、地域の人々へのお礼と「協力隊の活動を経て、お世話になった皆さんに恩返しできる人間になりたい」と目標を述べ、1年5か月にわたる研修を終えて、駒ヶ根青年海外協力隊訓練所に入所しました。

西アフリカ・セネガルへの青年海外協力隊派遣は、1980年に、野菜栽培、水産物加工、看護師3隊員の派遣に始まり、派遣者数累計は930名余りに上ります(注)

これまでの研修活動は、協力隊の準備期間にすぎません。遠野での学びがセネガルで開花し、同国の農業の発展に貢献し得る人材となることを願っています。

 

注:JICA青年海外協力隊事務局発表、2013年11月末の数。 

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