ネット中継で身近な場所で楽しく買い物~小友町での「買い物弱者」支援(2013年9月)

「ふるさと新生モデル事業」を実施する遠野市では、地域の課題に取り組む国内協力隊員も活動しています。市南部の小友町(おともちょう)で、遠野市の地域活動専門員として活動する、佐藤俊裕隊員(H21-4/タンザニア/環境教育)の活動を紹介します。 

私は岩手県遠野市とJOCAが協働で地域づくりを行う「ふるさと新生モデル事業」にボランティアとして参加した後、青年海外協力隊経験を日本に還元したいとの想いが原動力となり、遠野市で1年間、活動に取り組んできました。

活動開始当初は、さまざまな会議に参加させてもらいました。ある会議の中で、「買い物弱者」の問題について地元の方から意見を聞く機会があり、まずは現状把握、調査を行う事から始めました。

私が赴任している遠野市小友町は人口1,500人を割り込み、高齢化率は37.2パーセント、遠野市街地から車で約25分の場所に位置する小さな町です。昔は五つある町内の行政区の中に1店舗以上の日用品、食料品を買える商店があったようですが、現在商店があるのは二つの行政区のみとなってしまいました。

これを補うべく、生協や全農(JA)の食材宅配サービスなどが実施されていますが、イメージ写真と実物が違っていたり、注文するのに小さな字を見なければならなかったり、自分で商品を決める楽しみが欠けていることなどが原因で、小友町の高齢者に普及していないのが現状です。これらを考慮し、買い物を楽しむ仕組みを盛り込みつつ、なおかつ同世代の人との交流の場を考える必要がありました。

そんな中、岩手県内で行われた勉強会に参加した際に、佐賀県唐津市で買い物弱者支援に取り組んでいる地域おこし協力隊の考えた仕組み「イドスク」の話を聞く機会があり「これだ」と思いました。 

新しいサービスで買い物弱者を支援する新化人 vol.8(佐賀県ウェブサイト)

 

 「イドスク」とは「井戸端スクリーン商店」の略称で、商店の様子はインターネットを通じて映像を配信し、買い物をしたい人たちには各地区の主要箇所に集まってもらい、その映像を受信し大型スクリーンに映し、生中継でやり取りを行い買い物が出来る場を提供する仕組みです。

これであれば、バスなどで遠方に出る際に不安だったトイレや体力的な問題も解消されること、自分で映像を見て楽しみながら品定めできるだけでなく、買い物弱者同士での交流、支え合いが生まれる事も実証されており、小友町でも実現できる可能性がありました。

私の活動している小友町では地元商店(食料品店)以外に産直があり、これらのいずれかを拠点とし「イドスク」を実施するべく計画を練り、遠野市の関係部署や社会福祉協議会、様々な方の意見、協力を頂きながら小友町ならではの形を整えてきました。

買い物弱者支援
小友町「イドスク」の様子。スクリーンで商品を紹介

そして、7月31日の遠野市社会福祉協議会の実施しているサテライト事業の中で、社協、産直や配属先の小友地区センターのスタッフの方々の協力を頂きながら試験的に「イドスク小友」買い物弱者支援を実施しました。

定期実施されている高齢者を対象とした、健康の保持増進、孤立感の解消、要介護状態になることへの予防を行い、高齢者の生きがいと社会参加を増進するサービス。

 

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小友町「イドスク」の様子。商品を注文する人々

利用者の方々は、はじめは何が行われるのか不思議な面持ちではありましたが、内容を理解されてからは映像を見ながらの買い物を楽しまれ、「お盆前にお供え物のお団子を買えてよかった。また買い物を楽しみたい」などの意見を頂く反面、「映像が揺れて見にくかった。もっときれいな映像にならないか?」などの指摘も頂き、関係部署と協議を重ねながら、次回の実施に向けて調整を行っています。

 

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「イドスク」で商品を手渡す筆者(左)

今の形が最善の形なのかは分かりませんが、今後も地域の声をくみ取りながら、課題を解決するべく活動に励んでいきたいと思っています。

このほかにも、農産物加工場の整備、地元のお祭り支援、小学校での読み聞かせボランティア、地元の若者や子育て世代が夢のある町について語る会(夢町会)の立ち上げ及び活動支援、被災地支援、Facebookを活用した情報発信「小友ファンクラブ」など、さまざまな活動に挑戦しています。
 

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小学校での読み聞かせボランティア

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今年2月、気温マイナス10度の中行われた「小友町裸参り」で、旗を持つ筆者(左から3人目)

報告:国内協力隊 佐藤俊裕
(平成21年度4次隊/タンザニア/環境教育) 

関連リンク

小友ファンクラブ Facebook

新しいサービスで買い物弱者を支援する新化人 vol.8(佐賀県ウェブサイト) 

遠野市の課題に取り組む国内協力隊員~2人の「地域活動専門員」(2012年11月15日掲載)

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