世代を超えて出会えた、沖縄の家族~ウチナージュニアスタディー事業~(2015年8月)

世界には、「沖縄(ウチナー)」にルーツを持つ沖縄県系人が約40万人いると言われています。「ウチナージュニアスタディー事業」は、そうした海外移住者子弟の青少年と県内の中高生が沖縄への理解を深め、次世代のウチナーネットワークを担う人材に育てることを目的としています。15年目となる今年は、8月2日~8月8日まで開催された事業に海外10か国から16名、県内・県外から17名が参加し、沖縄の歴史や文化、平和について学びました。

JOCAが本事業のプログラムを担当して3年目。「より深い学び、より深い気付き、より深い交流」をモットーに、言語が違う中で言葉の壁を越えた絆をどのように作り、深め、参加者に共通する「沖縄」の何を学び、共有していくのか、という点を踏まえ、プログラムを構築していきました。

様々なプログラムがある中で、戦後70年の節目の年である今年は、平和学習に三つの視点を取り入れることに重点を置きました。

一つ目は、「同世代」の戦争体験を追体験することです。ひめゆり学徒の体験者の話を聞いた参加者は、「時代の中で強制的に戦争に協力しなければならなかったのは、辛いし悔しい」と感想を話していました。また、「沖縄戦のことをこんなに具体的に知ったのは初めて」と話す海外参加者もおり、その言葉に「驚いた」と感じた県内参加者もいました。

二つ目は、「家族」の戦争体験です。沖縄平和祈念公園の平和の礎に刻銘されている名前を一つ一つ指でなぞりながら、戦争で亡くなった家族の名前を探していきました。膨大な人数が刻銘されているため、名前だけではなかなか見つけることはできません。ペルーからの参加者は、出発の時間ぎりぎりに、家族の名前を見つけることができました。見つけた瞬間にパッと笑顔になり、一緒に探したスタッフに丁寧にお礼を伝えていました。海外参加者にとっては、国で待つ誰かの代わりに、思いを託されてこの礎を訪れている人もいます。礎から離れる前、彼女は静かに、手を合わせていました。

三つ目は、「未来」に向けた話し合いです。平和構築のために必要なこと、重要なことについて、それぞれの政治や文化の違いを交えながら意見交換し、戦争から学ぶ平和構築について深く掘り下げていきました。これら一連の学習を通して、戦争を他人事ではなく、自分のルーツとの繋がりを感じつつ、命や平和の尊さをより深く考える内容となりました。参加者からも、「平和」についてみんなとディスカッションできたことが一番印象に残っていると感想が出ていました。

プログラムは僅か一週間ですが、参加者たちは、「ウチナーンチュ精神で繋がる絆」をしっかりと感じていました。「さようならではなく、これからもよろしく!」最終日の挨拶で、参加者の代表がみんなに贈った言葉です。「家族」的な絆を作ることができた一週間。再会を誓って、それぞれの場所へと帰っていきました。

来年は、沖縄県の主催による「世界のウチナーンチュ大会」(世界のウチナーンチュが沖縄に集まるイベント)の開催が予定されています。参加者たちは、次世代のウチナーネットワークの担い手として、再会を目指して各自アクションプランを発表しました。それを実行させるために、JOCAでは、ネットワーク作り、スキルアップの場をアフターフォローとして提供していきます。家族の一員として、彼らが再会できるようサポートしていきたいと思います。

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24万人以上の戦没者が刻銘されている平和の礎で、家族の名前を探す参加者

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一週間で覚えた現代版組踊りのダンスを最終日に披露し、達成感溢れる笑顔の参加者たち

 

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