2021年度第1回 おきなわ世界塾「テキスト×ワークで学ぶ 沖縄の国際協力&協力隊 きほんの“き”」

 2021年度第1回 おきなわ世界塾
「テキスト×ワークで学ぶ 沖縄の国際協力&協力隊 きほんの“き”」

 2021年度初めての開催となる おきなわ世界塾は「テキスト×ワークで学ぶ 沖縄の国際協力&協力隊 きほんの“き”」をテーマに実施しました。

久々のおきなわ世界塾開催!

少人数制で感染対策に気を付けました

開催日時:2021年4月24日(土) 14:00-16:30
開催場所:JICA沖縄
参加人数:12名(大学生~一般含む)

【当日のプログラム】
1.アイスブレイク 「4つの窓」(担当:JOCA柄澤)

 コロナ禍での対面開催となった今回は、少人数で十分な距離を保った机の配置、マスク着用の徹底などをしながらのワークとなります。顔が見えないとやっぱり少し緊張してしまいがちですが、冒頭にグループ内の自己紹介を「4つの窓」で実施しました。
①呼んでほしい名前
②所属or普段取り組んでいること
③好きな国or行ってみたい国
④国際協力ってどんなイメージ
という4つを書いて、それぞれ自己紹介を行いました。初対面のメンバーも多い中、海外や国際協力に興味のある人が集まっているためか、早速話が盛り上がっているグループも。

 プログラムを通して、ここで書いた国際協力のイメージに何か新しい視点が加わったり、いい仲間との出会いのきっかけになったりすると嬉しいです!

2.(前半)国際協力とは?沖縄の強みは? (担当:JOCA大山)

 2020年度に沖縄県の事業の一環で作成した「わたしにできる1のこと~沖縄の国際協力×SDGsの話~」の動画&パンフレットを使って、“そもそもなぜ国際協力をするのだろう?”や“沖縄の国際協力の強み”について皆で考えてみました。

講義 「なぜ国際協力をするのか?」

 先ずは、動画 (沖縄発の国際協力×SDGs概要編
https://www.youtube.com/watch?v=FKaq2egVwxs)を観ながら、国際協力をする理由を考えてみました。
キーワードは3つ
●共存: 日本の私たちの生活は、たくさんの外国との繋がりによって支えられている
●恩返し: 戦後の復興時に日本が受けたさまざまな支援や、東日本大震災の際に開発途上国を含む多くの国・地域から支援が届いたこと
●チームプレー: コロナ感染対策や環境問題などの世界共通の課題解決のため

 そしてのこういったマクロな視点の他にも、一人ひとりの国際協力実践者たちは、どうして国際協力活動をしているのだろう?というミクロな視点にも注目していくと、これから国際協力に挑戦したい参加者の皆さんにとって、面白い発見につながるかもしれません。

 

教材作成への想いと裏側も解説


国際協力で大切なこととは?

ワーク① 「なぜ日本・沖縄も大変なのに海外のことをするの?」

 皆さんはこの問いを考えたことありますか?国際協力に関わる人、目指している人であれば、一度は考えたことがあるかもしれないこの質問について参加者の皆さんと考えてみました。
「どっちも必要なことで、役割分担することが大事なんじゃないか。」
「日本のことだけやっていたら、日本が大変な時に誰にも助けてもらえなくなるから!」
「国際協力の現場で身に着けたスキルを日本・沖縄でも活かせるはず。」
中には、実際に家族に言われ考えたことがあるという参加者もいました。正解のないこの問いにそれぞれが向き合い、他の人の意見を聞き、自分にはない視点に「なるほど、おもしろい!」といった声も飛び交っていました。

 JOCAからは、ひとつの視点として「国際協力と地域課題解決の共通点」について解説しました。

ワーク② 「ウチナーンチュ(沖縄人)の強み!?」

 沖縄には、亜熱帯性、島しょ性、独自の歴史・文化といった特徴からくるユニークな国際協力プロジェクトを行っている人や団体がいます。
「国際協力をする上で大切なことって何だろう」
「ウチナーンチュが国際協力をする上での強みって何?」
ということに注目しながら、実践者へのインタビュー動画(沖縄発の国際協力 事例紹介編
https://www.youtube.com/watch?v=9rqfE43R22A)を視聴。インタビュー内容やここまでのワークをとおして、印象に残ったことや国際協力に対する新たな気づきをグループでシェアしました。
「上から目線にならないことが大切!」
「沖縄の人々が地域に愛着や誇りを持ち、そのことが国際協力にも繋がっていることを感じた」といった声が聞こえました。

3.(後半)世界共通の信頼関係づくり(担当:JOCA我如古)

 ここからはいよいよ世界塾オリジナルテキスト「世界共通の信頼関係づくり」を使いながら、協力隊が培ってきたスキルや考え方について、講義とワークをとおして学んでいきます。

講義&ワーク③「協力隊活動で必要とされる力とは?」

 「協力隊に行く前にどんな不安がある?活躍できる隊員ってどんな人だろう?」
会場の皆さんにイメージを聞いてみると、「語学が不安で・・・」「治安が心配」「帰国後の進路や結婚(!?)が心配」といった声が上がりました。しかし、「現地にいってみると、初めから英語が得意ということや大学で国際協力を専門に勉強してきた人が必ずしも活躍するとは限らない」と言います。
実は語学力以上に大切なのは、現地の人々と一緒に生活する中で、相手の話にきちんと耳を傾け認める力(傾聴力・承認力)だったりするそうです。
そこでペアワークをしてみました。最初の1分、聞き手は話し手を完全に無視!相槌したり笑顔を見せたりしてはいけません。残りの1分は表情や相槌、身振り手振りもいれて全力で相手の話に耳を傾けます。参加者からは
「無視されている時は、すごく悲しかった」
「相手の話に反応してはいけないのも辛かった」
「反応してもらえると話がしやすかった」
といった感想が上がりました。短いワークでも、傾聴・承認の大切さを体感できたようです。これは隊員活動だけでなく、日常のコミュニケーションでも大事なことですね。


ワークを重ねる度に笑顔も増える


この中から未来の協力隊が!?

講義&ワーク④「壁にぶつかったとき、どう乗り越えるか」

 世界塾テキストの最初のページに「協力隊 異文化適応のV字グラフ」が出てきます。
現地に着いたばかりの期待とやる気に満ちた気持ちが、現実の壁にぶつかり落ち込む時期(ショック期)を迎え、そこからまた回復していくという気持ちの変化、異文化への適応を表したイメージ図です。JICA海外協力隊の多くの人が程度は違えど、こういった経験をしています。

 バングラディシュでハンドボール隊員として活動していた我如古にもショック期があったそうです。
活動が始まって半年ほどが過ぎたある日、先輩隊員から「スポーツ隊員は遊んでいればいいから、いいよな」と言われ、とても落ち込んだそうです。「確かに自分は誰かの命を救っているわけでも、貧困で苦しむ子どもたちを助けているわけでもない。いったい何の役に立っているんだろう」と。ネガティブになってしまった気持ちをどのように切り替えたのか?
そこから抜け出せたのは、ひとりのストリートチルドレンの男の子との出会いだったそうです。腕がなく、物乞いをして暮らしているその子とゆっくりおしゃべりをした後に「きみの人生は辛くないの?」と訊いてみたところ、思いもよらない答えが返ってきました。「僕は今日、初めて外国から来た人(我如古のこと)と楽しくお話しができて、とても幸せだよ。」
この言葉を聞き、ハッとさせられたそうです。「自分はバングラディシュの人たちの命を助けたりはできないけれど、ここにいて、関わっていけるだけでも誰かを喜ばせたり、影響を与えることができるんだ。」と落ち込んでいた気持ちが吹っ切れ、活動にも勢いが出たそうです。
ひとつのものごとは、実は違う方向から観てみると違った形に見える、つまり「視点を変えてみる」と、壁に感じていたことから抜け出せるかもしれない。現地の人との関わりで価値観の違いに悩んだときも、一度自分のモノサシを置いて考えてみると違った景色が見えてくるかもしれません。

 参加者たちは、我如古のバングラディシュでの体験談を、声を出して笑ったり、悲しい表情になったりと真剣に聴きいり、協力隊生活を一緒に疑似体験しているようでした。
ここで学んだことを、将来の国際協力活動や日常生活でもぜひ思い出して、ヒントにしてもらえると嬉しいです。

 

 参加者の皆さん、ご来場ありがとうございました。またのご参加を心よりお待ちしております。

 

*****参加者からの声*****
・我如古さんの隊員時代の話や困難に直面した際の立ち直りの具体例や考え方を知れてとてもいい経験ができました。(一般・男性)
・日々の生活の中で偏った視点でものを見ていることに気付きました。(一般・女性)
・最近、自分のこと中心で物事を考えていたため、世界について考えることで視野を広げられたと思います。(大学生・女性)
・動画を見て国際協力について知ることができたのはもちろん、他の参加者との意見交換をとおして違った意見に触れて勉強になりました。また、傾聴や承認の話で自分は日常生活でできていないんじゃないかと発見できました。なので、これからは家族、友達にも傾聴を心がけたいと思います。(大学生・女性)
・国際協力は国外に行くことだけではないということをグループワークを通して改めて感じることができた。相手の立場を考える、自分の経験を記録する、発信することを実践できるようにしていきたい。(大学生・男性)

(執筆:大山、写真:稲住、生盛)

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