第7回おきなわ世界塾特別編「戦場を歩いてきた世界人」(2018年12月)

第7回おきなわ世界塾特別編

「戦場を歩いてきた世界人」
 

 2018年最後となる第7回おきなわ世界塾は、沖縄在住のカメラマン森口氏をお招きし、「戦場を歩いてきた世界人」と題して特別講演を実施。高校生から社会人まで30名の方が集まりました。実際に現場にいた人だからこそ語れる、臨場感あふれるお話しに引き込まれ、多くのことを考えさせられる機会にもなりました。

 

開催日時:2018年12月8日(土)
開催場所:JICA沖縄国際センター
参加人数:30名(高校生~一般)

 
講師:森口康秀氏 元モデル、報道写真家、現在は沖縄で写真の仕事やコザ街歩きガイド等を実践

 

今回のおきなわ世界塾お知らせチラシ

立ち姿にも雰囲気が漂います

    

 先ずは自己紹介からスタート。長身でスタイルのいい森口さん、若いころモデルをしていたと聞いて納得!その後、紛争地を中心に撮影する報道カメラマンに転身。世界中で写真を撮る中、9年前、米軍の撮影を行うために訪れた沖縄で奥さまと運命の出会いを果たし移住するに至ったそう。お話の後半には、なぜ報道の第一線を退いたのか、深い理由も知ることができました。

 講義の前半は、イスラエル・パレスチナや旧ユーゴスラビア(ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ)など、森口さんが訪れた地域で見てきたこと、経験してきたことを中心にお話いただきました。森口さんが実際に紛争地から持ち帰ったモノを参加者も手に取りながら、その裏側にあるエピソードを紹介してくれました。子どもたちに射撃の危険性のある場所を教えるための地図、拾った銃弾をペンとして再利用、イスラエル、パレスチナそれぞれが作成したカレンダーなどの広報媒体。どれもメディアでは知ることのできない驚く話ばかりです。普段は縁遠いと感じてしまう紛争地域の重い話ですが、森口さんの熱い話しに参加者も聞き入っていました。
 

 

それぞれに想像を超えたストーリーがある 

森口さんの熱い話しに引き込まれる

 

 

 後半は、森口さんが撮った写真をみながら、歴史的な背景や、撮影したときの状況、報道の裏側などをお話しいただきました。
ある一枚の写真には、亡くなったばかりの赤ちゃんをカメラの前にみせるお父さんと、その後ろで車に乗って泣き崩れるお母さんが写っています。この子は、直接攻撃を受けて亡くなったわけではないのですが、紛争が続き病院に行くことができず、銃撃が収まってから駆け込んだときには手遅れだったそうです。その救急病院の外では、何人ものカメラマンが待ち構え「亡くなった子の写真を撮らせて」と迫ったそう。毛布にくるまれた子供を抱いて泣くお母さんから、赤ちゃんを取り上げ、毛布もめくって写真を撮らせたお父さんは、この悲惨な状況を世界に知らせなければと思ったのかもしれません。ふつうではありえないような失礼なことを当然のように、この両親に迫ってしまう“報道”の仕事って…森口さんの心の葛藤を語ってくれました。

紛争地の写真以外にも、世界中で子どもたちや家族の笑顔の写真を撮っている森口さん。かわいい笑顔の写真もたくさん見せてもらい、会場の雰囲気も和みました。さらに、写真を上手に取るコツまでこっそり教えてくれましたよ。

 最後に、「紛争地でこんな場面に遭遇したとき、あなたらならどうする?」というシュミレーションワークをしました。日本に暮らす私たちは普段考えたこともない場面で、自分や家族の命を守るために、果たして自分はどうふるまうのか。きれいごとは通用しない世界。答えのない問いに、深く考えさせられました。

 紛争、報道、生き方・・・さまざまな角度から、心に響く貴重なメッセージをたくさんいただきました。

 

 

 

 これからもおきなわ世界塾では、人脈を広げたり、ステップアップにつながったりする学びの場を提供していきます。一緒にキャリアアップして、“世界人”になりましょう!

 次回、世界塾は1月12日(土)『ファシリテーション講座』を予定しています。理論と実践を交えた講座です。また、2月2日(土)・3日(日)には恒例の「世界人合宿」を開催予定。近日詳細をアップしますので、Facebookをチェックしてみてくださいね。ご参加、お待ちしております!

 

 

<参加者の声>

・イスラエル、パレスチナの問題は聞いたことはあっても、複雑すぎて深く知る前に諦めてしまっていたが、森口さんの   説明が分かりやすく、もっと知りたい!と思った。(高校生、女性)
・男の子2人の子育て真っ最中の私にとって軍隊や亡くなった子のお父さんの話など深く共感することがたくさんありました。(社会人、女性)
・現場の話は迫力があった。ジャーナリストがどのような環境で取材をしているのかを知ると、写真の見方もまた一味違うものとなった。(社会人、男性)
・立場を変えて、観ること考えること、想像することを教えてもらいました。(社会人、女性)

 


 

 

(執筆者:大山・生盛)

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