第10回「世界人合宿2018~課題発見の二日間”ごちゃまぜの地域づくりを考える”~」(2018年2月)

第10回「世界人合宿2018~課題発見の二日間”ごちゃまぜの地域づくりを考える”~」

毎年恒例となっている、おきなわ世界塾の世界人合宿。今年は、JOCAが地方創生に向けてキーワードとしている、「ごちゃまぜ」をテーマに、沖縄でも外国人の多い街として知られる沖縄市・コザで開催しました。

今回は実践型ディスカッション企業として修学旅行生向けの平和学習プログラム等を実施している、株式会社がちゆんとのコラボレーション企画で、プログラムの随所に、「がち(本気)でゆんたく(語り合う)」するディスカッションの時間を設けました。また、多文化共生プログラムや日本語サークル等を実施している、沖縄NGOセンターのスタッフや県内在住外国人の方々、沖縄市で街歩きガイドをしている沖縄市観光協会の方も講師として招きました。さらに2日目は、「だれもが楽しく暮らせる地域福祉のしくみづくり」の講演会に参加し、2日間を通して、国籍や障がい、世代を越えた、「ごちゃまぜ」な地域づくりを考える内容でした。

開催日時:2018年2月24日(土)~2月25日(日)
開催場所:沖縄市・コザ
参加人数:25名(高校生~一般)

 


ベトナム戦争時に栄えた名残のある街、

コザ(沖縄市)でアイスブレーク。


ガイドの森口康秀さんから、コザがどのように外国人と「共生」してきたか、歴史背景を交えて教えてもらいました。

 

アイスブレークを終え、外国人参加者とも打ち解けてきた10代~20代中心の25名の参加者。コザの歴史を学び、いざ街中へ!おきなわ世界塾オリジナルのフィールドワーク、「愛着ウォーク(eye check walk)」は、自らの足で歩き、直接目にすることでその地域に愛着を持ってもらうことを目的に作成した、ウォークラリー式アクティビティです。外国人の働くお店でインタビューをしたり、街中にある外国人にもわかりやすい看板を探したり、県内在住外国人と一緒に回りながら、沖縄市が育んできた「チャンプルー文化」を見て回りました。

 


長年インド料理や雑貨店を営む方へインタビュー


多文化共生について意見交換する参加者

 

その後の多文化共生の視点からチャンプルー文化を考えるワークショップでは、参加者から、「これまではチャンプルーというといろんな文化を混ざり合っていると思っていたけれど、インド出身の人から、『沖縄に染まるのではなく、自分のアイデンティティー持ったまま店を構えている』という話を聞いた」という話が出るなど、複数の文化が交じり合ってできた文化や、複数のエッセンスが混ざってできた新しい文化もあることなど、文化はいつも変化してきていることを感じられるエピソードが共有されました。その上で、「自分たちが住みたい○○な街」はどんな街かを考え、「自分の価値観を押し付けない街」、「他者の文化を尊重し、自分の文化に胸を張れる街」といった意見が出されました。このワークショップを担当した沖縄NGOセンターのギジェルモさんは、スペイン出身。言葉がうまく出てこないときもありましたが、ギジェルモさんが何を伝えようとしているのかを理解しようという雰囲気が会場一体となって生まれ、この場が多文化共生であると感じられるという空間が作られていました。

 


ギジェルモさん(中央)と、フィールドワークに参加した県内在住の外国人の皆さん


ごちゃまぜ社会のためには、「平気の幅」を広げることが鍵であることを伝える加藤塾長

 

2日目はディスカッションタイム。新聞記事から「ごちゃまぜな社会」のテーマに当てはまる記事を選び出し、どのような記事があるか、その判断軸となったのはどのようなキーワードがあるか話し合いました。多面性、価値観、共存、交流・・・といったワードが出てきましたが、果たして本当にそうしたワードが「ごちゃまぜ」なのか、キレイゴトになっていないか、がちゆんの當銘さんが問いかけていきます。人物カードを使い、高齢者、性的マイノリティ、妊婦、外国人等に立場を変えて記事を読み直していきました。人は無意識のうちに一方の視点から物事を見がちです。立場を変えて、複眼的に捉えることが、課題発見をする視点を養っていけるのではないかということを体験しました。

 


二日目のアイスブレーク。

沢山ある写真から共感できるものを選ぶ


自分と違う価値観への思い込みはないか、新聞記事からごちゃまぜ社会を考える。

写真右:當銘大樹さん(株式会社がちゆん)

 

午後は「だれもが楽しく暮らせる地域福祉のしくみづくり」の講演会に参加し、JOCA本部地方創生・地域戦略部の堀田直揮部長から沸子園の取り組みの紹介があるなど、地域が一体となって福祉拠点を作ることや、NPO法人チュラキューブの中川悠代表理事から大阪市の就労支援カフェの取り組みを聞くなど、人との関わり合いがごちゃまぜ社会を作っていくことを実践例から学んでいきました。

かつての日本は、外国人や孤児、障がい者、老人に対して法律を作り、別々の施設に入れ、“健常者”にとって住みよい社会を作ってきました。現代社会では、少子高齢化やグローバル化が進み、その社会で生きづらい人が増えてきています。世界人合宿を通して、多様な人が住みよい街、多文化共生な街、ごちゃまぜな社会を作っていくヒントを学んだ2日間。一人ひとりの社会への貢献度が100%と自信を持って言えるようになれば、ごちゃまぜ社会は可能!「今回感じたことを学校や職場に帰っても伝えるメッセンジャーになってほしい」とメッセージを送り、合宿は幕を閉じました。

 


だれもが楽しく暮らせる地域福祉のしくみを考える

トークセッション


最後の振り返り。濃密な2日間が終了しました。

 

加藤塾長の最後の参加となったおきなわ世界塾。次年度も引き続き、世界人=世界平和や多文化共生に貢献する人財を育てていくために、我如古新塾長を筆頭に実施していきます!どうぞ宜しくお願い致します。

(執筆者:池田紘子)

 

参加者の声

・2日間だけで自分の考えが変わると思っていなかった。1日目の夜、障害者に対しての差別の話になり、健常者と障害者を隔離した社会は、果たして悪なのか?という議論を持ち掛けた。共存することを良しとしているのは健常者の一方的な押し付けだと考えていたから。2日目の講義で、“障害者からの目線”を感じることが出来た。共存は必要だと感じた。“立場が変わると、考えが変わる”ことをとても強く感じた。今まで知っていたが、体現していなかったと感じた。(大学生・男性)

・街歩きから最後のシンポジウムまで、地域福祉の視点を大切にしていくことは、一人の人間として生きる上でも必要最低限のことであるし、これからの社会は必然的に“ごちゃまぜ”の方向に向かっていくべきだと思う。今回、自分としても学ぶ部分が多くて、非常にもやもやしたものが残っておりますが、自分なりの実践を通して答えを見つけていけたらなと思っております。(専門学生・女性)

・全体のプログラムのテーマと初日のコザの説明が少し分かりづらかったです。初日は割と国際色強めで、2日目は福祉色が強かったので、少し関連付けがしづらい構成だった。単一テーマでコンテンツもある程度揃えたほうが深まるのでは?“世界塾”と銘打っているので、もう少し国際色強めなイメージがありました。色々なことに興味がある若い世代と話が出来て、シリアというあまり関わりのない国の人と話せたことも良かった。つながりの場として、とても良い機能をしているので、コンテンツが良くなると更に参加したくなると思います。(社会人・男性)

 

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