ウチナージュニアスタディー 沖縄県からの海外移住者の子どもたちにふるさと理解を(2013年10月)

沖縄県主催の「ウチナージュニアスタディー」事業は、沖縄県出身の海外移住者の子弟(2世や3世)を沖縄県に招待し、県内の同年代の子どもたちと生活を共にしながら沖縄の歴史や文化、自然などを学習するプログラムです。当協会は2013年度に初めてこの事業を受託し、プログラムの企画・運営を行なっています。

 

JOCA独自のプログラム

「ウチナージュニアスタディー」事業は13回目を数えますが、JOCA沖縄事務所が受託したのは初めてのこと。そこで、これまで観光や交流色の強かった内容を一新し、当協会が得意とする国際理解教育・開発教育のノウハウを存分に生かしてプログラムを構成しました。さらにスタッフも多言語・多文化に対応できる協力隊経験者を中心に配置し、当協会ならではの布陣で運営にあたりました。

揺れるアイデンティティと世界に広がるウチナーネットワーク


沖縄伝統芸能(フェアウェルパーティでの組み踊り)

初日は緊張の面持ちでそれぞれの出身国ごとに固まり、国際交流とは程遠いスタートでしたが、さまざまなワークショップやアクティビティを経て徐々に打ち解けていった参加者たち。二日目のワークショップでこんな場面がありました。

「私は何人?」というテーマで、円グラフに20パーセントは日本人、60パーセントはブラジル人、残りはウチナーンチュ(沖縄人)など、自分という人間を構成する文化背景を確認する作業をしていた時のことです。メキシコから来た移民3世の女の子が作業中に泣き出してしまいました。「私はメキシコにいると日本人と言われ、日本にいると外国人と言われ、一体自分が何者なのかわからなくて辛かった」。

これがこの事業の核心を突く場面でもありました。彼らは親や祖父母が沖縄から移民し、並大抵ではない苦労や困難を乗り越えて定住し、その移民先で生まれた子どもたちです。親や祖父母からルーツである沖縄の話を聞き、三線やエイサーを習い、沖縄そばを食べて育ったものの、まだ一度も沖縄の地を踏んだことはありませんでした。反対に、県内参加者である沖縄の中・高校生たちは、この様な移民の歴史や同じ沖縄をルーツとする仲間の存在を初めて知り、理屈なしにその大切さを感じ取った様子でした。

研修成果発表ではどの参加者も、世界に広がるウチナーネットワークを維持・強化していくことが重要だと発表し、これからも沖縄と世界の発展のためにこの絆を忘れずにいると宣言していました。そして最終日には、離れ離れになる寂しさや達成感から、ほとんどの参加者が涙を流して別れを惜しんでいました。沖縄事務所は、こういった国際交流・協力事業を通して人々が感動する場面づくりに今後もかかわっていきたいと考えています。

記事一覧に戻る

ページの先頭に戻る