第5回おきなわ世界塾 「日本の福祉を変える 参加のデザイン」(2019年8月)

第5回おきなわ世界塾  

国際協力×福祉「日本の福祉を変える参加のデザイン」

  

8月24日、JICA沖縄で開催された特別企画は、約60名と多くの参加者があり、福祉事業関係者、建築関係者、国際協力関係者、学校教員、大学生、高校生、会社員とこれまでにはなかった様々な職種の人々が集まりました。

 

開催日時:2019年8月24日(土) 14:00~17:00
開催場所:JICA沖縄センター
参加人数:59名(高校生~一般)

プログラムは2部構成とし、第1部ではJOCA雄谷会長の講演、第2部では(株)アソシア(*1) 神谷牧人代表とJOCA雄谷会長のトークセッションを実施しました。

 

JOCA 会長 雄谷 良成 (佛子園 理事長)

株式会社 アソシア 代表 神谷 牧人

 

 

ごちゃまぜ と ちゃんぷるー

 第1部の講演では「ごちゃまぜ社会」について、石川県での地方創生の取り組み事例を交えて話がありました。

 「ごちゃまぜ」とは、沖縄の言葉にある“ちゃんぷるー”と似ている。そういって話し始めた雄谷会長は、ドミニカへ協力隊として派遣された時の経験を交えながら、会場の参加者に話し始めました。

 地域に人が集まれる場所がなくなってきた今、誰もが来れる、地域に開かれた、色んな人が一緒にいられる場所があることが大事。
参加のデザインは、人が人と関わることで幸せになれることを信じ、誰にとっても居心地の良い場所を作る事など、色々な要素が重なっている事が語られました。

 

“すべての人が機能する”

 「ごちゃまぜ」の最初の事例として、福祉法人佛子園の「西圓寺」という廃寺を地域の人が主体となり再生された事例について語られました。その地域づくりの過程で2008年55世帯だった町が2018年には75世帯に増加し、若者の定住が進み地域の中で家々の繋がりが活発になった事が話されました。

参加者のアンケートで印象的だったとの答えが多かったのは、「ごちゃまぜ」の概念。
活動を始めたころは「ごちゃまぜ⇒すべての人は役割(=Role)を持っている。」
それが今は「すべての人が機能(=Function)する。」に概念も変化してきたとのこと。

 障がいのある人も無い人も、全ての人は人と繋がることで機能する。排除しないことが大事で、医学的な根拠としてダウン症の92%が幸せと感じているというデータがり、その幸福感の高い人をごちゃまぜにすると、「幸せ」が伝染することを知りました。


「ごちゃまぜ」は第三の医療

(Behavior Health, Public Health )とも考えられ、
人と人とのつながりが健康増進に繋がることが統計データにも出ていることをお話されました。

 ①人と交わるだけで健康になる
⇒生きがい(人間関係で生まれる)のある人は、生存率が高い。
②つきあう人やグループでその人の行動が決まる
⇒地域活動(ボランティア・趣味活動等)への参加率の高い高齢者は要介護になりにくい。
③人とのつながりからうまれる支援(ソーシャルサポート)
⇒高齢者就業率の高い地域は、健康寿命が高くなる傾向にある。

 あの有名なマイケルジョーダンがADHDだったことを例に、障がいを持っていても優れた個性、特殊な能力を持っていて活躍する場がある。障害のある無しに関わらず、その人の得意な事、出来る事を発揮できるような居場所づくりが大切だと話していました。

 

“JOCA×佛子園の地方創生”

 また、【タウン型 生涯活躍のまち】B’sプロジェクト:多機能地域医療福祉連携の住民自治モデルの事例も話され、「地域文化や風土に根ざし、地域活性化に貢献するデザイン」というカテゴリーでグッドデザイン特別賞(地域づくり)を受賞した事も語られました。

 最後に、JOCA×佛子園の協働で「ごちゃまぜ」に挑んでいる “輪島KABULET-漆の里・生涯活躍のまちプロジェクト-”を紹介し、そこを皮切りにJOCAのOBOGが日本各地で様々な「地方創生事業」に取り組んでいる事が語られました。

激熱!トークセッション

参加人数はなんと過去最多の約60名

 

 第2部 トークセッション

 JOCA雄谷会長と沖縄で先進気鋭の福祉作りに挑む神谷代表の“当たり前が無い”枠越力について、ざっくばらんに対談形式で行いました。

 その対話の中で出てきた二人の共通点は日本人(周り)にとっての「普通」や「当たり前」が雄谷会長や神谷代表とはズレがあったこと。

 2人は幼少期のごちゃまぜ体験や、海外生活での経験から、日本人にとっての普通が普通でなくなり、枠越え力を身に着けていったといいます。

 そして、既存の価値観やルールを壊したり、新しいものを創り出すときに青年海外協力隊員にも必要とされる下記のようなスキルが必要だったと振り返りました。
【協力隊のスキル】例えば、地域の力を醸成するスキル。住民が主体となり地域に関わるようなプロセスを共に考え黒子となるスキル。地域の財産に気づき、愛着を持ってもらうような仕掛けづくり等。

 これから地域をどう元気にしていけるか、協力隊で培ったノウハウが活きてくる。
枠越力を活かし、私達が出来る事を一つ一つ積み重ねて沖縄の「ごちゃまぜ」に挑みたい、そう思える対談でした。   

 対談後の質疑応答でも会場の参加者と共に盛り上がり、話がつきなく会を終了するのが惜しいほどでした。
 

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おきなわ世界塾初の福祉の会、毎回参加して頂けている世界塾クルーに加えて新たな参加者も多く、これからも楽しく中身の濃いテーマで実施していきます。

 

~*~参加者の声~*~

教育現場でも特別支援学級が増え「分けることが普通」となっている。社会でも学校でもインクルーシブ教育の実施を進めていきたい。
また、保育の職場でお二人の対応を実践していきたい。等の声もありました。
さらに、参加者の中にはご自身が「子供たちとの遊び」を通して、車いす生活から杖の補助歩行へと医者が驚くほどの回復を、実体験している方もおりました。

 

 

 

*1)沖縄で障がいがある方への就労支援・自立訓練(生活訓練)を行う今までにない新しい福祉「アソシア」を展開中。
 

 

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