【グループ2】海洋資源・海洋安保~宮城(気仙沼)コース

2017年12月3日から12月12日の9日間にわたり、フィジー・マーシャル諸島・キリバス・バヌアツ・ナウル・ミクロネシアから「海洋資源・海洋安保」をテーマに、大学生・大学院生23名が来日しました。「海洋資源・海洋安保」というテーマの狙いを達成するため、都内および宮城県県気仙沼市の関連施設において見学・視察を行いました。

到着後、学生たちは本事業についてのオリエンテーションに加えて、「体験の伝え方」のワークショップを受講しました。このワークショップは日本での経験を自国に戻った際にどのように伝えるかを学ぶもので、学生同士で熱心に意見を出し合う姿が見られました。その後、都内での参観やテーマに係る視察等を皮切りに、日本滞在をスタートさせました。

都内では日本文化の視察として皇居や明治神宮・竹下通り、お台場のアクアシティを見学しました。明治神宮で偶然見た神前結婚式や、竹下通りの一般人・観光客の多さ、高層ビル群と皇居の立地など驚く場面が多く、日本のリアルに触れられる貴重な見学となりました。

またJICA東南アジア・大洋州部の職員の方による海洋安保に関するブリーフィング、東京海洋大学への訪問、笹川平和財団海洋政策研究所による海洋安全保障関係事業に関するブリーフィング等を受講しました。学校交流で訪問した東京海洋大学では、海洋生命科学部長による大学概要紹介、海洋生物資源学部門による「Coconut Crab」についての講義、学生によるダンスパフォーマンス、東京海洋大学生との食事会等が実施され、参加した東京海洋大学生と大洋州の学生がSNS交換するなど、今後も連絡を取り合う約束をする姿も見受けられました。


▲オリエンテーションにて


▲大洋州部の職員による海洋安保に関するブリーフィングを受講


▲東京海洋大学の学生と記念撮影

笹川平和財団海洋政策研究所を訪問した際には、事業概要、海洋安全保障関係事業、島嶼地域への支援事業の紹介が行われました。質疑応答の場面で学生が自国の現状を説明する際、感極まり感涙する場面もあり、今回の訪問がそれらを再認識するきかっけになりました。日本の海洋保安に関する事業・研究を知ることにより、日本の取り組みを理解することに加え、同じ島嶼国同士、同様な課題を再認識できた様子が伺えました。

気仙沼市に移動した翌朝、震災から復興した気仙沼市魚市場を視察しました。早朝の競り、マグロ・サメ・サンマの水揚げ等を間近で見学することができ、氷点下の早朝にも関わらず、学生は活気のある市場に非常に興味を持った様子でした。また、気仙沼漁港に隣接する海の市内にある氷の水族館で-20℃という非日常的な寒さを体験し、自国との違いを肌で感じることができました。震災から復興までの歩み、および現在に至るまで市場を支える関連企業の視察訪問等を通し、現地の状況を直接感じる機会となりました。さらに、気仙沼水産事業に関連する多くの関連企業(小売、製函、製氷)を視察し、気仙沼市が一丸となっての水産事業であることに驚いた様子が伺えました。

翌日は、被災物や震災直後の写真を展示しているリアス・アーク美術館の見学。それまで被災経験のある方から話しのみで震災当時の様子を伺っていましたが、被災物や震災直後の写真を目の当たりにし、言葉を失ってしまう学生もいました。しかし見学する様子からは、悲しい出来事だが目を逸らさずしっかり受け止めようとする姿勢が見受けられました。その後、旧向洋高校や商港岸壁防潮堤を視察し、被災した地域の為に周辺はほぼ更地に近い状態にも関わらず、突如現れた遺構に驚きを隠せない学生も見られました。語り部の方から当時の話を聞き、改めて学生も津波の脅威を実感することができました。


▲笹川平和財団海洋政策研究所を訪問


▲気仙沼市役所職委員による市紹介・被災状況説明


▲水産加工会社を見学

また、気仙沼市八瀬地区では民泊体験を実施し、受け入れ先家族の温かいもてなしも受け、1泊という短い時間にも関わらず、ご家族の方を「パパさん」「ママさん」、団員を「娘」「息子」とお互い呼び合う姿は、短くとも双方が有意義な時間を過ごせたことが伝わる微笑ましい光景でした。また、偶然にも降雪があり、学生全員が初めて雪を見る機会となりました。

森の学校では蕎麦打ちを体験やストラップ作り・栞作りをはじめとする体験活動を通して、地元の方々と苦戦しながらも楽しんでいる様子が伺え、学生にとって非常に思い出深いものになりました。森の学校の最後のプログラムとして、学生全員で揃えた衣装で団員自ら振付を考えた大洋州らしいダンスを披露し、八瀬の皆様からは盆踊り(炭坑節)の披露があり、振り付けも簡単なことから学生も飛び入りで参加し、双方楽しい時間を過ごすことができました。

報告会ではどの学生も研修期間中の限りのある自由時間の中で準備し、自身の体験を基に感じたことや考えたことをうまくまとめた内容でした。


▲気仙沼向洋高校旧校舎(震災遺構)訪問


▲そば打ち体験


▲ホストファミリーの皆さんと記念撮影

被災地の状況を直接目にしたり、気仙沼魚市場に関連する企業視察、民泊、蕎麦打ち体験等、すべてが彼らにとって初めての機会であり、加えて氷点下の気温、降雪、結氷など、自国では経験できない自然環境も彼らの忘れられない経験となりました。ここで得た経験をこれからそれぞれの国でさまざまな形で還元していくことを願っています。

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